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【2021年最新】Amazonプライムビデオおすすめ映画15選

ジョン・ウィック:パラベラム

ジョン・ウィック:パラベラム


どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

さて、いよいよ昨日からゴールデンウィークに突入した人も多いと思いますが、世間はコロナ禍の真っ只中で自粛ムードが漂い、東京や大阪では緊急事態宣言が出されて映画館も休業中など、全然盛り上がらない状況にガッカリですよ、トホホ。

だがしかし!

せっかくの大型連休なんだから、ゆっくり映画でも観たいじゃないですか?外で観られないのなら家で観よう!というわけで、本日はAmazonプライムビデオで配信している作品の中から個人的におすすめしたい映画をいくつかピックアップしてみましたよ。


●『ジョン・ウィック:パラベラム』
キアヌ・リーブス演じる伝説の殺し屋:ジョン・ウィックが、常人離れした激しいアクションで次々と敵を殺しまくる人気シリーズの第3弾。前作で犯罪組織の掟を破ったために世界中の暗殺者から命を狙われることになったジョンは、銃・ナイフ・本・馬などありとあらゆるものを武器にして奇想天外な攻撃を繰り出す!1作目と2作目も見放題の対象になっているので、未見の人はこの機会にぜひどうぞ。

●『透明人間』
猟奇殺人鬼ジグソウの恐怖を描いたサイコスリラー映画『ソウ』の脚本で一躍注目され、『ソウ』シリーズや『インシディアス』シリーズなど様々な人気ホラーの脚本を手掛けてきたリー・ワネル監督(ちなみに1作目の『ソウ』では主演のアダムも自ら演じています)。

そんなリー監督の最新作となる本作は、古典ホラーのキャラとして有名な透明人間を現代の世相に合わせて再解釈し、よりシリアスで社会的なテーマを盛り込みました。過去の映画が透明人間側の物語を中心に描いていたのに対して、本作は被害者側の視点から描いているのがミソ。

例えば、部屋で一人で本を読んでいる時、何かの気配を感じてハッと振り向くとか、もちろん自分しかいないので何も起こらないんですけど、要はそういう「不気味なシチュエーション」をじっくり描いた映画なんですね。

主人公のセシリアは暴力やモラハラに耐えかねて恋人から逃げ出し、別の街で暮らし始めたものの、なぜか彼女の周りで奇妙な現象が起こり始め…。「透明人間がいる!」と言っても誰にも信じてもらえず、どんどん精神的に追い詰められていく悲劇の主人公をエリザベス・モスが熱演しており、その鬼気迫る演技も見どころです。

●『アクアマン』

リー・ワネルが脚本を書いた『ソウ』で監督を務め、『インシディアス』や『死霊館』など数々のホラー映画をヒットさせてきたジェームズ・ワン監督が『アクアマン』を撮ると聞いて、最初は「一体どんなヒーロー映画になるんだ…」と不安を感じたものの、いざ公開されるや世界中で大ヒットを記録し、DCコミックスの映画の中で歴代最高の興行収入を叩き出しました(『マン・オブ・スティール』や『ワンダーウーマン』よりも稼いでる)。

そんな『アクアマン』の見どころは、何と言っても「海を舞台に繰り広げられる壮絶なアクションシーン」でしょう。オーストラリアのワーナースタジオの敷地には9つの巨大な撮影スタジオがあるのですが、『アクアマン』の制作はその9つ全てを占有して行われ、しかもそれだけでは足りず、スタジオの外にまで超デカい野外セットが組まれたそうです。

こうした状況で撮影された『アクアマン』ですが、中でも苦労したのは全体の3分の2を占めると言われる”海中のシーン”で、ジェームズ・ワン監督は以下のように説明しています。

実際に水中で撮影してみたんだけど、泡も出るしなかなか上手くいかなかった。なので、ブルーバックを張ったスタジオの中で役者の体に”Tuning Fork”という特殊な器具を取り付け、それを自在に動かすことで水中の様子を再現したんだ。その映像をもとにCGで髪の毛や衣装をユラユラと動かしたんだけど、気が遠くなるような作業だったよ!

