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謎を徹底解説!『SPEC〜結〜 漸ノ篇』ネタバレ映画感想


■あらすじ『捜査一課が手に負えない特殊な事件を捜査するために警視庁公安部が設立した未詳事件特別対策係、通称“未詳(ミショウ)”に配属されたIQ201の当麻紗綾と、警視庁特殊部隊 (SIT) 出身で叩き上げの瀬文焚流の2人の捜査官が、常人にはない特殊能力(SPEC)を持った犯人と対決する。やがて事件は拡大の一途を辿り、全世界を巻き込む最終戦争へと突入していった。戸田恵梨香加瀬亮がW主演を果たし、“SPEC”こと特殊能力を保持する犯罪者と対峙する特殊捜査官の奮闘を描いた人気シリーズ完結編!』



『SPEC』シリーズの完結編となる劇場版『SPEC〜結〜 漸ノ篇』がついに公開されました。全国290スクリーンで封切られた本作は、11月2日・3日のオープニング2日間で観客動員34万5,921人、興行収入4億5,799万3,900円の好成績となり、全国映画動員ランキング第1位を記録。さらに連休最終日の4日までの合計は、動員71万9966人、興収8億8269万2950円と強烈な数値を叩き出しています。この4日間の成績は、前作『劇場版 SPEC〜天〜』の146%に匹敵するという凄まじさ!

11月10日には大ヒット御礼舞台挨拶がTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、戸田・加瀬と岡田浩暉、松澤一之、載寧龍二が出席。観客動員数が100万人を突破したことと興収が12億円を超えたことが発表され、公開14日間で動員100万人を超えた前作『SPEC〜天〜』よりもかなり速いペースで動員を伸ばしていることが判明しました。前作は最終的に興収23.9億円を稼ぎ出していますが、『SPEC〜結〜』はそれを上回ることができるのでしょうか?

まず感想としては、「完全に野々村係長の映画になってるなあ」ということですね。竜雷太演じる野々村光太郎というキャラクターは、元々『ケイゾク』に登場していた人物で、『SPEC』が『ケイゾク』の続編として企画されていた頃から出演が決まっていたそうです。

植田博樹プロデューサーによると、「堤幸彦監督と熱海の温泉に行って、露天風呂につかりながら”『ケイゾク』をもう一度やろう!”と話し合ったのがきっかけ」とのこと。堤監督も、「もう『ケイゾク』しか企画は通らないだろうって話を進めてたら主演の2人(中谷美紀渡部篤郎)に断られてしまってね(苦笑)。それで『ケイゾク2』の名で『SPEC』を始めたんです」と語っていました。

つまり、『ケイゾク』からずっと登場し続けている野々村係長をストーリーの主軸にすることで、『SPEC』まで続いてきた長いドラマに決着をつける、ということなんですね。植田P曰く、「野々村係長の存在はとても大きくて、彼が時に状況を茶化したり、時に本気のことを言ったりすることで物語が成立していた部分が確実にあった。今回、野々村係長のバトンを当麻と瀬文が継承することで、『SPEC』はきちんと終われるという気がしたんです」とのこと。

この言葉通り、映画では野々村係長が八面六臂の大活躍!雅ちゃんとの別れのシーンやシンプルプランの阻止、壮絶な殉職シーンなど、かっこいいシーンを全部一人で持って行ってましたよ(クライマックスも泣ける!)。ただ逆に、主役の二人が霞んでしまって影が薄いような気が…。内容も、過去の映像を使い回して親切に解説してくれるのはいいんですが、繰り返しの場面が多すぎて、肝心の話が少しも進展してないんですよねえ。

あと、今までの『SPEC』では、強力なスペックホルダーを最後に倒すことで一応ストーリーは決着してたんですけど、本作はまだ「前編」ということで、話が全然完結していないのです。しかも「さあ戦いはこれからだ!」みたいな場面で、いきなりブチッと終了してるし。エンディングテロップも流れずに突然終わったのは結構びっくりしましたね(旧劇場版『エヴァ』以来の衝撃だったw)。当然、様々な”謎”についてもほとんど解決してません(笑)。次回の「後編」で本当に完結するようなので、それまで評価は保留かな〜。

