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名作・傑作・おすすめ ランキング!アニメ映画ベストテン


『男の魂に火をつけろ!』さんのブログで毎年開催されている年末恒例行事に「自分の好きな映画やおすすめ映画をベストテン形式で選出する」という企画がありまして、今年のテーマは「アニメ映画」に決まったそうです。ワッシュさんが実施しているこの企画は映画ファンの間で人気が高く、当ブログも数年前から参加させていただいているのですよ。

「男の魂に火をつけろ!〜アニメ映画ベストテン〜」

ただ、毎年「SF映画」とか「ホラー映画」とか違うテーマで選ぶんですけど、毎回「どの映画を入れるべきか?」と頭を悩ませてるんですよね。今年は「アニメ映画ベストテン」ということですが、一口に「アニメ映画」と言ってもジャンルが広いし、逆に名作や傑作と呼ばれるアニメは票が偏りそうだし(ジブリ好きな人が選んだら、宮崎作品だけですぐに10本埋まっちゃうんじゃないの?とか)。いつも通り悩みまくりな状態に(^_^;)

そこで今回、自分の中で「映画館で観た」または「DVD(ブルーレイ)を買っている」という基準を設け、この条件に該当する作品の中から選出することにしました。好きだけどソフトを買っていないアニメに関しては”そこまで思い入れが無い”と判断し、基本的に除外しています。それでは早速いってみましょう(^O^)/


●第1位『王立宇宙軍 オネアミスの翼
色々考えた結果、1位はやっぱりこれかな〜と。当時、劇場で観た時は本当に衝撃を受けました。「主人公がロケットに乗って宇宙を目指す」という、ジャンル的には一応”SF映画”なんですが、驚くべきはそのオリジナリティです。なんせ他に類似のアニメが見当たらない!

”宇宙軍”に在籍しているくせに、「敵の宇宙人と戦う」わけでもなければ、「愛が世界を救う」わけでもなく、ただひたすら、そこで暮らす若者の日常を淡々と描いているだけ。でもそれが逆に斬新で、公開から30年近く経っているにもかかわらず、いまだに時々ソフトを引っ張り出して観るぐらい飽きません。

また、映像的にも見どころ満載で、当時”史上最高”と謳われたハイレベルな作画技術が全編に渡って炸裂しています。中でも特筆すべきは、クライマックスのロケット打ち上げシーン。ロケットが発射する瞬間、表面に付着した氷が剥がれて地面に降り注ぐ。この場面で描かれている大量の氷の破片はCGではなく、なんと全部手描きなんですよ。

この大変な作画を担当したのが、後に『新世紀エヴァンゲリオン』で大ヒットを飛ばす庵野秀明監督です。当時、エフェクト・アニメーターとして名を馳せていた庵野氏は、”氷の破片”以外にも戦闘機のアクションや爆発シーンなどで優れた手腕を存分に発揮し、全国のアニメファンの度肝を抜きました。1枚1枚丁寧に描き込まれた破片を見るだけで、「どれぐらい時間が掛かったんだろう…」と気が遠くなりますよ(^_^;)

なお、庵野さんは先日開催された第27回東京国際映画祭に出席した際、「今改めて見ても(自分自身の)アニメーターの技術としては『王立宇宙軍』が最高峰だと思う。今はもうアレは描けない」とコメントしていましたが、その言葉が示す通り、もはや”誰も描けない”驚異的なアニメーションと化しています。

そして監督・脚本は当時24歳だった山賀博之氏。庵野秀明赤井孝美ら他のスタッフも全員20代前半で、しかも過去の実績は8mmフィルムで撮った自主制作アニメのみ。そんな素人同然の連中が、いきなり総予算8億円の劇場用長編アニメを作るなんて「いったいどんな超常現象が起きたんだ?」と今でも不思議でなりませんが(笑)、色んな意味で凄いアニメだと思います。


