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『おおかみこどもの雨と雪』はなぜ泣けるのか?


本日、金曜ロードSHOW!細田守監督のおおかみこどもの雨と雪が放送されます。この映画は公開当時、「良かった!」「感動した!」との賞賛を数多く受けましたが、いったいどうしてそんなに観る人を感動させることが出来たのでしょう?

映画の公開後、監督の細田さんは雑誌のインタビューで次のように答えていました。

この作品では、観る人を泣かせるということは全く意識していませんでした。どうやって泣かせようなどと考えたことは一度もないし、初号を観た時も「変わった映画ができたなあ」とは思ったけど…。


つまり、もし手管的に泣かせようとしていたら、きっと全員が同じ場所で泣くと思うんですよ。でもこれはそうじゃない。それは、泣かせようとして映画を作っていないからなんです。


最近、取材を受けるようになって思うのは、ライターの方にしてもスタッフにしても、「泣きました」「グッときました」というところがみんな全然違う。きっとそれは、映画が泣かせてるんじゃないんです。観た人が、自分の人生に泣いてるんですよ。


感謝したこととか感動したこと、悲しかったこと、そんな自分の人生における様々なことを映画を観ながら思い出して涙を流している。だからみなさん「映画が良かった」と言って下さるけど、おそらくそれは映画がいいからではなく、例えばご両親への想いとか、子供への想いとか、恋人への想いとか、そういう経験があるから泣けるんだと思う。それぞれがいい経験を持っているからなんです。そんな風に僕は思います。


ただ、それももちろん事前に考えていたことではなく、”花”という人物がアイデアの中から生まれて、描いていくうちに彼女がどんな人なのか徐々に見えてきて、そのうちに僕は花の人生の語り部というか、極端に言えば記録者として書き記しているだけなんだと思うようになっていきました。


もちろん、最終的に僕はこの花という女性は素晴らしいと思いながら作っていったけれども、その思いは映画を観る方にとっては花ではなく、花という鏡に映し出された「自分にとっての特別な人」に向いていると思うんです。そうあって欲しいし、だとしたらすごく嬉しい。


それは『サマーウォーズ』も同じで、僕は自分の親戚をモチーフにしているけれども、映画を観ている人はみんな自分の親戚それぞれの人柄や思い出を重ね合わせながら観て下さったのかな、と。そういう意味では、身近なものを題材にした映画を作ることで、観る方と心から寄り添うことができるということを、今あらためて実感しています。 (「SWITCH Vol.30 No.8」より)

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