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映画『007 カジノ・ロワイヤル』感想

■あらすじ『殺しのライセンス“00(ダブル・オー)”を取得するため、昇格最後の条件である2件の殺害を実行したジェームズ・ボンドは、見事ダブル・オーの称号を得る。その最初の任務は、世界中のテロリストを資金面で支える男、ル・シッフルの資金を絶つこと。まずはマダガスカルで爆弾所有の男を追い、バハマ、マイアミでは武器売人と航空機爆破の阻止に奔走し、やがてル・シッフルに辿り着くボンド。すると、ル・シッフルがモンテネグロの“カジノ・ロワイヤル”で大勝負に出ることが明らかとなり、ボンドは更なる陰謀を阻止せんと現地へ向かうのだった。しかし、そんな彼のもとには、財務省からお目付役として美女ヴェスパー・リンドが送り込まれる。最初は彼女に対して懐疑的だったボンドだが、危険を共にする中で次第に心惹かれていく』


このシリーズは結構好きで、今まで全て観てるんだけど、さすがに何年も同じようなシチュエーションばかりでは飽きてくる。おまけに、近年の007ときたら、アクションのみがどんどん派手になってくると同時に、荒唐無稽とバカバカしさも右肩上がり。リアリティは欠如し、ストーリー性は無きに等しいという、手の施しようが無い有様に。前作のダイ・アナザー・デイに至っては、北朝鮮の描かれ方がチーム・アメリカとほぼ同じレベルという凄まじさだ。外務省からクレームが来るのも当然と言えよう。

そんなワケで、正直『007』シリーズは僕の中では「あまり観る意義を感じない映画」に成り下がっていたのだが、今回ボンド役が新しくなり、内容も“原点回帰”をテーマに一新されるという事で、久々に劇場で観てきた。感想を一言で言えば、「正しいエンター・テイメント」という感じ。“原点回帰”というより、リアル志向の良質なアクション映画になっている。

しかも冒頭の人間離れした超絶アクションに始まり、カーチェイス有り、銃撃戦有り、どれもCGに頼らない(多少は頼ってるけど)生身のアクションで見応えたっぷり。また、秘密兵器やボンド・カーの出番も今回は控え目で、荒唐無稽の度合いがかなり下がっているのも嬉しい(がっかりするファンはいるかもしれないが)。

だが、逆に違う意味でおかしなシーンも多数有り。ポーカーをやっている最中に毒を盛られたボンドが、自分で自分の心臓を電気ショックで蘇生させるという荒業を炸裂(ここは笑うシーンですか?)。更に、敵に捕まったボンドが全裸で縛られ、ひたすらチンコを痛めつけられるというとんでもない場面まで飛び出す始末。チンコを拷問される度に絶叫するボンド。「違う!もっと右だあああ!そう、そこ!OH、YE〜S!!」って、ナニ映画だよ!?前作を反省し過ぎて、全然別の方向へベクトルがぶっ飛んだようなワケの分からない展開に、思わず頭を抱えそうになったぞ。


極め付けは、ポーカー勝負で大負けしたジェームズ・ボンドと、財務省のヴェスパーとの会話シーン。スッカラカンになったボンドがヴェスパーに金を借りようとしてるんだけど、その会話が酷い。

ボンド:「おい、あと500万ドル貸してくれ!」

ヴェスパー:「イヤよ!出来るわけないじゃない!」

ボンド:「頼むよ!今度は絶対に勝つから!」

ヴェスパー:「冗談じゃないわ!アナタ今までいくら負けたと思ってるの!?」


もはやエリート・スパイというよりも、“ギャンブル好きなダメ亭主と、その奥さん”の会話だよコレ(笑)



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