というわけで、未だ明らかにされていない様々な謎や疑問点について、劇中で提示されているキーワードを手掛かりに検証してみたいと思います。また、『SPEC』シリーズは毎回アニメやマンガに関する小ネタが入っていることでも知られていますが、そういった小ネタについても色々と調べてみましたよ。

●御前会議
世襲制の選民集団で、日本のリーダーを選んだり政治経済の根幹に関わる事項を決定する等、陰で日本の政治を操ってきた人々の集会。ここで首相候補の選択、戦争の操作など、日本の進む道が決められている。『スペック』の世界ではフリーメーソン的な組織として活動しているらしい。スペックホルダーを危険分子と見なし「シンプルプラン」を発動させる。


卑弥呼
自らを「先人類の末裔」と称する謎の人物。御前会議では”御前様”と呼ばれ、象徴的な存在として扱われていた。これまでは直接会議に関与することはなかったが、シンプルプランの立ち上げをきっかけに関与を開始。そして、旧御前会議メンバーがニノマエに全滅させられたことで自ら指揮を執ることに(人種間戦争を止めるためにシンプルプランの即時中止と放棄を決定)。白服の男:セカイが「兄」と呼んでいることから彼らの仲間と思われるが、セカイとは目的や思惑が異なっている様子。


シンプルプラン
御前会議によって立案された「スペックホルダー抹殺計画」。「スペックを持つ者」と「持たざる者」との”人種間戦争”の引き金となる。その内容は最高機密とされ、計画が漏れないように「ゴエティア」、「テウルギア」、「アルス・パウリナ」、「アルマデル・サロモニス」、「アルス・ノヴァ」と呼ばれる5つのパーツに分けられ保管されていた。

本来は、「5つのパーツを合わせることで一つの強力なウイルスが出来上がる」という設定だったが、映画製作者側の「段取りに時間が掛かる割には面白くない」という判断で端折られたらしい(劇中ではシンプルプランの”完成形”が送られてきたことになっている)。


●セカイ
前作『SPEC〜天〜』で初登場した白い帽子に白い服の青年。当麻のスペック発動を見て「その左手は歴史の必然だ」、「それともソロモンの鍵が目覚めるのか…?」と謎の言葉を呟く。クローン・ニノマエをあっさり消し去り、「時の流れは戻せない。それができるのはソロモンの鍵だけだ」と意味不明なセリフを連発するなど、あまりにも不可解な言動が多い。人智を超えた存在であり、遥か太古の時代から人類を導いてきたが、なかなか思い通りにならず、何度も世界をリセットしている模様(”ファティマの予言”に「白い衣を纏った教皇」という言葉が出てくるが、人類に警告を発したのも彼らしい)。能力を発動する際に左手の爪が白く光る。


●ファティマ第三の予言
1917年5月13日、ポルトガルの小さな町「ファティマ」で聖母マリアが三人の子供たちに託した3つの予言の三番目に当たるもの。第一の予言と第二の予言は公表されたが、第三の予言に関しては「あまりにも衝撃的な内容」のため、長らくヴァチカンの最重要機密として封印されていた(ただし2000年に教皇庁から正式に公表されている)。どうやらこの予言は、セカイが人類に対する”警告”として発したものらしく、「せっかくファティマでご丁寧に教えてあげたのに、人類はなぜか決まった道を歩みたがる」と予言通りのことが起こってしまう状況を嘆いているようだ。


●サブアトラス会議
「アトラス」とはギリシア神話に登場する神の名前で”天空を支える巨人”を意味する。”天空を支える”とはすなわち”世界を支える”ということであり、各国の政治家・要人・支配者のことだろう。それに「サブ」が付いていることから、「裏の世界を動かす勢力集団」という意味になる。卑弥呼はこのサブアトラスたちが集まる会議に”日本代表”として出席するが、強引にシンプルプランを推し進めようとする人々と交渉が決裂し、各国代表者達をあっさり消滅させてしまった(セカイと同じ能力?)。


