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クロエ・グレース・モレッツ大活躍!『キック・アス』ネタバレ感想


■あらすじ『アメコミ好きでスーパーヒーローに憧れるニューヨークのオタクな高校生デイヴ。ある日彼は、インターネットで手に入れたコスチュームを身に纏い、勧善懲悪のヒーロー“キック・アス”として街に繰り出した。しかし、何の能力も持たない彼は最初のパトロールでチンピラにボコボコにされ重傷を負ってしまう。ところが、その治療で体中に金属を埋め込まれ、神経の損傷で痛みにも鈍感になったデイヴは無類の打たれ強さを身につけて復活。すると、懲りずにパトロールを続けていた彼の様子を野次馬が動画サイトにアップしたことからキック・アスの名はたちまち知れ渡り、一躍時の人に。だが、そんなキック・アスの活躍ぶりを知った地元マフィアのボス:ダミコは、最近起きた組織のトラブルを彼の仕業と勘違いし、キック・アスの抹殺へと乗り出す。しかし、実際は、ダミコへの復讐に燃える元警官の“ビッグ・ダディ”と、彼が手塩に掛け恐るべき殺人マシーンへと鍛え上げた愛娘“ヒット・ガール”の仕業だった。やがてキック・アスは、この親子とダミコの血で血を洗う戦いの渦に巻き込まれていくのだが…。「ウォンテッド」の原作者マーク・ミラーのアイデアを基に、同名コミックの執筆と同時進行で製作されたハードバイオレンス・アクション・コメディ!』



昨日は最新作『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』の感想を書いたので、本日は1作目のキック・アスについて書いてみますよ。本作はいわゆる”ヒーロー映画”に分類されるんですが、『スーパーマン』や『スパイダーマン』みたいな既存のアメコミヒーローとは大きく異なっていました。それは、「全然強くない普通の青年がヒーローの格好をして戦う」という点です。

つまり、スーパーマンみたいに空を飛べるとか、スパイダーマンみたいにビルの壁をよじ登れるとか、そういう特殊能力が全く無いんですよ(まあ”痛みを感じにくい”という体質ではありますが)。要は、マンガ好きなオタク高校生が、ネット通販でヒーローの服と武器を買い、それを着て夜の街を徘徊するという、単なるコスプレ野郎なわけですね。

主人公がこんなことをやり始めた動機は、単純に言えば「自分もかっこいいヒーローになりたい!」「女の子にモテたい!」という個人的な願望を満たすためでした。ところが、ネットで彼の活躍が報じられるやいなや、キック・アスは一躍人気者となり、好きな女の子も見事にゲット。この時点で彼の欲求はほぼ満たされたわけです。

しかし、そこへ現れたビッグ・ダディとヒット・ガールのせいで、主人公は凶悪犯罪組織との抗争に巻き込まれてしまいました。結果、ビッグ・ダディは殺され、キック・アスも重傷を負います。娘のヒット・ガールは死んだ父親の敵を討つため、ボスのアジトへ殴り込みを決意。そして主人公は、鏡に映った血だらけの顔を見ながら自分自身に問いかけます。「僕はどうすればいい?」

殴られ蹴られ、ボロボロになったその姿を見れば、誰でもビビって逃げ出したくなるでしょう。なんせ、奴らと戦えば殺されることは確実なんですから。しかも、父親の復讐のために戦うヒット・ガールと違って、キック・アスには戦う理由がありません。なので、普通に考えれば「逃げる」の一択しかないはずです。

でも、彼は逃げなかった。映画『スパイダーマン』では、「大いなる力には大いなる責任が伴う」というセリフが印象的ですが、それに対して『キック・アス』では「じゃあ、力が無い者は何の責任も伴わないのか?」という問いかけが出てきます。それに対してデイヴが出した答えは「力があろうと無かろうと、責任はとらなきゃいけないんだ!」。

今まで自分のことしか考えなかった主人公が、初めて自分のためではなく、他の誰かを救うために勇気を振り絞り、自ら戦う覚悟を決めました。まさにこの瞬間、キック・アスはコスプレオタクから本物のヒーローへ華麗なる転身を遂げたのですよ。

この後は、戦闘美少女ヒット・ガールの壮絶なアクションシーンが大炸裂!H&K USPコンパクトやSIG P232などのハンドガンを自在に駆使して、小柄な女の子が屈強な男共を次々と撃ち殺していく様は、まさに空前絶後のかっこ良さ!「アメコミ映画史に残る銃撃戦」と評しても全く過言ではないでしょう。

そして、敵に捕まってボコボコに殴られているヒット・ガールを助けるために、武装ジェットパックを背負って颯爽と登場するキック・アスもかっこいい!さらにボスをバズーカでふっ飛ばし、ヒット・ガールを抱き抱えて飛び去るラストシーンの何たる素晴らしさ!もう何度でも繰り返して観たいぐらい大好きな場面です。

エンディングで流れるテーマ曲「We Are Young」もいいですねえ。「僕たちは若い。僕たちは強い。僕たちはどこにも属さない」「僕たちはかっこ悪い。僕たちは自由だ。僕たちはヒザから血を流しながら走り続ける」と高らかに謳い上げるその歌詞は、『キック・アス』の世界観を見事に表現していて感情移入度がハンパない。最後まで映画の余韻に浸ることができますよ(^.^)




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