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映画『エクソシスト』衝撃の真実!

エクソシスト』のDVDは現在いくつかのヴァージョンが出ているが、僕の手元にあるのは25周年記念として発売された特別版である。

特典映像として98年に製作されたBBCのドキュメンタリー番組「The Fear of God」が丸ごと収録されており、資料的価値は非常に高い。監督や原作者やスタッフ・キャストのインタビューの他に、カットされたシーンや別エンディングの収録など大変内容が充実していてありがたい。

1971年ウィリアム・ピーター・ブラッティは“実際の事件を元にした”と言われる恐怖小説『エクソシスト』を出版し、国内だけで1300万部を売り尽くした。そして1973年に公開された映画は興行収入1億6千5百万ドルの大ヒットを記録し、全世界を恐怖のどん底に叩き込んだのである。

当時の反応はまさに異常とも言えるもので、各地の劇場で失神者や嘔吐する観客が続出し、ついには妊婦が流産したというとんでもない噂まで流れたほどだ。

イギリスやフィンランドでは未成年者の視聴を自粛させる運動が巻き起こり、とうとうビデオを発禁にしてしまった。

またチケット売り場には「ご覧になるのはお客様の自由ですが、本当の悪魔の恐ろしさを思い知る事になります!」という注意書きまで貼り出される騒ぎとなった。

カリフォルニアでは悪魔を捕まえようとした男がスクリーンに体当たりして気絶し、トロントでは多数の女性が視聴後に心身に異常をきたしたと新聞で報じられた。

さらにシカゴの精神科医は「観客がこの映画を見てトラウマを受ける事は間違いないだろう」と論文を発表。挙句の果てには「毎日毎日、観客のゲロを掃除するのはもう我慢できない!」と映画会社を訴える劇場関係者まで現れる始末であった。

このように映画公開後の反応は製作元のワーナー・ブラザーズも驚くほど凄かったのだが、撮影中の現場はもっと凄まじかったらしい。

監督のウィリアム・フリードキンは悪魔のパワーで温度が下がる様子を表現する為に、セットの中へ16台の業務用大型冷却装置を持ち込み、室温を常時0度に保つよう指示した。この為スタッフは防寒着無しでは身動きも出来ず、メリン神父を演じたマックス・フォン・シドーは顔が凍りつき口が開かなくなってしまったのである。

また、リーガンを演じたリンダ・ブレアは薄着で震えながら演技を続けなければならず、ベッドが跳ね上がるシーンでは体に付けたハーネスが肉に食い込み激痛で何度も悲鳴を上げた。さらに母親役のエレン・バースティンは倒れるシーンを撮影した際ワイヤーで本当に引き倒され、背骨を強打し病院に通う羽目になってしまった。

しかし一番酷い目に遭ったのはカラス神父役のジェイソン・ミラーだろう。なんとNGを出したら監督がいきなり至近距離からショットガンをぶっ放したのである!

驚いて抗議したが全く聞き入れてもらえず、その後何度も銃を撃たれたそうだ。もちろん人に当たらないように天井を狙ったらしいが、ジェイソン・ミラーは「あの時は怒りで気が狂いそうになったよ」と後に供述するほど、精神的に大きなダメージを受けたらしい。

このような監督の奇行は撮影が進むに連れてどんどん酷くなり、関係者によると「完全に狂っていた」とのこと。あるシーンでは、「怖がるシーンにリアリティがない」という理由で、演者の顔を平手で何度も何度も殴ったという。

殴られた人は恐ろしさのあまり震え上がり、それを見た監督は「いいぞ!実にリアルな表情だ!」と大喜びしたそうだ。もちろん、撮影のためとはいえ、こんな行為が許されるはずがない。しかし現場に溢れる異様な緊張感がそのまま映画に反映されたからこそ、あれほど真に迫った恐怖シーンが撮れたとも言えるだろう。

ちなみに2000年には未公開シーンを追加した”ディレクターズカット版”の劇場公開が予定されていたが、封切り2日前に突然の公開延期という前代未聞のアクシデントが発生!関係者は対応に追われ、公式サイトにはファンが殺到するなど大騒ぎになった。

監督のコメントでは「フィルムに不備が見つかったから」という事だったが、実際にはディレクターズカット版の公開そのものが気に入らなかったらしい。25年以上経っても作品に対するこだわりの姿勢は変わってないんだなあ(笑)。


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