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『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』感想/評価


■あらすじ『イーサン・ハント(トム・クルーズ)と彼の所属チーム“IMF”は、国際的な陰謀をめぐらす謎の組織“シンジケート”を追っていた。しかしその矢先、IMFはCIA長官によって解散を命じられ、メンバーはバラバラに。その後、単身でシンジケートの実体解明を進めていたイーサンは囚われの身となってしまう。その窮地を救ったのは、なんと敵側のスパイと思われた謎の美女イルサだった。やがて秘かにベンジーや他のメンバーを再集結したイーサンは、敵か味方か分からないイルサと共に、シンジケートを壊滅すべく史上最大の不可能ミッションに挑戦する!トム・クルーズ演じる伝説のスパイ:イーサン・ハントが、実現困難な任務に挑みまくる大人気アクション・シリーズの第5弾!』


※ネタバレしてるので観てない人はご注意ください。


本日、WOWOWシネマミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』が放送されます。僕は公開時に劇場で観たんですけど、もう冒頭からいきなり度肝を抜かれました。予告編で流れている「トム・クルーズが飛行機の側面にへばり付く超絶スタント」があるじゃないですか?

あれってクライマックスのアクションかと思ったら、オープニングでいきなり出て来るんですよ。映画が始まって5分ぐらいでトム・クルーズが飛行機にしがみ付きながら「早くドアを開けてくれ〜!」と絶叫しているわけです。アバンタイトルでこんな大技をブチ込んでくるとは、まさに「出し惜しみ感」ゼロの出血大サービス!実に素晴らしい!

しかもこのシーン、決してシリアスな場面ではありません。一応、状況的には「凄腕エージェントが任務を遂行するために必死で頑張ってる」というシチュエーションではあるものの、演出的には単なるコメディ・パートであり、”観客を笑わせるためだけのシーン”なんですよ。にもかかわらず、トム・クルーズ本人がやっているという凄さ!

つまり、本物の飛行機と本物のハリウッド・スターを使った”史上最大級に大掛かりなコント”なんですね。いや〜、スケールがでかい!ベンジーがドアを開けようとすると焦って貨物のドアを開けてしまい、「違〜う!そっちじゃな〜い!」と突っ込むイーサンとか、ベタなギャグも満載です(笑)。

このシリーズって、初期の頃は内容も割とシリアスで、結構ハードなスパイアクション映画だったんだけど、続編を重ねる毎にギャグっぽい要素が増えていき、同時にアクションの難易度も急上昇していきました。

それはそれでいいんですが、自ら進んでデンジャラスなスタントに挑戦し、命懸けで観客を笑わせようとするその姿は、今までの「スマートでカッコいい路線」とは大きく方向性が異なり、もはやトム・クルーズと言うより”ハンサムなジャッキー・チェンと化してますよ(笑)。

もちろん、今回もトムさま渾身のアクションが次々と炸裂します。狭い街中を猛スピードで爆走するカーアクションや、ノーヘルでバイクをぶっ飛ばすバイクチェイスなど、凄まじいスタントに驚愕させられること間違いなし!

しかも、どんなに激しいアクションをやっていても、必ず間に”細かいギャグ”を挟むことで、映画全体に常にユーモアを漂わせるという徹底ぶりに脱帽せざるを得ません。とにかく、笑いとアクションのクオリティがどんどん上がり続けてますね。

このシリーズも本作で5作目ですが、全く勢いの衰えを感じさせないどころか、「毎回毎回よくこんな面白いこと思い付くなあ」と感心するぐらいの面白さですよ。まあ、イーサン・ハントがどんどんバカっぽくなってるような気がしなくもないけど、それはたぶん気のせいです(笑)。

一方、注意すべき点は「スパイグッズの荒唐無稽さが常軌を逸している」ってことでしょうか(笑)。例えば、毎度お馴染み「やあハントくん。今回の君の任務は…」から始まるメッセージ。今まではサングラスをかけると再生されるとか、色んなバージョンがあったんですが、なんと本作ではアナログレコードになってるんですよ。

プレーヤーにかけるとミッションの内容が再生されるんですけど、音声だけじゃなくて映像も映るという謎のテクノロジーにびっくり(笑)。もう「技術的に可能かどうか?」の問題以前に、「そんな装備が本当に必要かどうか?」を検討すべきレベルではないかと(^_^;)

また、オペラ劇場でベンジーが使っていた「ノートパソコンになるパンフレット」に至っては、「凄い!」と思うより前にあまりにも現実離れしすぎて、ファンタジー映画を観ているような錯覚に陥りました(もはや『ドラえもん』の秘密道具に近いかもしれませんw)。

まあ、そういう面白スパイグッズも『ミッション:インポッシブル』の世界観なら許せてしまうというか、観ていて楽しいのでアリなんですけどね(個人的には、もっと面白い小道具を出して欲しいぐらいですw)。

そんな本作の要注目ポイントと言えば、謎の美女イルサ(レベッカ・ファーガソン)でしょう。敵に捕まって拷問を受けているイーサンを救い出した彼女は果たして何者なのか?謎の組織”シンジケート”との繋がりは?二転三転する意外なドラマ展開が見どころです。

そして、IMFのメンバーで目立っているのは、何と言ってもベンジーサイモン・ペッグ)ですね。今までにも敵のコンピュータに侵入したり、秘密道具を活用したりと色んな活躍を見せていましたが、今回は今まで以上の活躍ぶりで、ベンジー・ファンも大満足(笑)。イーサンとのコンビ・プレイもバッチリ決まり、単なる組織のメンバーという枠組みを超えた”絆”も描かれ、非常にいいドラマになってますよ。

逆に残念だったのは、クライマックスの展開がやや尻すぼみ気味になっていること。いや、もちろん終盤にもアクションはあるんです。ただ、冒頭から大掛かりなアクションをバンバン見せているせいで、ラスボスをやっつけるくだりが相対的に小規模に見えてしまうのですよ。この辺は、最後にもう一発ド派手なアクションを見せて欲しかったなあと思いました。

とは言え、トム・クルーズ様の壮絶アクションは全編に渡って冴えまくり、キャラクターは魅力的でドラマも抜群に面白いので全く飽きさせません。最初から最後までハラハラドキドキが続く最良の娯楽映画として、万人にお勧めできるでしょう(^_^)


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