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謎は解明されたのか?『SPEC〜零〜』ネタバレ感想


■あらすじ『両親と弟を飛行機事故で亡くした女子高生:当麻紗綾(戸田恵梨香)のもとに、警視庁弐係の近藤という刑事がやってきた。「あなたの家族はスペックを持つ者たちに殺された可能性が高い」。”スペック”……当麻が初めてその言葉を聞いた瞬間だった。6年後、その話を片時も忘れたことのない当麻は、迷わず刑事の道を選ぶ。FBI研修を終え帰国した当麻は、公安部公安第5課未詳事件特別対策係への配属が決まり、係長の野々村に出迎えられた。一方、強力なスペック・ホルダーのニノマエは地居の策略により、当麻を親の敵と憎み、あらゆる手段で当麻を追い詰めようとする。地居によって歪められた当麻とニノマエは仲の良い姉弟だった記憶を一切消され、命を懸けた戦いへと向かうことに…!』



先日、『SPEC』シリーズの前日譚となるドラマ『SPEC〜零〜』が放映されました。本作は、来月に予定されているシリーズ完結編『劇場版 SPEC〜結(クローズ)〜 漸(ゼン)ノ篇』の公開に合わせ、当麻が自身の左手を失うことになった経緯や、ニノマエとの因縁の始まりなど、事件の発端となった出来事を描いた”エピソード・ゼロ”です。例によって、色々気になった場面やキーワードが出てきたので、ざっくりとチェックしてみましたよ。


テロメア
雅ちゃん。君は信じないかもしれないが、この歴史の終わりはこの歴史が始まった時にはすでに決まっていたんだ。それはすべての生き物のDNAにテロメアが生まれつき備わっているようにね。それが我々人類にも分かったのは、今からわずか十数年前のことだった。そして、その証拠を握ったキーマンとその家族が殺された9月11日の事だった。」

という野々村係長のモノローグで始まる『SPEC〜零〜』。テロメアとは、真核生物の染色体の末端部に存在する構造物で、特徴的な繰り返し配列をもつDNAと様々なタンパク質から成り立っている。「我々人間を含めた生物個体は、遺伝子が自らのコピーを残すために一時的に作り出した”乗り物”に過ぎない」という、進化生物学者リチャード・ドーキンスが提唱した「生存機械論」にも言及している『SPEC』シリーズにおいて、DNAとスペック・ホルダーの関係は物語の謎を解き明かす重要な鍵となるようだ。

●真山刑事、殉職
『SPEC』の世界は前作『ケイゾク』の10年後という設定になっている。このため、『ケイゾク』に関連するキャラクターが度々登場していたわけだが、今回の『零』でなんと『ケイゾク』の主人公:真山徹が死亡していたことが判明。「『SPEC』に登場するかも?」と期待していたファンにはショックな情報だろう。

また、真山の相棒の柴田純も公安部長になっていることがほのめかされるのみで直接画面には登場しない。代わりに、近藤昭男(徳井優)が伝言役をしている。小説版には柴田が登場していたので「ドラマ版にも出るのでは…」と期待していたが、植田プロデューサーによると「登場の予定は無い」とのこと。残念!↓

●当麻が可愛くなってるんだが
『SPEC〜零〜』の当麻は赤いコートに赤い帽子、綺麗なロングヘアーと、かなり派手なスタイルで登場。今まで見てきたボサボサ頭でダサいファッションの当麻とはだいぶイメージが異なっている。左手を吹っ飛ばされる前までは結構オシャレだったようだ(でも性格はあまり変わってない)。








●未詳部屋は地下だった!
「未詳事件特別対策係」、通称:未詳のオフィスに来る人は、みんなエレベーターで下から上がって来ていたので、てっきり「上の階にあるんだろう」と思っていたら、なんとひたすら階段を降りて降りて、「地下22階からエレベーターに乗って0.5階だけ上がる」という構造だったことが判明。つまり、22階と21階の間に存在する「21.5階」だったのだ(『マルコヴィッチの穴』みたいだなあ)。

●なぜ当麻の家族は殺されたのか
当麻紗綾の父:当麻天は、小惑星探査機「はやぶさ」の制作に関わっていた有能な科学者。権力に与することを良しとせず「ファティマ第三の予言研究学会」からの誘いを断ったため、機内で彼らに爆発を起こされ妻と共に陽太の目の前で焼死する。ニノマエは当麻に、「天自身も何らかのSPECを持っていたため飛行機事故を装って殺害された」と語っている。


●ニノマエが重度のアニオタになった理由
日本に戻ってきたニノマエは「アニメイトに行って『けいおん!』のDVDを買いたい」など、オタク発言を連発する。また、ゲームセンターではUFOキャッチャーで唯ちゃんのフィギュアを取ろうと必死になるなど、完全に『けいおん!』のステマと化していた。実はこの設定、ニノマエを演じた神木隆之介の性格をそのまま反映させているのだという。以下、「神木隆之介がバラエティに出ない意外な理由」という記事から引用↓