さらに水中での浮力を表現するために、全身青いスーツを着た2人のアシスタントがワイヤーで吊るされた役者の足を引っ張りながら撮影したという(リアリティを高めるためにスタントマンたちが水に潜って動きを研究し、半年以上かけて完成させたらしい)。このような苦労の末に生み出された『アクアマン』の水中シーンは、非常に幻想的で美しい場面に仕上がっており、当然ながらアクションもカッコいい!

●『レディ・プレイヤー1
西暦2045年を舞台に、VR世界で繰り広げられる様々なゲームと、そのゲームを必死でクリアーしようとするプレイヤーたちの熱い戦いを描いた巨匠スティーブン・スピルバーグ監督の大ヒットSF映画

最大の特徴は映画ネタの多さで、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンや『マッドマックス』のインターセプター、『マッハGoGoGo』のマッハ号、『AKIRA』の金田バイクなど様々なマシンが登場する他、『ジュラシック・パーク』のティラノサウルスや『キングコング』のコング、さらには『シャイニング』のワンシーンがそのまま出てくるなど、数え切れないぐらいのネタが満載!こういうネタ探しも楽しみの一つでしょう。

●『バリー・シール/アメリカをはめた男
凄腕パイロットのバリー・シールは、ある日CIAに腕前を見込まれて極秘任務を依頼されるものの、やがてCIAの目を盗んでコカインの密輸に手を染めるようになった。CIAにバレて忠告されても耳を貸さず、どんどんヤバい仕事に手を出し始め…。

ボーン・アイデンティティー』や『オール・ユー・ニード・イズ・キル』などのダグ・リーマン監督とトム・クルーズがタッグを組み、1970年代の実話を元にした破天荒なドラマをテンポよく描いています(主人公の行動はメチャクチャなんだけど、トム・クルーズが演じると妙にポジティブに見えるのが面白いw)。

●『シャザム!』
14歳の主人公ビリーがスーパーヒーロー:シャザムに変身できる能力を得たことで、「見た目は大人、頭脳は子供」という江戸川コナンとは真逆のキャラが爆誕(笑)。大人の体になったとはいえ中身は子供なので、コンビニでビールを買ったり、Youtubeに超能力の動画をアップしたり、貴重なスーパーパワーを無駄使いしまくります。

バットマンやスーパーマンなど真面目なキャラが多くて「暗い」と批判されがちなDCヒーローの中で、思い切り不真面目な方向へ振り切った本作はある意味で必見かもしれません(なお、福田雄一監督が演出を担当した日本語吹替え版はネットで炎上するほど不評だったので要注意w)。

●『ハンターキラー 潜航せよ』
アメリカの潜水艦とロシアの潜水艦が海底で激しいバトルを繰り広げる、と聞いて『レッド・オクトーバーを追え!』みたいな海洋アクション映画かと思いきや、途中から「ロシアの大統領救出大作戦」が始まるなど、色んな要素が入った盛沢山な内容にビックリ!

まあ「一つの映画で違ったアクションを楽しめる」という意味では”お得感”があるのではないでしょうか(笑)。『エンド・オブ・ホワイトハウス』や『ザ・アウトロー』など男くさい役ばかりのジェラルド・バトラーが主役を務めているのも世界観に合っててグッド(ただしジェラルド・バトラーのアクションはほぼありません。残念!)。

●『1917 命をかけた伝令』
「すさまじい臨場感!」「驚異の全編ワンカット!」などのキャッチコピーで公開された本作は、第一次世界大戦のヨーロッパを舞台にした戦争映画です。重要な指令を伝えるために最前線へ向かう若い兵士たちの姿をカメラがずっと追い続けているため、常時緊張感が漂っている点が特徴。なお「全編ワンカット」との触れ込みですが、途中で一気に時間が飛ぶシーンがあったりするのでワンカットではありません(長回しのカットが多いのは確かですが)。

●『パトリオット・デイ
2013年に開催された第117回ボストンマラソンの競技中に爆弾テロ事件が発生。3人が死亡、282人が負傷したこの事件をピーター・バーグ監督が映画化し、短時間で犯人逮捕に至った経緯を詳しく描いています。

