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『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』ネタバレ感想


■あらすじ『1969年7月20日アポロ11号が月面着陸に成功。しかしこの歴史的偉業の陰には、NASAアメリカ政府がひた隠しにしていた衝撃の事実があった。月の裏側には、未知の金属生命体であるトランスフォーマーの宇宙船が不時着していたのである。その情報は数十年にわたって極秘扱いにされた…。そして現代のアメリカ、シカゴ。社会人となったサムの前に、再びあの悪夢が甦る。オフィス機器に姿を変えたトランスフォーマーの侵略者が、人間たちを襲い始めたのだ。そして、政府が40年間隠し続けてきた事実が最悪の事態を招くことに。もはや人間に協力するトランスフォーマーたちの応戦もむなしく、人類の希望は風前の灯火となってしまう。果たして地球の運命は…!?人気アクション・フィギュアから生まれた大ヒット・シリーズの第3弾にして、ヒットメイカー:マイケル・ベイ監督がシリーズ初となる3Dカメラでの撮影に挑んだSFアクション超大作!』



本日、日曜洋画劇場で『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』が放映されます。マイケル・ベイ監督の大ヒットシリーズ『トランスフォーマー』、『トランスフォーマー/リベンジ』に続く三作目で、劇場公開時は一応”完結編”と謳われていましたが、その後続編の製作が決定し、現在パート4に当たる『トランスフォーマー/ロストエイジ』を撮影中だそうです。新作からはキャストを一新して全く別のストーリーを描くようで、主人公はマーク・ウォールバーグに交代し、更に派手なアクションが満載らしい。

さて、『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』なんですけど、僕は劇場で3D版を観たんですよ。これが非常に素晴らしかった。『アバター』の大ヒット以降、ゴミみたいな3D映画が山ほど制作された中で、ようやく納得できるレベルの3D映画が登場したって感じで「すげえええ!」と大興奮でしたねえ。

しかも、『アバター』の場合は背景やオブジェクトがほとんどCGだったのに対し、本作は可能な限り現場でロケ撮影を行い、実際に車や建物を破壊しまくり、それら実写映像とCGを巧みに合成することによって、とてつもない臨場感を生み出しているのです。コレよコレ!これこそが、本来見たかった3D映画の姿だよ!

スピード感満点のカーチェイス。崩れ落ちる高層ビル。何だかよくわからないけどとりあえず派手に爆発しまくる色んなモノ。しつこいぐらいのバトルシーン。マイケル・ベイ映画ではお馴染みのこれらの要素が、凄まじい勢いで画面から飛び出す驚天動地の立体感!

中でも圧巻は、クライマックスにおけるパラシュート部隊の降下シーン。一見、CGかと思いきや、3D撮影用カメラを頭に装着したスカイダイバーが本当にビルから飛び降りて撮影したそうな(マイケル・ベイ、アホだろw)。その浮遊感と爽快感、そして奥行きや高低差の表現たるや、鳥肌が立つほどのド迫力!

相変わらずストーリーがメチャクチャだけど、トランスフォーマーのシナリオはクソ」という事実を、前作『トランスフォーマー/リベンジ』で監督本人がとうとう認めてしまったので、もはや議論の余地は無いと思われ(詳細はコチラ)。というか、マイケル・ベイの映画に誰も「優れた脚本」なんて期待してないよね(笑)。

で、今回は、前作までの恋人だったミカエラにフラれてしまった、という設定の主人公が新しい恋人を作ってるんだけど、またしても「スタイル抜群なタカビー美女」っていうあたり、もう少し女の趣味をどうにかした方がいいと思うぞ(笑)。

新恋人役を演じるロージー・ハンティントン=ホワイトリーは、バーバリーラルフ・ローレンなど一流ブランドのファッションモデルだからスタイル抜群なのも当たり前。おまけに彼氏は世界的なアクション・スターのジェイソン・ステイサム!すげえええ!つーか、どうして本作のボンクラ主人公はこんな超絶美女とお付き合いできるんだろう?全く納得できん!