●プロフェッサーJ
中国の組織に所属し、クローン・ニノマエを作っていた謎の科学者。スペックホルダーを死滅させるシンプルプランのウイルスを製造したり、他の人間を自在に操ったり、様々な特殊能力を持っている様子。サブアトラスの指示で当麻の父親を仲間に誘うが、断られたため事故死に見せかけて始末した。映画のラスト、八咫烏(ヤタガラス)の姿でセカイの前に現れる。


ラプラスの悪魔
ラプラスの悪魔”とは、「ある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知ることができ、かつもしもそれらのデータを解析できるだけの能力の知性」(すなわち因果的に決定された未来を完全に見通すことができる者)の存在を仮定した、理論上・空論上の概念的存在である。

主に近世・近代の物理学の分野で未来の決定性を論じる際に仮想された超越的存在の概念であり、フランスの数学者:ピエール=シモン・ラプラスによって提唱された。「ラプラスの魔物」あるいは「ラプラスの魔」とも呼ばれる。

『SPEC 結』では潤がセカイのことを「ラプラスの悪魔」と呼んでいるが、「ラプラスの悪魔」とは単なる”概念”なので、「未来を完全に見通すことができる者」を示す言葉として使ったものと思われる。


●ガイア理論
地球自体を一つの巨大な生命体と見なす仮説のこと。『SPEC』の世界では、「地球そのものが明確な意思を持ち、人類に干渉しようとしている」という設定だ。卑弥呼は、人種間戦争が始まるとガイアが怒るから、スペックホルダーを守るためにシンプルプランを止めようとしている。しかし、セカイはそれが気に入らないらしい。


●スペックホルダーの能力
スペックホルダーがその能力を覚醒するためには2つのパターンが存在する。一つはセカイ達「白服組」が特定の人間に与えたもの。もう一つは、ガイアが人間のDNAに働きかけて強制進化させたものだ。当麻やニノマエのスペックはガイアによってもたらされたものだから、セカイは「一部の者は我々と関係なくスペックを持った。何のためにガイアは奴らを進化させているんだ?」と困惑している。

どうやらセカイとガイアは対立関係にあるらしく、いくつもの新たなパラレルワールドを生み出し、自分が思い描く理想の世界を作り出そうとしているセカイに対して、ガイアは独自に人類を進化させ、”ソロモンの鍵”と呼ばれる特殊なスペックホルダーを誕生させることで、セカイの野望を阻止しようとしているようだ。


ソロモンの鍵
セカイによれば、ソロモンの鍵とは「この世で唯一、時の流れを戻すことができる能力」らしい。それはすなわち、セカイの「世界をリセットできる能力」にも匹敵する強大なスペックで、”人知を超越した存在”の白服組に最も近い人類になることを意味する。同時に、セカイにとっても重要な要素であり、もし当麻がソロモンの鍵を持っているなら利用し、そうでなければ殺してしまおうと考えているようだ。


●湯田秀樹
当麻の父親の親友で、家族が亡くなった真相を知る唯一の人物。スペックホルダーに憑依された当麻の祖母から「裏切り者!」と呼ばれたことから、かつては”秘密結社”に所属していたようだ。また、名字の湯田(とうだ)はユダ(JUDE)と読めることから「裏切り者のユダ(イスカリオテのユダ)」にも符合する。そう考えるとJUDEのJは…。


ダークマター
宇宙にある星間物質のうち電磁相互作用を行わず、かつ色電荷を持たない、光学的には観測できないとされる仮説上の物質(「暗黒物質」とも呼ばれる)。本当に存在するかどうかも定かではないが、宇宙の起源に関わる重要な物質として知られている。セカイ達の「並行宇宙を作り出す能力」に関連があるのか?