映画『妖怪大戦争』やテレビドラマ『QUIZ』など、そのキャリアを子役からスタートし、着々と役者としての評価を上げている俳優・神木隆之介。確かな演技力とあどけなさも残る端正な顔立ちで、男女問わずに人気が高い俳優のひとりだ。

そんな神木だが、基本的にバラエティやトーク番組に出るのは、映画やドラマなどの番宣がある時のみ。出演したとしてもコメントを出す程度にとどまっており、現在ブログなども開設していない。そのため、彼のプライベートは謎に包まれているといえるだろう。そこには意外な理由があるのだと、ある芸能関係者は語る。

実は神木くんはプライベートではかなりのゲーム・アニメ好き、つまり"ガチオタ"なんです(笑)。現場でも、口を開けばアニメの話ばかりしていますよ。しかし、所属事務所としては神木くんに“オタク”として色がつくのを嫌がっている。それが彼がブログをやらなかったり、バラエティ番組に積極的に露出をしない理由なんです。

プライベートでは、休みの日に都内のゲームセンターへ入り浸っていますし、少し前はアニメ『けいおん!』にドハマりしてましたよ。実は、テレビドラマ『SPEC』(TBS)で彼が演じている一十一(にのまえ・じゅういち)のキャラクター紹介では、好きなテレビ番組が『けいおん!!』となっているんですが、これはそのまま神木くんの趣味を反映しているわけです(笑)」(ソースはコチラ


どうやら、ニノマエのオタクぶりは演技ではなく”本物”だったらしい(笑)。

川島海荷スケバン刑事
川島海荷演じる上野真帆は、両親と弟とともに自動車事故に遭って家族3人を亡くし、自身は重傷を負い車いす生活を送っているという設定だ。そしてなぜかスケバン刑事の格好をして悪人に復讐を企てる(意味がわからないよw)。ちなみに、二代目スケバン刑事を演じた南野陽子さんが母親役で登場(写真のみ)。役名は上野サキで、麻宮サキを思わせる名前になっている。



向井理大島優子の”白服組”は何者?
劇中では、『SPEC〜天〜』で初登場した謎の白服男:セカイ(向井理)。しかし、物語の時系列ではもっと以前からストーリーに絡んでいたらしい。以下、『SPEC〜零〜』の会話シーンより抜粋。

向井理:「せっかくファティマでご丁寧に教えてあげたのに、人類はなぜか決まった道を歩みたがる」

大島優子:「この世界の終わりはもう決定しているんでしょ?てかラプラスに化け物呼ばわりされたからって根に持つことないじゃんか」

向井理:「根に持ってるわけじゃない。う〜ん、不安なのかな…」

大島優子:「なにが?」

向井理:「いや、期待かもしれない。あの女のことを考えると心が震える!」

大島優子:「はぁ?ドMかよ!てかドSのくせに。ガイアの気まぐれも許せねぇって事ね」

向井理:「今更許せるか!」


漫画版の『SPEC〜零〜』ではセカイが最初の台詞の後に続けて、「その先に何を果たしたいのか。まぁどうしようもなければ、またリセットするか」、少女「この泡(コスモ)には珍しくこだわるわね」 セカイ「それはないけどさ。今度のソロモンにはちょっと引っかかってる。時の壁を超える少年と、次元の壁を超える女。はたしてどちらが究極の支配者たりうるのか…?」という会話が出てくる。

”時の壁を超える少年”とはもちろんニノマエのことで、”次元の壁を超える女”は当麻だろう。この後、当麻は戦略を駆使してニノマエを倒すが、それを見た白い服の男「ついにソロモンの鍵が目覚める時が来たか…」と謎の言葉を呟く。更に、「時の流れは戻せない。それができるのはソロモンの鍵だけだ」と意味不明なセリフを連発するなど、あまりにも不可解な言動が多い。彼はいったい何者なのか?

どうやらセカイは”人智を超えた存在”であり、遥か太古の時代から人類を導いてきたが、なかなか思い通りにならず、何度も何度も世界をリセットしているらしい。「泡(コスモ)」とは、泡のように次々と湧き出てくる新しい世界を意味し、果てしなくリセットを繰り返していけば「最終的に自分が思い描く理想の世界が必ず生まれる」と信じているのだ。



ちなみに、二人の会話に出てくるラプラスというワードは、『SPEC』のプロデューサーが関わっている安堂ロイドにも敵側のアンドロイドの名称として登場する。でも、さすがに『安堂ロイド』とはリンクしないだろうなあ(^_^;)


●最後に出てきた白い服の少女は誰?
セカイと一緒に行動している青池里子の娘:青池潤。しかし、血液型もDNAも全く異なるため、本当に青池里子の娘かどうかは分からない。


ラストで「そして時は動き出す」と言って静止した時間を元に戻したり、少女から急激に成長したり(大島優子状態)、摩訶不思議な能力を持っている。ニノマエのスペックは自分自身を加速させる能力だが、彼女は本当に時間を操れるようだ(もはや、スペック・ホルダーですらないのかもしれない)。尚、「そして時は動き出す」というセリフが、ジョジョの奇妙な冒険第三部に登場するディオの有名なセリフであることは言うまでもないだろう。


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