●第2位『天空の城 ラピュタ
これはもう説明不要の大傑作ですね。「良い点はどこか」というよりも、「ダメな点がほとんど見当たらない」と評した方が正しいんじゃないでしょうか。それぐらい大好きな作品です。もちろん『ナウシカ』や『トトロ』なども大好きなんですが、その辺まで含めると宮崎アニメだけでほとんど埋まってしまいそうな気がしたので(笑)、今回は出来るだけ同じ監督の作品は被らないようにしました。


●第3位『ルパン三世 カリオストロの城
と言いつつ、早くも『カリオストロの城』を選んでしまってるんですけど(笑)。いや〜、つい先日デジタルリマスター化された『カリオストロ』を劇場で観たばかりなんですよ。だから印象が強く残っていたのかもしれません。敢えて説明することもないので「もうキャラもストーリーも全てがサイコー!」とだけ言っておこう(笑)。ちなみに、「こんな古いアニメをリバイバル上映したってあまり客は入らないんじゃないの?」と思いながら映画館へ行ったら、ほぼ満席状態で驚きました。名作は何年経っても人気があるんだなあ(^.^)


●第4位『機動警察パトレイバー2 the Movie
エンタメ度の高さで選べば、たぶん劇場版の1作目(『パト1』)の方に軍配が上がるでしょう。もちろん1作目も大好きでソフトも買いました。でも個人的には押井守監督作品の中では『パト2』が”ベストのバランス配分”だと思っています。これ以降の『攻殻機動隊』や『イノセンス』では世界観を掘り下げることに注力しすぎて、物語とのバランスが取れていない。というより、単純に映画として”退屈”なんですよね(いや、『イノセンス』も好きなんですがw)。

しかし『パト2』はサスペンスの緊張感が最後まで持続し続け、観客に退屈する暇など与えません。それどころか、今観ても一級のポリティカル・フィクションとして恐ろしいほどのクオリティを誇っています。押井守が生み出す独特の世界観と、説得力溢れる描写に裏打ちされた圧倒的なドラマ性。本作は、その両方が見事なバランス感覚で融合した至高のアニメーション作品だと思います。


●第5位『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙』
1作目や『哀・戦士』ももちろん好きなんですけど、数が重複するので一番好きなこれを入れました。富野由悠季監督作品としては『逆襲のシャア』や『伝説巨神イデオン接触編・発動編』などと並んで高評価されているものの、やはり初代の『ガンダム』が自分の中では揺ぎ無い名作です。


●第6位『AKIRA
内容的には少々アレな感じですが(笑)、本作の凄さはやはり”革新的なヴィジュアル”でしょう。10億円もの製作費を掛けた上に、ビデオ化の際にはさらに1億5千万円の追加予算を投じてリテイクしたというのだから尋常じゃない。その驚異の作画技術によって生み出された、大友克洋監督の執念が宿る究極の映像美を見よ!CGが本格的に導入される以前の”アナログ時代”に制作されたアニメの中では、まさに破格の完成度と言えるでしょう。特に「乗りたいか、鉄雄ォ!」という金田のセリフから始まる壮絶なバイクチェイスは何度観ても素晴らしい。


●第7位『劇場版 銀河鉄道999
もはや不朽の名作。最初から最後まで名台詞・名シーンの連続で、「日本中の小中学生が感動の涙を流した」との謳い文句も、あながち大げさではないかもしれない(笑)。「私は貴方の、思い出の中にだけいる女。私は貴方の、少年の日の心の中にいた青春の幻影…」というメーテルのセリフから、「今、万感の思いを込めて汽笛が鳴る…」のナレーションを経てゴダイゴの主題歌へと繋がるラストシーンに至っては、あまりにも完璧すぎてもはや神の領域に達しています(笑)。

銀河鉄道999
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) (2009-09-09)