なお、主演のマーク・ウォールバーグピーター・バーグ監督は『ローン・サバイバー』(2013年)や『バーニング・オーシャン』(2016年)でもコンビを組んでおり、『マイル22』(2018年)を合わせると4作品になります。相性がいいんでしょうかね。

●『マイル22
そんな『マイル22』は、『ローン・サバイバー』、『バーニング・オーシャン』、『パトリオット・デイ』が全て実話を元にしていたのに対し、ピーター・バーグマーク・ウォールバーグのコンビとしては初の完全フィクションになります。

本作でマークが演じるのはCIA軍事機関「グラウンド・ブランチ」の特殊部隊のリーダーで、東南アジアの某国に派遣されたマークたちが、ある理由から命を狙われている現地の警察官を亡命させるというストーリーです。

タイトルの「マイル22」とは、マークたちが警察官を移送する空港までの距離(約35.4km)のことで、途中で彼らを狙う敵との激しい銃撃戦や、時間通りに空港に着かなければ迎えに来た飛行機が飛び立ってしまうなど、様々な困難が待ち受けているのです。

さらに警察官を演じているのが、インドネシア映画『ザ・レイド』で凄まじい格闘アクションを見せたイコ・ウワイスなので、「パンツ一枚で戦うイコ・ウワイス」など破天荒なバトルが堪能できますよ(本人曰く、「4日間もパンイチのまま撮影していて大変だった」とのことw)。

●『ゲット・アウト
白人の恋人ローズの実家を訪れた黒人の青年クリスは、彼女の両親から暖かく迎えられたものの、なぜか奇妙な違和感を感じていた。翌日は盛大なパーティーが開かれ、クリスも参加したが違和感は強まる一方。やがて「何かがおかしい」と確信したクリスの身に衝撃の展開が…!モンスターも悪霊も出て来ないホラーですが、日常がジワジワと侵食されるような恐怖感がすごい。

●『クリード 炎の宿敵』
ロッキーのライバルであり親友のアポロ、その息子のアドニスクリードが悩み苦しみ、偉大な父を超えるようなボクサーへと成長していく姿を描いた前作『クリード チャンプを継ぐ男』はいい映画でした。

本作は、そんなクリードのその後を描いた続編ですが、今回戦う相手は『ロッキー4 炎の友情』でアドニスの父アポロをリング上で撲殺したイワン・ドラゴの息子:ヴィクター・ドラゴ!なんと息子同士の対決ですよ!

当然、クリードがどのようにしてヴィクター・ドラゴを倒すのか、その攻防が見どころではあるんですけど、実はドラゴ親子側のストーリーも結構泣かせるドラマになっていて、両方に感情移入できる点が面白い(サプライズで登場するあの人にもビックリ!)。

●『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』
北条司先生による人気漫画『シティーハンター』を実写化!と聞くと、映画ファンはジャッキー・チェンの香港映画を思い出して「ウッ!頭痛が…!」となってしまうのですが(まあ、あれはあれで悪くないと思うんですけどw)、本作はフランス製のアクション映画です。

実は、フランスでは1990年代から『キャプテン翼』や『ドラゴンボール』など日本のアニメがTVで放映され、子供たちの間で大ブームを巻き起こしていました。そんな中、本作の監督を務めたフィリップ・ラショーさんも『シティーハンター』に夢中になり、「いつか映画監督になって『シティーハンター』を実写化したい!」と心に決めていたそうです。

その後、本当に映画監督になってプロットを自ら北条司先生に持ち込み、ついに映画化の許可をゲット!なんと自分で冴羽獠を演じるほどの”シティーハンター愛”を見せました。

当然ながら、本編には原作に対するリスペクトが満ち溢れ、冴羽獠の愛車は原作と同じミニクーパー、しかもナンバーはアニメ版と同様の「32-98」(これは”ミニ・クーパー”という語呂合わせらしい)。

さらに仕事を依頼する際の「XYZ」もちゃんと原作通り駅の掲示板に書かれているし、獠にブチ切れた香が100tハンマーを振り回すシーンもバッチリ再現。おまけにエンディング曲はアニメ版と同じくTM NETWORKの『Get Wild』が流れる!これはファンにはたまりません!

