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ジェイソン・ステイサムの『キラーエリート』映画感想(ネタバレ)


■あらすじ『殺し屋稼業を引退し、オーストラリアで恋人とともに静かに暮らしていたダニーだったが、ある日かつての師匠ハンターがミッションに失敗しクライアントに拘束されてしまったことを知る。ハンターを人質に取られ、ミッションを引き継がねばならなくなったダニー。そのミッションとは、“SASの精鋭を事故に見せかけて殺せ”というものだった。しかし、そんなダニーの前に、謎の組織“フェザー・メン”によって送り込まれた元SAS隊員スパイクが立ちはだかる。イギリス陸軍特殊部隊(SAS)に所属した経歴を持つ著名な冒険家ラヌルフ・ファインズの同名ベストセラーにインスパイアされた物語を、ジェイソン・ステイサムクライヴ・オーウェンロバート・デ・ニーロの豪華競演で描くサスペンス・アクション!』


本日WOWOWで放映される『キラー・エリート』は、ジェイソン・ステイサムクライヴ・オーウェンロバート・デ・ニーロという豪華3大スターが競演した大作アクション映画ですが、配役が渋すぎたせいか公開時はあまり話題にはならなかったようです。

まあ、出てくるのはおっさんばかりなので、画面は確かに地味なんですけどね(笑)。ただ、ジェイソン・ステイサムの体術は相変わらず素晴らしくて、しかも今回はクライヴ・オーウェンとの格闘シーンがたっぷり堪能できるわけですから、アクション映画ファンにとっては眼福でしょう。

おまけに、ジェイソンは元殺し屋、クライヴは元イギリス陸軍特殊部隊(SAS)という設定なので、リアルかつ迫力満点なバトルが満載!中でも驚いたのが後半のシチュエーションです。

敵に捕えられて絶体絶命のジェイソンは、なんと椅子に縛り付けられた状態から反撃を繰り出し、そのまま3階の窓ガラスを突き破って脱出するという、ジャッキー・チェンの映画でも見たことないような驚愕アクションを炸裂!人間技とは思えぬスタントに度肝を抜かれました。

しかし、一見普通のサスペンスに思えるこの映画、非常に大きな特徴がありまして。それは「実話を元にしている」という点なのですよ。これがフィクションだったら割と良くある内容なんですが、オープニング画面で「この映画は実話を元に描かれた云々…」というテロップが出ると、「おお!本当にあった話なのか!」と観る側のテンションも変わってくるじゃないですか?さぞかしリアルなストーリーなんだろうなと。ところが、そう思って観ていると何だか少々おかしなことに…。


以下、ネタバレありで解説します。


原作者のラヌルフ・ファインズは1965年にイギリス陸軍特殊部隊(SAS)へ入隊し、イギリス陸軍最年少の大尉へと昇進。その後オマーン国での戦闘に参加して勲章を授与されるなど、数々の輝かしい経歴の持ち主だそうです。そんな彼の実体験をまとめた小説『The Feather Men』は、SAS兵士たちによるオマーン戦争時の殺人を、「“フェザー・メン”と呼ばれる極秘組織が事故死に見せかけて隠匿していたのだ」と告発する衝撃的な内容でした(もちろん英国政府は「事実無根」と完全否定)。

『キラーエリート』はこの『The Feather Men』を元に制作されており、当時SAS内部で不審な事故死が相次いでいたのは事実のようです。しかし、小説に描かれているような殺人事件が本当にあったのか?謎の組織“フェザー・メン”は実在するのか?など、眉唾な部分が多数見受けられることも否定できません。例えば、主人公達が企てる犯行方法などもその一つでしょう。

暗殺者である彼らは、今回3人のターゲットを殺すよう依頼されますが、クライアントの指示で「事故死に見せかける」という条件を課せられます。そこでまず一人目のターゲットは、事前に家に侵入して浴室のタイルをはがし、同じ材質のハンマーを作らせ、そのハンマーで撲殺。浴室で転んで死んだように見せかけました。これぐらいなら「まあ、有り得なくもないかな」というレベルだと思います。

しかし、二人目のターゲットを狙う時は、”フェザー・メン”が彼らの動きに気付いたらしく、監視が厳しくなってなかなか接近できません。そこで主人公は、飲み物に薬品を入れる作戦を思い付きました。「もうすぐターゲットが雪山の訓練に参加する」という情報を掴んでいた彼は、事前に体の自由を奪う薬を飲ませれば、凍死に見せかけて殺すことができると考えたのです。しかも、SASの山岳訓練の厳しさは世界的にも有名らしく、過去に何人も死亡者が出ているので、「誰も殺人とは思わないだろう」と画策。


「だが、どうやって薬を飲ませるんだ?」

メンバーの一人が尋ねると、ジェイソン・ステイサムは堂々と答えました。

「俺が訓練に潜入してコーヒーに混ぜる」


いやいや、そっちの方がよっぽど難しいだろ!?無理無理、絶対にバレるって!しかし、ジェイソンは難なくSASの訓練に潜入し、こっそりコーヒーに薬物を混ぜ、見事ターゲットの暗殺に成功しました。イギリス陸軍って、どんだけ侵入者に対する警戒レベルが低いんだよw

そして三人目のターゲット。さすがに警備が強化され、しかもジェイソンの顔も見られてしまったので近づくことも困難な状態に。そこで大掛かりな作戦を実行することにしました。まずターゲットに「ニセの仕事依頼」の電話を掛け、「火曜日の9時に○○へ来るように」とおびき出します。

次に、大型トレーラーに特殊な装置を取り付け、リモコンで操作できるように改造し、ターゲットが指定された時間に走行しているタイミングでトレーラーをぶつけて、交通事故死に見せかける、という凄い作戦なのです。

もうね、突っ込みどころがありすぎてどうしたらいいの?って感じなんですけど(笑)。まず、普通のトレーラーをリモコン仕様に改造するのがそんなに簡単にできるのでしょうか?しかも、そのトレーラーを運転しているのは何も知らない普通のおっさんなのに、タイミング良くターゲットの車に接近できるのか?と。

また、交通事故は衝突のスピードや乗車時の姿勢などによって助かる確率も高くなるわけで、確実に殺すことは難しいのでは?さらに、警察がトレーラーを調べれば改造してあることが一発でバレてしまうため、事故に見せかけることもまず不可能でしょう(証拠も残るし)。つまり、この作戦は成功する可能性が圧倒的に低すぎるのですよ。

もし、この映画が『ミッション・インポッシブル』のような娯楽スパイアクションなら、大掛かりな作戦でも楽しく観ることができたと思うんですけど、冒頭で「実話を元にした…」とか言われちゃうと「ホンマかいな?」ってなりますよ、そりゃ(笑)。わざわざ”実話”と冠したことで、逆に「嘘臭い度数」が上がってしまった残念なパターンですね。ただ、映画自体は普通に面白かったです(^.^)


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