本日、日曜洋画劇場で『バイオハザード』の1作目が放映されます。ラテ欄によると「1作目の公開から10周年」ってことらしいのですが、正確には2002年の公開なので11年経ってますね。というわけで、本日は『バイオハザード』の制作裏話を色々と書いてみますよ。
●ミラ・ジョヴォヴィッチの正しい名前
英語では「Jovovich」と表記されるため、日本を含め海外でも「ジョヴォヴィッチ」と呼ばれているが、母国ウクライナでは「ヨヴォヴィッチ」と発音するのが正しい。本人も「私の名前はヨヴォヴィッチよ!」とインタビューで強調している(ちなみに本名)。
●ミラはテレビゲーム版の大ファン
当時13歳だったミラの弟がゲーム版『バイオハザード』の大ファンだったことから出演を決めたのは有名な話。弟の影響でミラ自身もゲームにハマったそうだ。
●撮影はノーパンで?
主人公アリスの衣装は、ミラの希望で体の動きを良く見せるために非常に薄い素材を使っている。そのため、下着の線がカメラに映らないよう下着を着けずに撮影していたらしい。
●レーザートラップは映画『キューブ』のパクリ?
施設内部に潜入した特殊部隊の隊員が、レーザーのトラップに引っ掛かりバラバラにされるという衝撃シーン。これは、カナダのSF映画『キューブ』(1997年)に出てくる「ワイヤートラップ」に酷似しており、ポール・アンダーソン監督もそのことを認めている(ただしパクリ疑惑は否定)。
ちなみに、このシーンは「CGで作ったんだろう」と思っている人が多いようだが、実は俳優そっくりの等身大フィギュアを作り、それをバラバラに切断して撮影しているのだ。メイキング映像はこちら↓
●撮影現場は超貧乏
『バイオハザード』は製作費がたったの3300万ドルしかない低予算ムービーだった。そのため、旧東ドイツの地下鉄駅構内を近未来的な施設に見立てて撮影するなど、ロケを多用してセットの制作費用を節約している。
ミシェル・ロドリゲス達が最初にゾンビに襲われるシーンではお金が足りなかったため、なんと一部の背景セットをダンボールで作ったそうだ。監督曰く、「照明を工夫したおかげでバレずにすんだよ(笑)」とのこと。
●エレベーターからゾンビが出てくるシーンは
ゾンビから逃げるためにエレベーターへ乗り込もうとすると中から大量のゾンビが襲い掛かってくるという衝撃シーン。「これはジョージ・A・ロメロの『死霊のえじき』ですよね?」とインタビュアーに指摘され、思わず「……うん」と答えてしまったポール・アンダーソン監督。ただし、「偉大なゾンビ映画に対するオマージュだよ!」とあくまでもパクリ疑惑は否定。
●ゾンビ役は身内がノーギャラで出演
『バイオハザード』は大量のゾンビが登場するのでエキストラが大勢必要だ。しかし、残念ながらエキストラを雇うお金が無い。そこで、撮影スタッフやスタッフの身内など、片っ端から声をかけてゾンビメイクを施し、エキストラ代を節約することにしたという(いわゆる”内トラ”)。
とにかく人出が足りなかったため、撮影監督や監督の友達、さらにミラ・ジョヴォヴィッチのマネージャーやプロデューサー、挙句の果てにはプロデューサーが当時付き合っていた彼女までもがゾンビとして出演した(この撮影後、別れたらしいw)。なお、ゾンビに扮した撮影監督はミラに顔面を蹴られるなど散々な目に合ったそうだ。
●スタントマンはワンシーンのみ
ほぼ全てのアクションをミラ・ジョヴォヴィッチ本人が演じているが、1か所だけスタントマンが演じたシーンがある。地下でゾンビから逃げるために、天井のパイプを渡って向こう側へ飛び移る場面だ。ここは、吊り下げたパイプが途中で落下するという危険なアクションだったため、監督の判断でスタントを使用(顔が映っていないので代役とは分からない)。ちなみに、ゾンビ犬をキックするシーンのためにミラは3カ月にも及ぶ過酷な訓練を受けたが、本編で使われたのは3秒だった。
●ミステイク発見
映画冒頭、眠りから目覚めたアリスが屋敷の中で誰かのメモを発見する。後に、このメモはスペンス(ジェームズ・ピュアフォイ)が書いたことが分かるんだけど、冒頭のメモと後半に出てくるメモは筆跡が全然違うのだ(文字の位置まで違う)。プロデューサー曰く、「これは完全にミステイクだよ。それぞれ別人が書いたものをうっかり使ってしまったんだ」とのこと(しかし、主役のミラは全く気付かなかったらしい)。
●アリス、本気で殴る
ゾンビ化したスペンスにアリスが斧でトドメを刺すクライマックスシーン。劇中ではミラのバストアップのみだが、現場では実際にジェームズ・ピュアフォイを殴っており、あまりの痛さにジェームズが激怒したという。
●でかいドアを作れ!
リッカーを倒した後、列車を降りたアリスの後ろで巨大なゲートが閉まるシーンを撮影しようとした監督。ところが、プロデューサーの口から衝撃の一言が!「もうお金が無いよ……」 困り果てた監督は”ダンボールを切り抜いて巨大なゲートの影だけ見せる”という究極の方法でピンチを乗り切ったそうだ(その発想はなかったわw)。
●ケースが無い!
ラスト間際、アリスがウイルスの入ったジェラルミンケースを持って歩くシーンを撮影しようとした時、どこにもケースが無いことが判明。なんと、小道具係がケースを忘れてきたのである。しかし、スケジュールはギリギリで撮り直しもできない。仕方なくダンボール箱にアルミ箔を貼って代用することに。ポール・アンダーソン監督曰く、「この映画はダンボールが大活躍してるよ(笑)」
というわけで、少ない製作費のために大変な苦労を強いられた『バイオハザード』。しかし、完成した映画は貧乏臭さをほとんど感じさせないのが凄いよなあ。
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