パラレルワールド(並行宇宙)
ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する全く別の世界(時空)を指すSF用語。『SPEC 結』では、湯田が当麻に”並行宇宙”つまり”パラレルワールド”の話を始め、当麻の父親が本当に研究していたのはハヤブサではなく、「実は並行宇宙だった」と告白する。

母体である地球(ガイア)が存在する世界を主軸として、様々な確率論からいくつもの派生した別世界(パラレルワールド)が存在しているが、ある一定の条件下でその並行宇宙と主軸の宇宙が交わる可能性があることを当麻の父は発見したらしい。


●ブレーン
ブレーンワールド(膜宇宙)またはブレーン宇宙論とは、「我々の認識している4次元時空(3次元空間 + 時間)の宇宙は、さらに高次元の時空(バルク)に埋め込まれた膜(ブレーン)のような時空なのではないか」と考える宇宙モデルのこと。湯田は「当麻の父は地球自体が意思を持った一つの生き物としてブレーンを行き来している証拠をつかんだ」と述べており、ガイアが他の並行宇宙に干渉している可能性を示唆している。


というわけで、劇場版『SPEC〜結(クローズ)〜』の気になるワードをざっくり振り返ってみましたが、完結編にもかかわらず、謎がほとんど解明されていませんねえ(笑)。中でも一番の疑問は「セカイの目的はいったい何か?」ということでしょう。

堤幸彦監督によると「この物語は、単純に”スペックホルダー VS 人類”という構図ではなく、敵は幾重にも存在している」とのこと。つまり、御前会議やサブアトラスがスペックホルダーをめぐって様々な攻防を繰り広げ、それに対して当麻達は戦いを挑んでいるように見えますが、実際は彼らよりもっと上位に君臨する「セカイ(&青池潤)」と「ガイア」が対立していて、人類はその争いに巻き込まれているようなのです。

そして、青池里子が潤に目的を聞いた時、「返してもらうだけよ」と答えていることから、どうやらセカイは「何かを取り戻す」ために行動しているらしい。果たして何を取り戻そうとしているのか?そしてそれは世界を何度もリセットしている事とどんな関係があるのか?

堤監督曰く、「そのへんは『爻ノ篇』の最後の最後で語られます。ああ、そういうことだったのか!という瞬間があります。僕がこの映画を作る上での、寄りどころになっている決定的な場面が『爻ノ篇』にはありますよ」とのことなので、全ての謎は次回で明らかにされると思いますが、いったいどんな衝撃の結末を迎えるのでしょうか?

今回、湯田が当麻にパラレルワールド(並行宇宙)の説明をしているので、今後の展開にパラレルワールドが絡んでくることはほぼ間違いありません。また、『SPEC〜天〜』のラストで雅ちゃんが佇んでいたのは「ファティマ第三の予言に記されていたことが起きてしまった世界」だと思われますが、あれはおそらく「セカイが予定していた結末」でしょう。しかし今回、ガイアが別の並行宇宙へ干渉していることが判明したので、予定とは異なる結末になる可能性が出てきました。

僕の予想ですが、次回作『爻ノ篇』でセカイと当麻の最終決戦が描かれ、おそらく当麻は敗れると思います。しかしその時、ガイアの仕掛けた最強のスペックが発動!”ソロモンの鍵”が目覚め、凄まじい勢いで逆方向へ流れ始める周囲の時間。数万年、数億年の単位で刻を遡り、やがて”宇宙の起源”にまで辿り着く。そして、そこから”新たな宇宙”が誕生し、当麻や瀬文は全く違う世界(パラレルワールド)へ生まれ変わる…。

という具合に、『ジョジョ』好きな堤監督は、最後の最後にジョジョの奇妙な冒険:第6部ストーン・オーシャン』の最終話のネタ(メイド・イン・ヘブン)をブチ込んでくるような気がします。もしそうなるなら、メンバーの誰かは”前世の記憶”を持ったまま転生することになるのでしょう(『ジョジョ』のエンポリオと同じ役目)。現時点ではまだ完結編を観ていないので、実際はどんな結末なのかわかりませんが、面白い映画になっていることを期待します(^.^)



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