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映画『X-MEN:フューチャー&パスト』ネタバレ感想


■あらすじ『2023年、地球はバイオメカニカル・ロボット“センチネル”の暴走によって滅亡の危機に瀕していた。センチネルは、ミュータントに不信を抱くボリバー・トラスク博士がその抹殺のために開発した最強兵器だったが、ミュータントばかりか人類にも牙をむき始めたのだ。そこでプロフェッサーXは宿敵のマグニートーと手を組み、トラスクが開発を始める1973年に遡って危機の根源を絶つことを決断。そのためにウルヴァリンの魂を50年前へと送り込む。やがて地球滅亡のカウントダウンが刻まれていく中、2つの時代で壮絶な戦いが繰り広げられていくのだった!果たして人類の未来はどうなる?衝撃のラストに刮目せよ!』


人気アメコミシリーズの最新作『X-MEN:フューチャー&パスト』を観て来ました。結論から言うと、「ちょっとややこしいが面白い」って印象ですかね。この映画は、前作『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』の続編になるんですけど、同時に3作目の『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』や『ウルヴァリン:SAMURAI』の続編にもなってるんですよ。そこらへんが少々複雑な部分でして。

ざっくり内容を要約すると、「近未来、最強のロボット軍団:センチネルの猛攻撃を受けて絶体絶命状態のミュータント達は、最悪の現状をリセットすべく、過去に戻って歴史を”修正”しようと考えた。そこで、50年前の世界へ送り込まれたウルヴァリンが、若いチャールズやマグニートーたちと協力し、地球を滅亡の危機から救うために奮闘する」というもの。

設定だけ聞くと「それってどこの『ターミネーター』?」って感じですけど(笑)。「スカイネットを開発したマイルズ・ダイソンを殺そうとするサラ・コナー」の行動に近いでしょうか。ただし、本作では「センチネルを開発したボリバー・トラスク博士を殺そうとする」のではなく、”助けようとする”のがミソ。

元々の歴史では、ミスティークがトラスク博士を殺したことでセンチネルが無くなるかと思いきや、ミュータントに対する人類の敵対心が増幅し、逆にセンチネルの開発を後押しするような結果になっていました。このため、ミュータント達は「何とかしてトラスク博士暗殺を阻止しよう」となるわけです。

こうして過去の世界へ送り込まれたウルヴァリンですが、精神だけが過去の肉体にタイムスリップしているので、なんと武器が”骨の爪”。アダマンチウムを埋め込まれる前だから金属製じゃないんですね。なので、今回のウルヴァリンは戦闘能力的には極めて弱くなり、活躍場面がほぼありません(笑)。

むしろ、メインはチャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX)の復活と、それに関連するマグニートーやミスティーク達のドラマの方でしょう。特にチャールズは「『ファースト・ジェネレーション』の頃の勢いはどこへいってしまったんだ?」というぐらいダメ人間に成り果てていてビックリ。なんせ、テレパス能力まで失い、ただのヤク中患者に落ちぶれてますから(笑)。

そんなチャールズを、「俺を導いてくれたのは未来のあなただ。あなたのおかげで俺はここまで来ることができた」と励ますウルヴァリンが結構いい感じ。戦闘員としては役に立たない彼ですが、本作では夢も希望も失って自暴自棄になっている若いチャールズを、一生懸命立ち直らせようとサポートしてるんですよ。なかなか渋い役回りです。

一方、前作でチャールズと決別したかつての親友:マグニートーは、大統領暗殺事件やら何やらでペンタゴンに幽閉され、全く連絡が取れない状態。そこでチャールズとウルヴァリンクイックシルバーを仲間に引き入れ、マグニートーを救出します。

このクイックシルバーが凄いのなんの!能力は超高速移動なんですが、あまりにも無敵すぎて他の敵とのバランスが取れてません(この物語の中ではほぼ最強に近いんじゃない?)。恐らく、マグニートーウルヴァリンも彼にはかなわないと思います(^_^;)

こうして再びマグニートーと手を組んだチャールズは上手いことミスティークを説得…できるはずもなく、結局彼らはバラバラに。そうこうしているうちに、未来の世界ではセンチネルの猛攻撃で仲間のミュータント達が次々と殺され、ついにチャールズやマグニートーにも最後の時が迫る…!果たして彼らの運命は…?過去と未来を交互に映し出すクライマックスの攻防戦は、最高にスリリングな展開でした。

というわけで、多少ストーリー的にはややこしい部分があるものの、各キャラクターに適度な見せ場を配置することで意外と面白い映画に仕上がっていましたよ。最大の特徴は、本来別々のシリーズだった旧『X-MEN』と『ファースト・ジェネレーション』を見事に融合させている点でしょう。

普通は、新シリーズになったら旧作のキャラクターは出てこないものですが、本作ではイアン・マッケランパトリック・スチュアートを筆頭に、ハル・ベリーエレン・ペイジアンナ・パキンなど旧メンバーのオリジナルキャストが再集結!