なお、本作の日本語吹替え版では冴羽獠の声を山寺宏一さんが担当していて、「あれ?神谷明さんじゃないの?」と思ったら、どうやらフィリップ・ラショー監督の「ぜひ神谷さんにやって欲しい」という依頼を断っていたようです(色々と事情があった模様)。

そして神谷さん自身が山寺さんに「代わりに君が演じてくれ」と頼んだらしい。最初、山寺さんは「神谷さん以外の冴羽獠なんて考えられない」と戸惑っていたようですが、何度も説得されて引き受けることにしたという(神谷さんも別の役で参加しています)。

●『ザ・フォーリナー/復讐者』
「娘を殺された父親がテロリストに復讐する」という、ジャッキー・チェンの映画とは思えないほどシリアスなムードが漂いまくっている本作は、全編に渡って死んだ目をしたジャッキーが次々と人を殺していく異色作です。

ロンドンでチャイニーズ・レストランを経営しているクァン(ジャッキー)は「元アメリカ特殊部隊員」という過去を持ち、ベトナム戦争で活躍した優秀な工作員でした。そんなベトナム戦争時代の超絶スキルを存分に発揮し、悪党どもを処刑していくジャッキー。

監督のマーティン・キャンベルは『007 ゴールデンアイ』や『カジノ・ロワイヤル』などのスパイアクションものを手掛けており、本作のアクションについて「今までのジャッキー映画のようなカンフー戦にはしたくなかった。軍隊の戦闘スタイルやリアルな格闘術を目指した」と語っていますが、なんと日本で公開されたバージョンではジャッキーの意向でアクションシーンが増えているのですよ。

具体的には物語の中盤、森の中でナイフを持った敵と戦うシーンや、クライマックスの爆破テロ犯たちとの格闘戦などが海外版よりも長くなり、”ジャッキーっぽいアクション”が追加されているのです。ジャッキーファンには嬉しいですねえ。

●『ザ・ファブル
伝説的な殺し屋:ファブルは、あまりにも多くの仕事をこなし過ぎたため、ボスから「1年間誰も殺さず一般人として暮らせ」と命じられる。長年、凄腕の殺し屋として生きてきたファブルはその命令を守れるのか…?

南勝久先生による人気漫画を岡田准一さん主演で実写化した本作は、「ほぼ全てのアクションシーンをスタントなしで本人が演じる」という点が話題になりました。これを聞いて「すごいプロ根性だな!」と感心したんですが、岡田さんは後のインタビューで「ファブルは覆面を被ってるんだから、僕が演じなくてもいいんじゃないの?って言ったんだけど、スタッフから”動きが独特で他の人には真似できない”と言われて仕方なく…」などと証言(笑)。

しかし、岡田さん自身はアクションにもの凄いこだわりを持っていて、本作では『ボーン・アイデンティティー』や『96時間/リベンジ』などに参加したアクション監督のアラン・フィグラルツが「ファイトコレオグラファー(アクションの振り付け担当)」として参加してるんですが、なんと岡田さんもファイトコレオグラファーでクレジットされてるんですよ。

実際、撮影現場では岡田さんがアクションを提案したり、アラン・フィグラルツの構成したアクションにキャラクターの芝居を足したり、細かい動きを色々調整していたようです。しかもそのアクションを自分が演じる際は、「カメラマンに”動きが速すぎてとらえ切れない”と言われたので、ちょっと遅くしました(笑)」とのこと。岡田准一スゲ~!

