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『ターミネーター3』をもっと楽しく観るための制作裏話


■あらすじ『スカイネットが支配する未来社会から送り込まれたT-1000の襲撃を、T-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)の身を挺した活躍で乗り切ったジョン・コナー(ニック・スタール)。それから10年、“審判の日”は回避されたかに思われ、彼は放浪の旅を続けていた。そんなある日、新たな刺客T-X(クリスタナ・ローケン)が送り込まれてくる。T-1000をはるかに上回る性能を持つT-Xは、“リスト”にある人間たちを次々に抹殺し始めた。そんな時、彼の前にあのT-800と同じ形状のターミネーターが姿を現わす!再びマシーンとの戦いに身を投じるジョン・コナー。果たして人類の危機を救うことは出来るのか!?大ヒットSFアクションシリーズ第3弾!』



本日、金曜ロードSHOW!ジョナサン・モストウ監督のターミネーター3が放送される。ファンの間では評価が低い作品だが、ド派手なカースタントや激しいガンアクションなど、見どころも少なくない。そこで本日は、知っていればもっと楽しめる(かもしれない)映画の撮影裏話をご紹介。


●T-X(クリスタナ・ローケン)が登場するシーンは最初に撮影する予定だったが、「全裸の女性が街を歩く」というシーンに市当局が難色を示し、許可が下りるまで半年も掛かり、結局、一番最後になってしまった。

●T-Xがパトカーに追いかけられるシーンは、監督がイメージする明かりを再現するために1.2キロ先までの街灯を全て撮影用のライトに取り変えた(スタッフは1日がかりで全部の電球を交換したらしい)。

●ケイト・ブリュースター(クレア・ディーンズ)が初登場する場面は実在する百貨店を使用しているのだが、毎日1時間以上もかかる場所で撮影していたため「少しでも楽をしたい」と考えたジョナサン・モストウ監督の指示により、なんと監督の自宅からわずか10分の距離にあるこの店が選ばれたとのこと。

●ケイトが働く動物病院はカリフォルニアの駐車場に建てられた精巧なセットだが、あまりにもリアルに作られたため、本物と勘違いしてペットを連れて来る人が続出した(「撮影用のセットですよ」と説明するとみんな驚いていたそうだ)。

●T-800とT-Xの最初の戦闘シーンの後、カーチェイスが始まる。この場面、劇中の時間的には夜だが実際は昼間に撮影され、あとからCGで空の色を加工して夜に変えたらしい。

●巨大なクレーン車がクレーンの先端のフックで路上の車を次々と破壊するシーン。クレーン車と車は本物だがフックはCGで作られ、上手くタイミングを合わせて吹っ飛んでいるように見せている。

シュワちゃんがクレーンにぶら下がったままビルに突っ込むシーンは、さすがに危険すぎてスタントマンでも実行できなかった。そこでCGのシュワちゃんを作って合成したらしい。

●この場面で使用された巨大クレーン車は特注品で150万ドルも掛かったという。ところが、本番の2週間前に走行テストをしていたら、スタントドライバーが誤って横転させてしまい、メチャクチャに壊れてしまった。新しく買う予算は無いし、撮影日程も変更できない。そこでスタッフは24時間体制でクレーン車の修理に取り組み、ギリギリで撮影に間に合わせたそうだ。

●トラックの荷台でジョンとクレアが会話するシーンは、外での撮影中に雨が降ったため、「時間がもったいないから別のシーンを撮ろう!」と急遽スタジオで撮られたもの。短いシーンだが、雨が降った時しか撮らなかったのでかなり間隔が空いてしまい、役者は「どんなシーンだったっけ?」と段取りを思い出すのに苦労したそうだ。

●墓地のシーンはロスにある本物の共同墓地が使用された。監督は「まさか撮影許可が下りるとは思わなかったよ」と喜んだが、激しい銃撃戦を撮影しているすぐ側では、悲しい雰囲気の祭事の真っ最中だったため、スタッフはもの凄く気まずかったらしい。

シュワちゃんが肩に担いでいる棺桶は撮影用に作られたもので重さが100キロもある。右手の機関銃は実際に持っているが、さすがのシュワちゃんでも片手で100キロは担げないので、現場ではワイヤーを使ったらしい。

●シュワたちが乗る霊柩車の屋根に飛び乗ったT-XはCG。蛇行しながら猛スピードで走る車にしがみつくアクションはスタントマンでも危険なため、全てCGキャラが代役を務めた。

●T-3の追跡からひとまず逃れた3人は森の中で会話をする。しかし、撮影中に近くで山火事が発生し、上空を消火活動用のヘリやセスナが飛び回り、うるさくてなかなか撮影できなかったそうだ。

●頭が取れたシュワちゃんが起き上がるシーン。当初は本物のシュワを撮って頭部を消す予定だったが、結局全身をフルCGで作成した。革ジャンも腕も頭部も全てCG。頭をくっ付けた後の場面は本物だ。

●T-Xが粒子加速器にくっ付いて体が崩れていく場面のCGは最も困難だったらしく、優秀なCG技術者が2年も掛けてようやく完成させた。

●ジョンとケイトがセスナで着陸する場面の背景はミニチュア合成だ。しかし、あまりにもリアルに出来ていたため、アメリカの有名な映画評論家が勘違いして「ここは実際の陸軍基地で撮影された」とドヤ顔でコメント。それを聞いた監督は「ミニチュアだよ!」と突っ込んだらしい。

●これだけの大作映画になるとCGの量も膨大なものになる。当然、CGの制作には大変な時間が掛かるため、監督は撮影したフィルムを事前に編集してCGスタジオに預けなければならない。監督にとっては映画の工程を通常よりも早めに決定しなければならず、「本当は納得いくまで編集したいのだが、CGの作業時間を考えるとそれはできない。非常につらい作業だった」と嘆いていたらしい。


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