さらにラストシーンでは”あの人”や”あの人”までが登場し、旧作に思い入れがあるファンにとっては感涙ものの展開となっています。これは、1作目の『X-MEN』を撮ったブライアン・シンガーが再登板したことによる影響も大きいと思われ、『スーパーマン リターンズ』を撮るために『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』のオファーを蹴った悪印象も、これでなんとか払拭できたんじゃないでしょうか(笑)。

なお、例によってエンドクレジットの後におまけ映像があります。どうやら次回作の1シーンを見せているようなので、気になる方は最後までお見逃しなく(^.^)


以下、ネタバレありで疑問点・ツッコミどころなどを列挙。


●プロフェッサーXって『ファイナル・ディシジョン』で死んでなかった?
『ファイナル・ディシジョン』のラストで、プロフェッサーXの”本体”は死亡するものの、脳死状態の患者の体に精神だけ移動し、最後にその男性が目覚めるという描写があります。なので、生きていたとしても外見が変わっているはずですが、なぜかプロフェッサーXの姿のまま再登場。整形手術でもしたのかな?


マグニートーはキュアで能力を失ったはずでは?
『ファイナル・ディシジョン』で、ミュータント能力を無効化する薬”キュア”を打たれ、普通のおじいさんになってしまったマグニートーですが、ラストでは能力が復活したように描かれていました。マグニートーにはキュアが効かなかった?


●チャールズとエリックはいつの間に仲直りした?
「人類との共存」を目指すチャールズと、「人類は敵だ」と見なしているエリック。共にミュータントの繁栄を願う二人ですが、価値観の相違で意見が対立し、旧シリーズでも『ファースト・ジェネレーション』でも、最終的には理解し合えないままでした。それなのに、どうして本作の冒頭シーンではいきなり共闘しているのか?元親友同士だったチャールズとエリックが、様々な葛藤を乗り越えて再び絆を復活させるまでの感動的なドラマこそ、僕らが一番観たいシーンなのに!


●『ウルヴァリン:SAMURAI』で折られた爪が、未来では復活しているのはなぜ?
シルバーサムライにアダマンチウムを奪われ、金属の爪も折られてしまったウルヴァリン。このため『SAMURAI』のエンドロール(オマケ映像)では骨の爪になっていました。ところが、『フューチャー&パスト』の未来パートでは金属の爪に戻っている。原作では「マグニートーが能力を使って爪を復活させる」というシーンがあるらしいのですが、どうせなら映画でも理由を説明して欲しかった。


クイックシルバーが超高速移動している時、音はどう聞こえているのか?
自分自身を加速させるということは、相対的に周りの動きがゆっくりになり、喋る言葉や音も遅く聞こえているはずです。ということは、ヘッドホンをかけて高速移動しているシーンでは、物凄くゆっくり音楽が流れているはず。しかし、周りの景色がほとんど止まって見えるほどの超加速なら、もはや音楽として認識できないレベルなのでは?いったいどんな音楽を聞いているのでしょうか?


ジーンとサイクロップスの死はセンチネルと無関係なのに、なぜ生き返った?
長い眠りから目覚めたウルヴァリンの目の前に、死んだはずのジーン・グレイとサイクロップスが!「『ファイナル・ディシジョン』を無かったことにしたい」と願っていたファンにとっては、実に嬉しいサプライズでしょう(笑)。しかし、センチネル事件とは何も関係ない二人がどうして復活できたのか?

おそらく、歴史を改変したことで人類とミュータントの関係が大きく変化し、『X-MEN』から『ファイナル・ディシジョン』までの間に発生した様々な出来事が”起きなかったから”でしょう。このため、彼らが死亡するフラグが全て消滅したものと思われます。


●ミスティークがストライカー少佐に化けてウルヴァリンを助けたということは、その後の世界ではウルヴァリンにアダマンチウムは埋め込まれない?
ラスト、水に沈んだウルヴァリンを引き上げる人々の中に、ストライカー少佐の姿が見えます。しかし「実はミスティークが少佐に化けていた」というオチで終了。ということは、ウルヴァリンの体にアダマンチウムは埋め込まれないのでしょうか?

いや、この場面は単にミスティークが軍を利用してウルヴァリンを救出しただけであり、「今度ウルヴァリンとストライカー少佐が絶対に出会わない」という保障はありません。たぶん、どこかのタイミングで二人は出会い、ウルヴァリンはアダマンチウムの爪を手に入れるのではないでしょうか。


●エンドロールの後に出てきた連中は何者?
2016年5月27日公開予定の次回作『アポカリプス』に登場するミュータントで、「最強の敵」と言われているそうです。『フューチャー&パスト』の10年後の世界が舞台になるとか。さらに2017年には『ウルヴァリン3』、2018年にはガンビットを主人公にしたスピンオフ作品を制作するらしい(ガンビット役にはチャニング・テイタムが決定)。『X-MEN』の映画は今後もまだまだ続きそうですねえ(^.^)


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