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ジョニー・デップ主演『ネバーランド』映画感想

ネバーランド

■あらすじ『20世紀初頭のロンドン。劇作家のジェームズ・バリ(ジョニー・デップ)は、公園でシルヴィア(ケイト・ウィンスレット)と4人の息子たちに出会う。三男のピーターは父親の死後子供らしさを失っていたが、ジェームズはその姿に自分が幼い頃に作り上げた想像の世界、“ネバーランド”を思い起こす。子供たちとの親交に刺激されジェームズは新しい劇の創作に取り掛かるが、世間ではあらぬ噂が立ちジェームズの妻メアリーは孤独を感じていた。やがてバリは新作「ピーター・パン」を書き上げるのだが、ピーターたちにはつらく悲しい運命が待ち受けていた・・・!永遠の少年ピーター・パンを生み出したスコットランドの作家ジェームズ・マシュー・バリと、「ピーター・パン」誕生の裏に隠された真実のドラマを描く愛と感動の物語。』



本作は世間の評価も高く、“良い映画”である事は間違いない。しかし「めちゃめちゃ面白い!」とか「涙で滲んで画面が見えない!」と絶賛するほどの感動大作でもないな、というのが僕の感想である。上映時間が1時間40分という短さからも、“コンパクトにまとまった佳作”という印象を受けるのだ。理由は「ドラマにあまり起伏が無い」からだと思う。もちろん色々な事件は起きるのだが、物語は終始淡々と進んでゆき、あっと驚く意外な展開も無い。音楽も控えめで大げさな演出も皆無だ。よく言えば“落ち着いた映画”だが、悪く言えば“少々退屈で地味な映画”だと言える。
ではこの映画の見所はどこかと言えば、一も二も無くジョニー・デップであろう。正直、バリの役はおとなしくて真面目なキャラクターであり、個性派俳優・ジョニー・デップにはあまり合っていないと思うのだが、彼の圧倒的な存在感が違和感を帳消しにしているのだ。ジョニデの“寂しげだがどこかユーモラス”な言動が、緩やかなストーリーに一定のリズムを与えている。子供たちとのやり取りも、非常に心温まる良いシーンだ。そんな子供たちとの交流の中から、少しずつ『ピーターパン』が生まれていく過程をじっくりと描いている点に好感が持てる。そしてクライマックスは、病気になったシルヴィアの為にバリと子供たちが“ある秘密の計画”を実行するシーンである。
「信じる気持ちを忘れなければ、夢は必ず現実となる。ごらん、これがネバーランドだよ…!」目の前の景色が一気にファンタジーへと変化する瞬間、そこにまぎれもない“夢の楽園”が出現するのだ…!(はっきり言ってラストシーンよりこっちの方が泣けると思うんだが…って結局泣いてるやん!)
唯一残念なのはダスティン・ホフマンがほとんど目立っていないという事だろうか。あまりドラマにも絡んでこないし、ちょっともったいないなあ。