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『新世紀エヴァンゲリオン劇場版DEATH AND REBIRTH シト新生』

新世紀エヴァンゲリオン

まずは、今日買った本の話を。

吉野家からの帰りに本屋で安野モヨコの『監督不行届』を購入。タイトルからは何の本かさっぱり分からないが、これは女性漫画家・安野モヨコが旦那の庵野秀明との新婚生活を面白おかしく書き綴ったエッセイ・マンガなのだ。

いや〜、面白いわコレ!「オタク男の所へ嫁入りした女の日常がどんなものか」が克明に描写されており、大変興味深いエッセイとなっている(もっとも安野モヨコ自身がかなりのオタクなので、一般的な女性の視点とは相当異なっていると思われるが)。

庵野秀明と言えば「新世紀エヴァンゲリオン」の監督として有名だが、近年は「式日」や「キューティーハニー」などの実写作品も多く手掛けている映画監督である。

しかしてその実態はアニメやフィギュアをこよなく愛する、筋金入りの“オタク”だったのだ!しかもそのキャラクターは世間の常識を大きく逸脱しており、オタクの中においてもズバ抜けて“変な人”であると言わざるを得ない。

まず庵野監督は肉と魚を一切食べない。喫茶店のサンドイッチも中のハムだけ抜いて食べるという徹底ぶりである。本人は“菜食主義者”を公言しているが、友人の貞本義行は「単に好き嫌いが多いだけだ」と一蹴している。主食は酒とサッポロポテト・バーベQ味だそうだ。

そして一ヶ月ぐらい風呂に入らなくても全然平気であるらしい。パンツも同じものをずっとはき続け、「もう限界」と判断したら捨てるのだという(洗濯という概念が無いのだろうか?)。

以前、安野モヨコが監督の部屋へ遊びに行ったら、ゴミ袋4個分にもおよぶ“捨てられたパンツの山”を発見して仰天したらしい。監督曰く「脱いだ時は捨てる時です」

す、すげえ!さすが宮崎駿の下で修行を積んだだけのことはあるぜ!(何の?)「風の谷のナウシカ」の原画を描いていた頃からこのようなライフスタイルを貫いていたらしく、宮崎監督も最初はびっくりしていたそうだ。確かに忙しくなるとスタジオに泊り込むアニメーターは珍しくないのだが、庵野監督の場合はスタジオに“住んでいた”のである!

タイムレコーダーはあったのだが、住み着いていた為に庵野監督のカードだけずっと白紙だったので、とうとう見かねた宮崎監督に「起きた時間と寝た時間だけ押せ!」と言われたらしい。

挙句の果てに、久しぶりに自分のアパートに帰ったらなんと部屋中カビだらけ!あわててスタジオに舞い戻り二度とアパートには帰らなかったそうだ。う〜ん、まさに伝説の男だ!

という訳でオタクの生態に興味がある人は必読であろう。専門用語もバンバン出て来るが心配無用。巻末にガイナックスが監修した“オタク用語辞典”が収録されているので初心者でも安心だ(笑)。

それにしても仮面ライダーの変身ベルトに「子供用」と「大人用」があるなんて、この本で初めて知ったよ(そんなに需要があるのか、つくづく凄い世界だなあ)。

で、ここから新世紀エヴァンゲリオン劇場版DEATH AND REBIRTH シト新生の話である。95年10月からTV放送がスタートした「新世紀エヴァンゲリオン」は、アニメファンの間で瞬く間に爆発的な人気を獲得した。そして徐々に一般層にも拡大し、30代の大人でもハマる人が続出。

前代未聞の最終2話を経ての放送終了から、劇場公開に至る一連の流れの中でその人気はついに頂点を迎える。TVエピソードを収録したLDは、“1万枚売れれば大ヒット”と言われるアニメLD市場において、実に200万枚以上という凄まじいセールスを叩き出した。

同時にビデオ160万本、DVD70万枚、CD250万枚と次々に新記録を樹立。特に主題歌「残酷な天使のテーゼ」のシングルはミリオンセラーを達成し、三枚目のアルバムに至っては並み居る有名アーティストを押しのけオリコンチャート1位を獲得するという前人未到の快挙を成し遂げたのだ。

さらに貞本義行のコミックは累計1100万部を突破し、プラモデルは260万個を売り上げるなどその勢いは止まる事を知らず、これらの経済効果は400億円に上るとも言われた。まさに“社会現象”と呼ぶに相応しい史上空前の一大ムーブメントを巻き起こしたのである。

しかしそんな大ブームの真っ只中で、総監督の庵野秀明は絶望のどん底にいた。TVシリーズの製作で全精力を使い果たし、完全に“抜け殻”になっていたのである。

最終回が放送された直後、ガイナックスの屋上から飛び降りようとしたが「怖くなってやめた」のだそうだ(後でその事を聞いた山賀博之に「なぜ飛び降りなかったんだ!」と言われたらしい)。だがそんな壊れた精神状態でも劇場版を製作しなければならない。しかしあせればあせるほど脚本は一行も書けない、という苦しい状態が何日も続く。

思い悩んだ庵野は師匠の宮崎駿に「僕はどうしたらいいんですか!?」と電話を掛けた。すると師匠は「やりたくないのに無理矢理作っても、いい作品が出来るわけが無い。しばらく休んどけ!」と職場放棄を示唆するような有難いアドバイス(?)を送った。

それを聞いて庵野は喜んだものの、一旦引き受けた以上今更中断も出来ない。結局どうにか脚本を書き始めるのだが、作業は遅々として進まず時間だけがどんどん過ぎていった。そして公開を一ヶ月後に控えた2月14日、ついに“ある事件”が起こってしまったのである、それは…!

続きは明日へ → 春エヴァ・夏エヴァ


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