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『スノーピアサー』ネタバレ映画感想(ガンアクション解説)


■あらすじ『2014年、人類は急速に進行する温暖化を食い止めるため、人工冷却物質の散布を実施。しかしそれは予想外の効果を発揮し、地球は氷河期に突入してしまう。やがて人類を含めたほとんどの生物は死に絶え、17年後の2031年、“スノーピアサー”と呼ばれる列車の中で生活する乗客たちだけが人類のすべてとなっていた。その列車は永久機関のエンジンを積み、1度も止まることなく1年をかけて地球を1周する“走る箱舟”。その前方車両では富裕層が優雅に暮らす一方、後方車両に押し込められた貧困層は劣悪な環境で虐げられ、忍従の日々を送っていた。そんな中、最後尾に乗るカーティスが革命に立ち上がり、反乱軍を率いて前方車両へと侵攻していくが…。ワールドワイドな豪華俳優陣をキャストに迎えて終末的未来世界を描き出すSFサスペンス超大作!』



本日、WOWOWシネマ『スノーピアサー』が放映される。『殺人の追憶』や『グエムル』のポン・ジュノが監督を務め、『キャプテン・アメリカ』のクリス・エヴァンス『シュリ』ソン・ガンホ、『ナルニア国物語』のティルダ・スウィントン、『リトル・ダンサー』のジェイミー・ベル、『エレファント・マン』のジョン・ハート、『アポロ13』のエド・ハリスなど、ハリウッドや韓国の豪華俳優が集結した大作映画だ。

しかし劇場公開時には批判的な意見や評価が多く、ヒットには至らなかったらしい。その主な理由は「設定に無理がある」というもの。本作の内容をざっくり言うと、「人類のほとんどが死滅した世界で、”走る方舟”と化した巨大列車(スノーピアサー)に乗っている人々が、富裕層と貧困層に分かれて互いに争う」という物語である。

この”走る方舟”の設定が非常に面白く、本作最大の特徴ではあるものの、同時に最大のツッコミどころになっているのだ。巨大な列車の中には人間が暮らしていくためのありとあらゆる設備が整っているが、それらをどうやって維持・管理しているのか?

さらに富裕層が食べている豪華な食料はどこから調達しているのか?など、SF映画として観た場合、あまりにも説得力が無さすぎて全然物語に入り込めないのである。この辺は、「もう少しどうにかして欲しかったなあ」と思わざるを得ない。

ただ、他に類を見ない独特の世界観は捨て難い魅力があり、アメリカ・韓国・フランスが合作したことも相まって、通常のハリウッド大作には見られない混沌とした雰囲気を生み出している。正直、この世界観は「悪くない」と感じた。

中でも一番「おっ!」と思ったのは銃撃戦のシーン。この映画は、全てのドラマが”列車の中”という閉鎖空間で展開するため、当然ながらアクションも列車の中で繰り広げられている。ところが、「同じ列車に乗っている敵を攻撃するために、列車の外へ向かって銃を撃つ」という奇妙なシーンが存在するのだ。

まず、列車の先頭付近に主人公がいて、後方から敵が追いかけている状況を想定して欲しい。この時、列車は大きなカーブに差し掛かっていて、敵がふと窓の外を見ると、先頭車両に主人公の姿を発見する。そこで敵は列車の窓から主人公を狙って銃を発砲するのだ。言葉ではちょっと説明し難いので、図で表わすと以下のような感じになる↓

●大きなカーブに差し掛かる

●敵が主人公を発見

●主人公を狙って撃つ


●主人公も反対側から反撃

●互いに外の敵(でも同じ列車内)に向かって撃ちまくる

いや〜、この銃撃シーンには驚いた!普通、列車を舞台にした銃撃戦と言えば、「同じ車両内の敵同士がその場で撃ち合うパターン」がセオリーだろう。あるいは、列車の外に敵がいる場合は、通過する車内のターゲットを車外から狙撃するとか、または車内から外にいる敵を攻撃するとか、それぐらいしかバリエーションは無いと思っていた。

ところが、この映画では「同じ列車に乗っている敵同士が、互いに外へ向かって銃を撃つ」という見たこともないようなガンアクションを繰り広げているのだ。もちろん、「それはちょっと無理があるのでは?」と思わなくもないが(というより絶対に無理なんだがw)、”有り得ないほどデカい列車に乗っている”という設定だからこそ可能な銃撃戦であり、「他では真似できない」という点においては唯一無二のガンアクションだと思う。凄い発想だなあ(^_^)



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