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これはそっくり!『カールじいさんの空飛ぶ家』に似てる人


■あらすじ『古いけれど手入れの行き届いた一軒家に暮らす老人カール・フレドリクセンは、開発の波が押し寄せる中、頑なに家を守り抜いてきた。そこは、いまは亡き最愛の妻エリーとの素敵な思い出に満たされた、かけがえのない場所だった。しかし、ついにカールは家を立ち退き、施設に入らなければならなくなる。そして迎えた立ち退きの日の朝、なんとカールは無数の風船を使って家ごと大空へと舞いあがるのだった!それは、エリーと約束した伝説の場所“パラダイス・フォール”への大冒険の始まり。ところがなんと、空飛ぶ家の玄関には予期せぬ訪問者が!果たして大冒険の末にカールを待ち受ける意外な結末とは・・・。「ウォーリー」のディズニー・ピクサーが贈る愛と感動のアドベンチャー・アニメーション!』



本日、水曜プレミアシネマで『カールじいさんの空飛ぶ家』が放映されます。本作は、当時3D映画として公開されていたので映画館へ観に行きました。この頃って、『アバター』が公開される直前だったため、「もうすぐ全ての映画が3Dになるだろう!」などと業界全体が大いに盛り上がっていた時期でもあったんですよね。まあ、3Dブームはこの後急速に盛り下がっていくんだけど(苦笑)。

ちなみに、その前に観た立体映画は『ベオウルフ/呪われし勇者』でした。ところが『ベオウルフ』の時には字幕版しかなかったので字幕版を観たら、恐ろしく観辛かったのですよ。立体感は確かに凄いんだけど、人物よりも”字幕スーパーが一番手前に飛び出る”という残念な仕様にがっかり。この反省も踏まえて『カールじいさん』は「日本語吹替え版3D」を選択しました。好みの問題もあると思いますけど、個人的に3Dは吹き替えで観た方がいいですね。ただ、いまだに「メガネの上にメガネを掛ける」という方式には違和感を感じずにいられません(立体メガネが段々下がってくるんだよなあ)。映画関係者はもう少しメガネを掛けている人の利便性も考えて欲しいですね!(`ε´)ブーブー

というわけで、『カールじいさん』の話です。正直、「じいさんが主人公の映画ってどうなのよ?」と観る前は思っていたのですが、「やっぱりピクサーは上手いなあ」と感心させられました。物語の冒頭に登場するのは小さな男の子カール君。チャールズ・ムンツという冒険家に憧れるカール少年は、とある家で一人の女の子(エリー)と出会う。そして、オープニングのわずか数分間で、二人が出会ってから結婚し、暖かい幸せな家庭を築き、やがて愛する妻エリーと死に別れるところまでを一気に描いてしまうのです。

いきなりじじいの主人公が出てきたらさすがに感情移入しづらいと思いますが、こうやって「少年がじじいになっていく過程」をエピソードとして見せられると、抵抗無くすんなりと物語に入り込めるというわけですな。さすがピクサー、この冒頭数分間に凝縮されたドラマの見せ方が秀逸すぎる!まだ始まったばかりなのにシチュエーションが感動的すぎて早くも涙が・・・。しかし立体メガネの所為で非常に涙が拭きにくい!誰かなんとかしてくれ!\(*`∧´)/ ムッキー!!

そして序盤のしっとりしたパートが終わると、映画はいきなり「冒険活劇」の様相を呈します。逃走劇あり、脱出劇あり、クライマックスの格闘シーン、大迫力の空中戦闘シーンなど、あらゆるアクション・アドベンチャー映画の要素がてんこ盛り。エンディングの「ホロっとさせる」展開に至るまで一分の隙も見当たらない、まさに一大エンターテイメント!「任天堂が制作するマリオ」のような磐石の完成度と言えるでしょう。

一方、映像技術的には特に目立つような表現・効果等は見られません。一昔前の3D映画の場合、演出上特に必要ないにもかかわらず、画面手前に向かって何かが飛んできたり棒のようなものを突きつけたりなど、3Dであることを強調するためだけの表現が必ず取り入れられていたものですが、『カールじいさん』はそういう”わざとらしい3D効果”を極力排除しているのですよ。

アバター』を製作したジェームズ・キャメロンが、「3D映画で注力すべき点は飛び出す効果ではなく”奥行き感”である」と述べているように、『カールじいさん』でも空間の広がりや背景の位置関係を際立たせるために立体効果を活用し、素晴らしいスケール感を表現していました。

ちなみに、僕が過去に観た立体映画の中で一番印象に残っているシーンは、『13日の金曜日パート3』で子供がヨーヨーで遊んでいる場面です。このシーン、足元に設置したカメラが子供を真下から見上げる状態で撮影しており、上下するヨーヨーが手前に飛び出して見える、という意味不明な映像でした(もちろんヨーヨーはストーリーに全く関係ない)。たぶん監督は、初めての立体映画ということで気合いが入りすぎ、何でもかんでも3Dで撮ってしまったのでしょう。しかし、2Dで観た場合は「単にヨーヨーが上下に動いているだけ」になってしまい、カッコ悪い事この上なしです。

最近でも『バイオハザード? リトリビューション』などでは、派手にナイフや弾丸を飛び出させ、3D映画特有の「ビックリドッキリ感」を前面に押し出していたことから、世間ではいまだに「3D=何かが飛び出すもの」という認識なのでしょう。しかし『カールじいさん』ではあえて飛び出し効果を強調しないような作りになっており、「できるだけ自然なビジュアル」を目指していることを感じさせます。実際、映画を観ているうちに3Dであるということを意識しなくなり、だんだん「立体表現」が自然に思えてきたほどです。これが、これからの立体映画の目指すべき方向性なのかもしれませんね。

最後に、ネットで見つけた「リアル・カールじいさん」の画像を貼っておきます。

似てるにもほどがあるwww
もはや本物のカールじいさんだよwww


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