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川村元気が語る『君の名は。』大ヒットの秘訣とは


現在、全国で大ヒットしている新海誠監督の最新作君の名は。興行収入が、ついに200億円を突破したそうです。興収が200億円を超えた邦画作品は、2001年の『千と千尋の神隠し』(宮崎駿監督)以来、なんと15年ぶりという快挙であり、改めて「すごい!」と言わざるを得ません。

5日には『ハウルの動く城』の196億円を突破し、邦画歴代2位の新記録が伝えられたばかりですが、8月26日の公開から9週連続で興収1位を獲得し続け、公開開始から102日で観客動員1539万人、興収200億618万8400円(12月5日時点)と、またもや邦画史に残る金字塔を打ち立てたわけですな。

しかも日本だけじゃなく、アメリカで開催された『第42回ロサンゼルス映画批評家協会賞』ではアニメ映画賞を受賞。これは「アカデミー賞の前哨戦」としても注目されており、実際に2002年にこの賞を獲得した『千と千尋の神隠し』は、2003年のアカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞しました。

また、大手映画批評サイト「Rotten Tomatoes」でも97%(5日時点)という高評価を獲得しており、11月24日から公開が始まったイギリスでは「The Guardian」、「EMPIRE」、「The Telegraph」の3誌がそろって5つ星の最高点を与えています。

さらに、今月2日から公開された中国でも、週末興行ランキング1位、公開初日の興収が7596.5万元(約11.3億円)、週末3日間で約2.8億元(約42億円)という驚異的な数値を叩き出し、中国で封切られた日本映画としては最高記録を樹立するなど、海外でも高い評価を得ているらしい。

ただし、このような大ブームについて新海誠監督は「なぜこんなにヒットしているのか、さっぱり分からない」「今回はたまたま今の若い人たちが求めている巨大な需要にマッチしただけで、幸運やタイミングがうまく重なった結果でしょう」と困惑している様子。

一方、『君の名は。』でプロデュースを務めた川村元気さんは、ヒットの理由を冷静に分析しているようです。川村元気さんと言えば、細田守監督と組んだ『おおかみこどもの雨と雪』や『バケモノの子』、さらには『告白』『悪人』『怒り』『モテキ』『バクマン』など、話題作・ヒット作を数多く手掛ける敏腕プロデューサーとして近年評価が高まっていますが、本作にはどのように関わったのでしょうか?以下、インタビュー記事より↓

例えば、新海さんなら彼のやりたい物語の要素がたくさんあるんです。その流れが悪くなっているところを切ったり入れ換えたりする、という作業です。


新海さんに後からお礼を言われたのは、主人公の二人が入れ替わったことを(観客に)どのぐらい分からせるか分からせないか、という打ち合わせをしていた時、僕が「ギリギリ観客が追い付かないぐらいのスピードでやろう」と言ったらしいんですよ。憶えてないんですけど。


出だしから置いていって置いていって、奥寺先輩とデートのときに入れ替わりが起きずに瀧君がデートに行っちゃって、「私なんで泣いてるんだろう?」という三葉のシーンで、初めて観客が追い付く。そこで登場人物と同じ気持ちになるように設計しました。こうすると、観客が必死にのめり込んで付いてきてくれるという、いい作用も起きるんです。


といっても、作っているときはそこまで意識的ではなく、感覚的だったんですけど。観客の理解と同じスピードで進むものは面白くないんですよ。しかし、早すぎるとわからないから、感情移入が落ちる。遅いと退屈に感じる。どこを取ればいいんだろう?というのはずっと考えています。 (「週刊文春エンタ!」より)

川村元気プロデューサーによると、映画は「ギリギリ観客が追い付かないぐらいのスピードで展開させること」が、物語にのめり込ませるコツらしい。実際、新海監督が書いた最初のシナリオでは、尺が2時間近くもあったのに、川村さんの指示に従ってテンポアップした結果、107分に縮まったそうです。

さすが「稀代のヒットメーカー」と言われるだけありますが、川村プロデューサーとしては自分の好みを押し付けるのではなく、「他人のフェティッシュや作家性をどれだけ歪な形で残しながら、テンターテインメントの作法に則ったものを作るか」にこだわっているという。

例えば『君の名は。』では、「口噛み酒」や完璧すぎる奥寺先輩のキャラクターなど、「新海さんのフェティッシュが出過ぎちゃっているところを、逆に落とさないように気を付けました。新海さんの内側から出て来るものの味をなるべく薄めず、より良い並びに構成したかったんです」とのこと。

今まで新海誠作品の興行成績は、最大でも1億5000万円程度しかなかったのですが、『君の名は。』で一気に200億円を超えました。それはもしかしたら、川村プロデューサーと組んだおかげで、新海監督がもともと持っていた独特の作家性を、より多くの観客へ届くように上手くブラッシュアップできたからなのかもしれませんね。


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