『ワイルドスピードX3　TOKYO DRIFT』映画レビュー - ひたすら映画を観まくるブログ

■あらすじ『カリフォルニアの高校生ショーンは、車好きが高じてたびたび警察の厄介になっている問題児。ある日、ついに大きな事故を起こしてしまい、少年院行きが確実となってしまった。それを逃れるため、軍人の父を頼って日本へとやって来る。日本での高校生活に馴染めずにいたショーンは、留学生のトウィンキーに声をかけられ、深夜の立体パーキングで行なわれるアンダーグランドのカー・レースを見に行くことに。そこで、“ドリフト・キング”のＤ.Ｋ.にいきなり勝負を挑まれ、完敗してしまう。しかしこれをきっかけにショーンは、ドリフト・レースという未体験の世界にどんどんハマっていく。チューンナップを施した市販車でスピードの限界に挑む若者たちの姿を熱く描いた大ヒット・カー・アクション・シリーズの第3弾！』

本日、水曜プレミアシネマで『ワイルドスピードX3・トーキョードリフト』が放送されます。僕はこのシリーズが結構好きで、1作目と2作目は確か劇場で観たと思うんですが、どんな内容だったか憶えていません（確か主人公が囮捜査官だったような…？）。しかし、たとえ前作を全然知らなくてもノープロブレム。なぜなら、主人公はもちろん、舞台設定やストーリー展開など、前作との接点がほとんど無いからです。

それどころか、物語の前半は「ダメ息子がお母さんに家を追い出され、しかたなく日本で暮している親父の家に居候する」という、ボンクラ高校生を主人公とした単なる学園コメディと成り果てているのですから困りもの。おまけに、妻夫木聡や柴田理恵やKONISHIKIなど、普段テレビで良く見かける人たちがチョイ役で出演しており、もはやどこら辺が『ワイルドスピード』なのか見当もつきません、トホホ（噂によると中川翔子も出てるらしいが、全く気付かなかった）。

ところが、そんな“典型的ダメ映画”みたいな印象にもかかわらず、観てみたら意外と面白くてビックリ仰天！見所はもちろんストーリーではなく、車とドリフト対決ですが（笑）。しかも登場する車はほとんど日本車で、フェアレディZやRX-7、シルビアやランエボなど、走り屋にはお馴染みのスーパーカーが総出演。ここだけが唯一、『ワイルドスピード』の特徴を継承している部分と言えるでしょう。ちなみに、劇中で主人公は「マスタングの車体にシルビアのエンジンを搭載する」という荒業を炸裂させて、観る者の度肝を抜きまくりますが、こいつの名前は“シルタング”とでも言うのでしょうか？ｗ

さらに、最大の見せ場であるドリフトシーンに至っては、ドリフト界のカリスマ：土屋圭市がスタッフに加わっているだけあり、まさに本物のド迫力！しかも『頭文字D』とは一味違う、“大都会の路上”を舞台とした斬新なカーチェイスには驚愕せざるを得ません。

特に大勢の歩行者でひしめき合う渋谷のスクランブル交差点を、タイヤを軋ませながら高速ドリフトで駆け抜けていく場面は凄まじいインパクトでした（もちろん、実際の渋谷で撮影許可が下りるハズもなく、LAに渋谷そっくりなセットを作ったらしい）。残念なのは、クライマックスのドリフト対決がちょっとあっけなかったこと。途中から全然ドリフト対決じゃなくなって普通のカーチェイスになってるし。もう少し派手に盛り上げて欲しかったなあ。

正直言うと、内容的には全然『ワイルドスピード』との接点が感じられない本作ですが、最後にゲスト出演的に”アノ人”が登場して、「あ、やっぱり『ワイルドスピード』の世界なんだ」と安心しました。というワケで、「期待しなければ意外と面白いかも」という微妙な位置づけなんですけど、かっこいい車は出てくるし、下着丸見えのキレーなお姉ちゃんは出てくるし、ビジュアル的な満足度は結構高いと思われます（笑）。あと、千葉真一ファンも必見かと(^.^)