●『プロメア』
人気アニメ『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』などを手掛けた名コンビ、今石洋之監督と脚本化の中島かずきがスタジオ「TRIGGER(トリガー)」制作で初のオリジナル劇場アニメに挑んだのが本作です。

ガイナックス出身の凄腕アニメーター:すしお(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序・破・Q』など)が作画監督を務め、『シン•エヴァンゲリオン劇場版』で総作画監督とキャラクターデザインを担当した錦織敦史が原画で参加するなど、多くの優れたアニメーターが集結。縦横無尽に暴れ回る見事なアクションが堪能できますよ。

さらに松山ケンイチ早乙女太一堺雅人ケンドーコバヤシ古田新太など人気俳優や芸能人が声優としてキャラに声を当ててるんですが、非常に上手い!特にクレイ・フォーサイトを演じた堺雅人さんは半沢直樹ばりの絶叫演技でクライマックスを大いに盛り上げています(笑)。

というわけで、Amazonプライムビデオで観られる映画をいくつかご紹介したんですけど、アマプラでは定期的に作品の入れ替えが行われていて、「いつか観ようと思っていたらいつの間にか見放題配信が終了していた」というパターンも少なくないんですよね。

例えば、2018年に公開されて大ヒットを記録した『ボヘミアン・ラプソディ』なども、現時点では見放題配信の対象となっていますが、「30日以内にプライム会員特典ではなくなる作品」として告知されているのです(観てない人はお早めに!)。

他にも、ジャン・レノナタリー・ポートマンの演技が多くの感動を呼んだリュック・ベッソン監督作品『レオン』や、ジェイソン・ステイサムの華麗なアクションを堪能できる『トランスポーター』シリーズ、『ゴジラvsコング』のアダム・ウィンガード監督が撮った新感覚スリラー『サプライズ』など、終了間近の映画が色々ありますので見放題が終わってしまう前にぜひどうぞ。

庵野秀明とシン・エヴァと『さよならジュピター』

さよならジュピター

さよならジュピター


どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

さて、皆さんはさよならジュピターという映画をご存知でしょうか?1984年に公開されたこの作品は、邦画では珍しい「宇宙を舞台にした本格SFドラマ」で、ミニチュアやCGを駆使して描かれる斬新な特撮シーンが当時話題になりました。

しかし興行的にはほぼ爆死状態で(配給収入は3億円)、「ストーリーがひどい」とか「無重力セックスの場面が苦痛すぎる」など散々な評価だったそうです。そんな『さよならジュピター』が今なぜか再び注目されてるんですけど、その理由がなんと『シン・エヴァンゲリオン劇場版』だという。えええ!?

実はシン・エヴァのクライマックスシーンで流れる「VOYAGER(ボイジャー)~日付のない墓標」という曲は、もともと『さよならジュピター』の主題歌として松任谷由実が作ったものなんですよ(シン・エヴァでは林原めぐみが歌っている)。

では、いったいなぜ『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で『さよならジュピター』の主題歌が流れたのでしょうか?それは、総監督の庵野秀明さんがこのSF映画のファンだったからです。

1984年当時、『さよならジュピター』の予告編を見た庵野さんは「いい曲だなあ。きっと感動的なシーンでこの曲が流れるに違いない」と期待して劇場へ観に行ったら、「エンディングでちょっと流れるだけでガッカリした」とコメントしているのです。

つまり、この時の不満を解消するためにシン・エヴァでわざわざ「VOYAGER」を流したのでは…と考えられるのですよ。しかも庵野さんは「『さよならジュピター』はダメな映画だと思うけど、僕は好きなんです」と語るぐらい思い入れがあるらしい。ダメな映画なのに好きとは一体…?そもそも、なぜ『さよならジュピター』はダメ映画と言われているのか?

というわけで本日は、庵野秀明総監督が『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のクライマックスで主題歌を流すぐらい大好きな映画『さよならジュピター』について詳しく解説してみたいと思います。

さよならジュピター

さよならジュピター

時は1976年、SF作家の小松左京さんのもとへ「TVアニメの原作を書いて欲しい」という依頼が舞い込みました。当時『家なき子』や『ルパン三世』などを制作していた東京ムービー(現:トムス・エンタテインメント)が、「宇宙を舞台にしたSFものを作りたい」と発注してきたのです。

そこで小松さんは「木星太陽化計画」という奇抜なアイデアを提示しました。その後、色々と検討を重ねた結果、残念ながらアニメの話はボツになってしまいましたが、この時に考えたプロットが『さよならジュピター』の元ネタになったのです。

そして翌年、アメリカではジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』が公開され、大ヒットを記録。それを知った日本の各映画会社は「うちでもSF映画を作るぞ!」と次々に企画を立ち上げました。

