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映画『LUCY/ルーシー』最後はどうなった?ネタバレ感想/評価

■あらすじ『台北のホテルでマフィアの闇取引に巻き込まれてしまったルーシー(スカーレット・ヨハンソン)は、体内に新種の麻薬が入った袋を埋め込まれ、運び屋として利用されてしまう。ところが、袋が破れて謎の物質が体内にあふれ出し、彼女の脳に異変が発生!脳科学の権威ノーマン博士(モーガン・フリーマン)とコンタクトを取るべくパリへと向かうルーシーだったが、脳の覚醒は留まるところを知らず、彼女はとてつもない能力を身に付けていく…。「レオン」「ニキータ」のリュック・ベッソン監督が贈るヒロイン・アクション超大作!』



本日、WOWOWシネマ『LUCY/ルーシー』が放送される。『トランスポーター』シリーズとか『96時間』シリーズでは「製作・脚本」のみで参加していたリュック・ベッソンが自ら監督した映画である。過去にアンヌ・パリローナタリー・ポートマンミラ・ジョヴォヴィッチなど、好みの女優が出演している作品は自分で監督していることから、今回はスカーレット・ヨハンソンを撮りたかったんだろうなあ。

ストーリーの方も「いつも通りのリュック・ベッソン」という感じで安定したレベルの低さをキープしており(笑)、一言で言えば「ムチャクチャな映画」なんだけど、「一周回って面白い」って感じだった。中途半端に酷いのではなく、突き抜けたデタラメさが観る者を圧倒しまくり、最終的にはある種の清々しささえ漂わせているのが逆にすごい。

この映画は、『マトリックス』や『トランセンデンス』や『her/世界にひとつだけの彼女』など、いわゆる”電脳世界系”の映画と良く似ていて、主人公は麻薬で脳の機能を100%覚醒させた結果、最終的に身体が消滅し、ネットと融合してしまうのだ。

映画のラスト、「彼女はどこへ行った?」と尋ねる刑事の携帯電話へ「至る所にいるわ」と”意識だけ”の存在になったルーシーが返答する場面は、「ネットは広大だわ」と呟く『攻殻機動隊』のラストシーンを彷彿させる。


その他にも『AKIRA』、『2001年宇宙の旅』など、色んな映画に似た場面があるんだけど、一番似ているのはブラッドリー・クーパー主演のリミットレスじゃないだろうか。

リミットレス』のあらすじは、「主人公がヤクの売人から”NZT-48”という特殊なドラックを手に入れ、それを飲んだら普段は20%しか使われていない脳の機能が100%活用できてしまう」という感じで、『ルーシー』のプロットとほぼ同じなのだ(『リミットレス』のレビューはこちら↓)。
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ただし、『リミットレス』は「単に主人公の頭がもの凄く良くなる」という程度の効果しかないのに対し、『ルーシー』の場合は頭が良くなるのはもちろん、自分の肉体も自在に変化させ、電波や電子機器さえも操り、最終的には「人類を超越した何か」に変貌を遂げる点が壮大だ。

50% → 60% → 70%と脳の機能を覚醒させていくに従い、どんどん人間離れした超能力を発揮し始めるルーシー。しかし、念動力みたいなパワーを使えるのはいいとしても、自分の細胞を変化させて手をもう一つ増やすとか、妖怪じみた能力はいったい何なのか?

また、ルーシーの脳が凄まじいスピードで思考できるようになったとしても、どうして既存のパソコンの処理速度まで上がっているのか?いくらなんでも、あんな早さで画面は切り替わらないだろう(そこは突っ込んだら負けなのかもしれないがw)。

まあ、この作品はスーパーウーマンと化したスカーレット・ヨハンソンの活躍ぶりを楽しむためだけの映画なので、クスリをキメた時の無双状態が面白ければそれでいいんだろう。本当に無敵で笑えるほどに強く、最後は口から光線まで吐いちゃう(笑)。


また、韓国人マフィアのボス:Mr. チャンを演じているチェ・ミンシクもいいキャラだった。『オールド・ボーイ』や『悪魔を見た』などのキレた演技は本当に凄まじかったが、本作のMr. チャンも負けず劣らず恐ろしい。

クライマックスでは派手な銃撃戦も見せてくれるし、他にも床を滑りながらM136AT4対戦車無反動砲を撃つ部下など見どころ満載。全体的に中二病テイスト全開なのが素晴らしい。



そして脳を100%活性化させたルーシーは、時間や空間すら飛び越え、最後は宇宙の起源にまで辿り着く。このラスト10分は「今、何の映画観てるんだっけ?」とワケが分からなくなるぐらいブッ飛んでいて笑える。ストーリーの整合性は微塵も無いが、とにかくスケールだけは無駄にデカい。そこがこの映画の魅力と言えるだろう。


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