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『ターミネーター2』は本当はハッピーエンドになるはずだった?削除されたラストを解説してみる(ネタバレあり)

映画『ターミネーター2』より

映画『ターミネーター2』より

どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

さて現在、映画館でシリーズ最新作の『ターミネーター:ニューフェイト』が上映中ですが、それに合わせて昨日、地上波テレビで2作目のターミネーター2が放送されました。

ご存知、ジェームズ・キャメロン監督が作った『ターミネーター』の続編で、1991年に公開されると全世界で5億ドル以上の大ヒットを記録し、日本でも90億円近くの興行成績を達成しています。

そんな人気作『ターミネーター2』ですが、ラストがどんな終わり方だったか、意外と覚えている人は少ないんじゃないでしょうか?たぶん、みんなの記憶にあるのは溶鉱炉のシーン」だと思います。

よくネットでもネタにされている「『○○○○○』は感動した。特に親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいくラストシーンは涙無しには見られなかった」ってヤツですね(笑)。

テンプレの方が有名になりすぎて、『T2』を知らないまま使っていた人が今回のテレビを観て「これが元ネタだったのか!」と驚いたそうですが(笑)、それぐらいこのシーンの印象が強いということなのでしょう。

だがしかし!

実は『ターミネーター2』のラストってこれじゃないんですよね。シュワちゃん溶鉱炉に沈んだ後、もう少しだけ続きがあるんです。それは車に乗って暗い道路を走っているシーンで、そこにサラのモノローグが重なります。

「目の前には未知の未来が…。だが今は希望の未来が見える。機械のターミネーターが生命の価値を学べるなら、我々も学べるはずだ」

映画『ターミネーター2』より

映画『ターミネーター2』より

このセリフの後にエンドロールが流れるんです。つまり、『ターミネーター2』は「溶鉱炉」じゃなくてサラのモノローグで終わってるんですよ。一応、サイバーダイン社を破壊したことで”審判の日”は回避したものの、果たして未来はどうなるのか…そんな不安を暗示させるようなラストシーンでした。

ところが!

当初、ジェームズ・キャメロンが書いた脚本では、もっとはっきりとハッピーエンドで終わる結末になっていたそうです。それは以下のような内容でした。

『T2』での戦いから35年後、64歳になったサラ・コナーが晴れた日に公園のベンチに座り、ICレコーダーに何かを吹き込んでいる。スカイネットの反乱は起こらず、平和なままで迎えた2029年の世界。

映画『ターミネーター2』より

映画『ターミネーター2(別エンディング)』より

この世界ではジョン・コナーは政治家になり、妻や娘(サラの孫)と幸せに暮らしていた。そしてサラは可愛い子供たちの笑顔を見ながら、以下のようにつぶやくのだった。

「ジョンは今、上院という戦場で戦っている。武器は常識、そして希望だ。私はターミネーターのおかげで希望を持つことが出来た。機械が生命の価値を学べるなら、我々も学べるはずだ」

映画『ターミネーター2』より

映画『ターミネーター2(別エンディング)』より

…という具合に、最後のセリフ自体は同じですが画面から受ける印象は劇場版の「暗い道路」とは全く異なりメッチャ明るい!

なぜこれがカットされて劇場版のような終わり方になったのか?その理由は「ハッピーエンドが確定した未来では、この映画全体のトーンと調和しないから」というものでした。

ジェームズ・キャメロン監督によると「2時間以上も暗く荒々しいシーンが続いた後に、いきなり”明るい太陽の光が降り注ぐ公園”や”笑顔で遊ぶ子供たち”が映ったら、ギャップが大きすぎてバランスが悪い」とのこと。

また、キャラクターの性格面からも「激しく躍動的なヒロインだったサラの”年老いて傍観者となった姿”は受け入れ難かった」「10歳で派手な破壊行為に関わったジョンのような非行少年が、どうやって上院議員になったのかという疑問も生じる」など、納得できない部分があった模様。

さらに「このエンディングでは1作目のストーリーに繋がらず、”タイム・パラドックス”を観客に説明する場面も無い」など様々な理由により、結局このシーンは本編からカットされてしまいました。

実はこの「ハッピーエンド版」の『ターミネーター2』は、一般公開される前にジョージ・ルーカスのスカイウォーカー・ランチで「極秘試写会」が実施されたんですが、観客の反応は「エンディングが気に入らない」という意見でほぼ一致したそうです。

その結果を見てキャメロンは「めでたしめでたしで物語を締め括るのではなく、むしろ”この闘争に終わりはない”と提示した方が、本作のメッセージが的確に伝わるのかもしれない」と考え、公開の1か月前に急遽シナリオを書き直し、”夜のハイウェイを走る映像”を追加したらしい。

そのためリンダ・ハミルトンは64歳のサラ・コナーを演じるために6時間もかけて特殊メイクを施し、マイケル・エドワーズも「顔に傷のない大人になったジョン・コナー」を演じたにもかかわらず、残念ながらお蔵入りに…。

まあ、確かにラストだけ雰囲気が違いすぎるのもアレですからねえ。正しい判断だったんじゃないでしょうか。

ちなみに、このエンディングに関してはジェームズ・キャメロンの中で”もう一つの構想”があったそうです。それはなんと、「サラがカイル・リースと再会する」というもの!

1作目の『ターミネーター』の時、カイルはこう言っていました。「自分は2029年のロサンゼルスからやって来た」と。つまり、この「ハッピーエンド版の世界」ではカイルが生きてるんですよ!

もしキャメロン監督のアイデアが実現していれば「たまたま公園にやって来たカイルをサラが見つけ、兵士ではなく普通の人として暮らしている彼の姿を見て涙を流すが、声をかけずにそのまま静かに去っていく」というラストシーンになる予定だったそうです。

なぜこの案が採用されなかったのかは分かりませんが、『ターミネーター2 特別編』にはサラの夢の中にカイルが出て来る場面があるので、「これ以上必要ない」と判断したのかもしれません。

映画『ターミネーター2』より

映画『ターミネーター2 特別編』より

ただ、個人的にはちょっと見てみたかったですね。この世界線(ハッピーエンド版)のカイルはサラのことを知らず、当然サラに会ったとしても何もわからないでしょう。

しかし、共に激しい戦いをくぐり抜け、互いに愛し合ったカイルのことを、サラはしっかりと記憶しているのです。

未来を変えたことで”二人が結ばれた世界”は消えてしまいましたが、これはこれで美しいエンディングだったのではないでしょうか。