そんな中、当時の東宝田中友幸社長が小松左京さんを訪ね、「『スター・ウォーズ』に便乗したSF映画を作りたいから原作を書いてくれ」と依頼します。しかし小松さんは「そんな仕事は嫌だ」「やるならちゃんとしたSF映画を作らせてくれ」と逆提案するんですね。

こうして『さよならジュピター』の企画が始動!そっそく小松さんは豊田有恒山田正紀野田昌宏高千穂遥らSF作家仲間を集めてブレーン・ストーミングを開き、ストーリーを煮詰めていきました(なお、その間に東宝は速攻で『惑星大戦争を作り、『スター・ウォーズ』が日本に来る前にさっさと公開したw)。

それから1年後、大勢のSF作家たちが出し合ったアイデア小松左京さんがまとめてシナリオが完成。ただ、最初のシナリオで映画を作ったら4時間を超えそうだったため、ここから何度も脚本を推敲する作業が続いたらしい。

さらに時は流れて1981年、なかなか映画の話が進まないことに業を煮やした小松さんは、自ら『さよならジュピター』の制作拠点となる「株式会社イオ」を立ち上げ、パソコン3台(NECのPC-9800など)、ビデオデッキ4台、ビデオカメラ1台、大画面プロジェクター2台、ファックス、コピー機などを次々と導入しました(この時点では東宝との正式契約がまだ結ばれていないので全部自腹)。

そして9つに区切られたホワイトボードに小松さんが絵を描き込み、カメラワークや俳優の動きの指定なども記入。スタッフがその絵をポラロイドカメラで撮影し、さらに別のスタッフがその写真を見ながらクリーンナップしてセリフやカットナンバーなどを書き加え…という作業を何日も続けたのです(これが絵コンテになった)。

さよならジュピター

さよならジュピター

この方法は当時としては非常に画期的で、樋口真嗣さんが『ガメラ3 邪神覚醒』(1999年)の制作時にマネするほどでした(なお小松左京はモリ・ミノル名義で漫画を描いていたことがあり、樋口真嗣も「小松さんが描いたコンテはメチャクチャ絵が上手い!」と絶賛している)。

こうして少しずつ絵コンテが作られていったのですが(最終的に小松左京が描いた絵コンテは855枚に達した)、いつまで経っても東宝からは『さよならジュピター』の映画化に関する正式なゴーサインが出ません。そこで小松さんは次にミニチュアの制作に着手しました。

スタジオぬえ宮武一貴さんに宇宙船などのメカデザインを発注し、小川模型グループに特撮で使用するミニチュアを作らせたのです(ちなみに当時のスタッフはほとんどが学生だった)。当然、ミニチュアの製作費は小松さんが全て負担したのですが、巨大な宇宙船を一つ作るのに1000万円かかるなど、莫大な金額になったそうです。

さらに小松さんは、「『スター・ウォーズ』にはモーション・コントロール・カメラという最新の撮影機材が使われているらしい」「ならば『さよならジュピター』でも使いたい」と考え、自ら色んな企業を回って「アマダ製作所」に協力を依頼し、工業用ロボットを改造してモーション・コントロール撮影できるシステムを作り上げたのです(「アボット」と命名)。

その上、当時はまだ映画にCGが使われる機会が(特に日本では)ほとんどなかったにもかかわらず、「CG映像を見せたい」と考えた小松さんは三菱総合研究所スーパーコンピューター(日本に2台、世界でも40台しかなかった)を借りてリアルなCGを作り、関係者の度肝を抜きまくりました。

このように、小松左京さんは映画の制作が正式に決まる前からスタジオを作り、デザインやミニチュアを発注したり、撮影機材を揃えたり新たなシステムを開発するなど、自己負担で次々と色んな準備を整えていったのです。

実はこのエピソードって、ジョージ・ルーカス監督と似てるんですよね。ルーカスも『スター・ウォーズ』を作る際に、なかなか20世紀フォックスからゴーサインが出ないことに苛立ち、自腹で大きな倉庫を買ってILM(自前の特撮工房)を作ったり、若いスタッフたちにミニチュアを作らせたり、映画の撮影が始まる前から100万ドル以上を突っ込んでいたらしいので(笑)。