そしてその”スタイル抜群な超絶美女”のお尻のアップから物語が始まるという、思いついても誰もやらないであろう驚愕のオープニングショットを生み出したボンクラ監督マイケル・ベイ!全くブレない製作スタイルが素敵すぎるw

ちなみに、ミーガン・フォックスからロージー・ハンティントン=ホワイトリーに交代した理由については、『トランスフォーマー/リベンジ』公開時のインタビューでマイケル・ベイ監督の指揮に対し、「彼は撮影現場では独裁者ヒトラーのように振舞っている」と批判した事が原因と言われています。

これにより、撮影スタッフのみならず製作のスティーブン・スピルバーグまでもが大激怒、映画会社全体を敵に回してしまいました。マイケル・ベイ自身は関係修復を促したものの、結局ミーガン自らが出演辞退を申し出たため、やむを得ず”ヒロイン交代”に至ったようです。

ところで、前作までと比べて今回は主人公があんまり活躍してないように見えるんだけど、気のせいでしょうか?一作目ではアレを守ったり、二作目ではカレを助けたり、命懸けの活躍シーンが必ずあったのに、今回は「新しい恋人を救うこと」が最優先事項で、地球の危機なんか二の次三の次って感じなんだけど(ミカエラにフラれたのがそんなにショックだったのかw)。

しかし、そう考えるとミカエラ役のミーガン・フォックスが途中降板した影響は結構大きいかもしれません。前作・前々作とお互いに愛を育んできた二人であれば、「主人公が必死でヒロインを守る姿」に説得力も生まれるでしょう。

でも初登場の新キャラにそれほど感情移入もできないわけで、いまいちドラマの盛り上がりに欠けるんですよ。サムが彼女に惚れる理由や、カーリーが彼を好きになる過程も曖昧だし。どうしても「そんな女のことより、地球のピンチをどうにかしろよ!」って思っちゃう。

ここは思い切ってバック・トゥ・ザ・フューチャー』方式を取り入れれば良かったのではないでしょうか?映画『BTTF』は、一作目で恋人役のジェニファーを演じたクローディア・ウェルズが、都合で次回作に出演できなくなるというアクシデントが発生。しかし、製作者側はどうしても同じヒロインのジェニファーを登場させたい。

そこで、二作目からは良く似た女優:エリザベス・シューを起用し、劇中では一切そのことに触れず、「ヒロインの顔が違って見えるのは気のせいです。何か問題でも?」と言わんばかりの強気な姿勢を貫き、そのままパート3まで押し切ったのですよ(良く考えるとかなり強引だよなw)。

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』でもこの方法を採用し、他の女優にミカエラ役を演じさせ、主人公との関係性を継続させた方が良かったのではないかと。そうすれば、「絶対に彼女を助けてみせる!」という主人公の強い想いや行動にも共感できるし、もっと感動的なドラマ展開になっていたはず。「なんか最近、顔が変わったよね?」、「美容整形よ」みたいなギャグを入れても面白かったかも(笑)。

だいたい、ミーガン・フォックスが突然降板したせいで、完成していた脚本を全て書き直すハメになったとか、制作状況がひどすぎるよ!前作『トランスフォーマー/リベンジ』の時は、「脚本家のストライキがあったためにまともなストーリーを作る時間が無かった」なんて言い訳してたけど、正直今回も似たようなもんでしょ。

とりあえず映画ファンとしては、関係者の都合で作品の内容に影響を及ぼすような事態だけは避けてもらいたいと切に願うばかりです。まあ、主人公が降板してヒロインだけが残った『スピード2』のパターンよりはマシかもしれませんが(笑)。

その他、カーチェイスのシーンで、一瞬「どこかで見たようなカット」が出てくるんだけど、どうやら『アイランド』のカーチェイスを使い回してるらしい(以下の動画を参照)。本当に一瞬だけなので使い回す必要があったのか?とも思うんだけど、監督のこだわりなんでしょうねえ。

また、クライマックス付近で「敵の弱点は目だ!」ということに気付き、一気に反撃へと転じる場面に関しては、「そんなもん一作目の段階で気付いとけよ!一番、弱点っぽい部分だろーが!」と一応突っ込んでおこう(笑)。あと、ジョン・マルコビッチの扱いが割と酷い。まさかここまで名優を使い捨てるとは(笑)。

というわけで、内容に関しては突っ込みどころ満載というか突っ込みどころしかないって感じなんですが、3D効果は最強でした。今までアレやコレやの「ニセ3D」に騙された人も、本作を観れば納得できるかと。立体映像の派手さだけなら(アトラクション用を除けば)現時点で最高峰かもしれません。難点は、上映時間が無駄に長いことかな(特に、変な中国人が出てくるシーンなどは全面カットでも問題無い。つーかカットしろ)。


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