たぶん二人とも「これは俺の映画だ!」「自腹を切ってでも絶対に完成させてやる!」という強い思いがあったのでしょう。すごい映画を作るには、そういう”個人の熱意”みたいなものが必要なのかもしれません。

さよならジュピター

さよならジュピター

しかし小松左京さんの場合は、その熱意が発揮されたのはクランクインまでだったようです。1983年4月に東宝とイオの間でようやく映画の製作契約が結ばれたのですが、準備の段階ではあれほど熱心に活動していた小松さんが、いざ撮影が始まると急に何も言わなくなったのですよ。

一応、現場には来るものの特に指示を出すわけでもなく、橋本幸治監督の仕事ぶりを見ながら1日中タバコをふかしていたらしい。橋本監督が「ワンシーンぐらい撮ってみますか?」と声をかけても「いやいや…」と遠慮して逃げてしまうなど、ほとんど口を挟まなかったそうです。

その様子を見ていた周りの人たちは「小松さんは”総監督”という一番偉い立場なのだから、もっと現場で口出しすれば良かったのに…」とか、「撮影で苦労しているスタッフの姿を見たら、何も言えなくなってしまったのでは…」などと証言(庵野さんとは真逆ですねw)。

もちろん、小松さんが口出ししたからといって映画が良くなるとは限りません(むしろ、もっと酷い状況になっていたかもしれない)。ただ、映画作りというものは(特にこれだけ規模の大きいSFドラマの場合は)、”明確なイメージを持って力強く現場を引っ張っていく人間”が絶対に必要だと思うんですよ。

本作で指揮をとっていた橋本幸治さんは(これが監督デビュー作)、後のインタビューで「小松さんの言うことはあまり聞かなかった」「小松さんが描いた絵コンテもほとんど見なかった。コンテ通りに撮っても面白くないので」「『さよならジュピター』の小説も読んだけどイマイチわからなかった」などと証言してるんですよね。

さらに「この映画のテーマは”愛”である」「英二(三浦友和)とマリアの愛をしっかり描くことが最も重要な課題だった」みたいなことを言ってるわけですよ(その結果があの無重力セックスなのだろうか?)。このインタビューを読む限り、小松左京さんが思い描いていたイメージを忠実に再現しようという意識があったとは思えないんですよねぇ。

なので、やはり小松さんが総監督になった以上、監督の撮った映像を細かくチェックして「こんなんじゃダメだ!」とリテイクさせたり、「後半の展開が気に入らないので全部作り直そう!」と非情な決断を下したり、一切の妥協を許さぬ厳しい姿勢を貫いて欲しかったなあ(いつまで経っても映画が完成しない可能性がありますけどw)。

さよならジュピター

さよならジュピター

そんなわけで、出来上がった『さよならジュピター』は色々と批判も多かったんですが、決して見どころが無いわけではありません。なにしろ特技監督川北紘一さんですから!『ゴジラvsビオランテ』など平成ゴジラシリーズで見事なヴィジュアルを生み出した川北さんが本作でも存分に腕を振るっているだけあって、冒頭から素晴らしいシーンの連続です!

小川模型グループが作ったミニチュアも非常によく出来ていて、スペース・アロー、ミューズ12、TOKYO-3(「第3新東京市」のネーミングの元ネタ)、フラッシュバード、ミネルヴァ基地など、37年前の作品とは思えないほど優れたデザインで今見てもカッコいいんですよねえ。庵野秀明さんはミニチュア特撮が大好きなので、きっとこういう映像に魅了されたのでしょう。興味がある方はぜひ一度ご覧ください。

ちなみに、庵野さんの仲間で凄腕アニメーターの増尾昭一さん(『トップをねらえ!』や『ナディア』、『エヴァ旧劇場版』『序』『破』『Q』など多くの庵野秀明作品に参加している)は、当時『さよならジュピター』の予告編を見て「これはすごい!」と興奮し、10回観るつもりで前売り券を10枚買ったら、最初の1回目でガッカリして残りの9枚をタダで配ったそうです(笑)。