●第8位『劇場版新世紀エヴァンゲリオンシト新生/DEATH & REBIRTH』
衝撃的な最終回を迎えたテレビ版『新世紀エヴァンゲリオン』は、投げっ放しになっていた伏線や謎を回収するため、放送後に「第25話と第26話(最終話)を劇場用に作り直す」と発表されました。ところが、製作スケジュールが遅れに遅れ、公開日までに間に合わないという非常事態が勃発。なんと、公開1ヶ月前に緊急記者会見が開かれ、庵野秀明監督自身が「映画が完成しなくてすみません!」と謝罪するなど、前代未聞の状況に陥ったのですよ。

結局、「とりあえず完成しているところまで公開しよう」ということになり、TV版の第1話から第24話までをまとめた『DEATH編』と、第25話のリメイク版『REBIRTH編』の同時上映になったものの、『REBIRTH編』は未完成状態で前半の28分のみ。アスカが操縦するエヴァ弐号機の真上を量産型EVAシリーズが旋回する場面でいきなり主題歌「魂のルフラン」が流れるラストシーンは、「ここで終わりかよ!」と突っ込まざるを得ませんでした。

でも、個人的にはこの終わり方が大好きで、次回作への期待を煽るという意味では最高の”引き方”だと思います。残念なことに、『REBIRTH編』の内容が『Air/まごころを、君に』と重複するため、現在発売中のDVDには収録されてないんですよね(だから余計に「劇場で観れて良かったなあ」という感が強い)。実際に当時を体験した人にとっては、この映画(春エヴァ)と完結編の『Air/まごころを君に』(夏エヴァ)は本当に”ある種の事件”であり、「アニメ史に残る伝説だった」と言えるんじゃないでしょうか(『新劇場版』も確かに面白いんだけど、ここまでの”事件性”は無かったと思う)。


●第9位『マクロスプラス MOVIE EDITION』
超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』とどっちにしようか迷ったんですが、敢えて評価の低いこちらを選んでみました(笑)。本作は、元々OVAだった『マクロスプラス』を劇場用に再編集したもので、『超時空要塞マクロス』との直接的な繋がりはありません。ただ、内容は「歌」「メカアクション」「恋愛」という『マクロス』シリーズにおける3つのお約束をしっかり踏襲し、ハイレベルな作画技術とCGが融合した見事な映像と相まって、シリーズ屈指の高密度ヴィジュアルを生み出しています。

中でも、メカ作画監督板野一郎が描き出す超絶的なミサイル・アクションは、「手描きアニメの頂点を極めた」と評しても全く過言ではないほどの凄まじさ!クライマックスでは、動体視力の限界を超越した渾身の板野サーカスが画面を覆い尽くさんばかりの勢いで炸裂します。大量のミサイルが糸を引きながら猛スピードで空間を駆け巡るバトルシーンの、なんたる躍動感とド迫力!これぞアナログアニメの真骨頂だ!


●第10位『プロジェクトA子
色々選んでみた結果、なんとなく定番作品ばかりになってしまったような気がするので、最後は少し異質なアニメをチョイスしてみました(笑)。いや、これって何の予備知識も無しで観に行ったら意外と面白かったので、その後ソフトも買っちゃったんですよ(当時はレーザーディスクだった)。言うまでもなく、ジャッキー・チェンの『プロジェクトA』とは何の関係もありません(^_^)

本作はA子・B子・C子という三人の女子高生が繰り広げるハチャメチャな大騒動を描いたSFメカアクション学園コメディです。TVアニメの『うる星やつら』などでパロディをやりまくっていたスタッフ(西島克彦森山ゆうじ等)が集結し、パロディだけで1本映画を作ってしまったような出鱈目さが痛快でした。

明るく能天気なストーリー展開や、「時代は今、天下無敵の女子高生!」という力強いキャッチコピーも含めて、形容し難いパワーに満ち溢れた快作ですね。「池田秀一が女性キャラを演じた唯一の作品」という点もマニアには見逃せないポイントかも(笑)。とにかく、80年代のオタク文化を語る上で欠かせない1作と言えるでしょう。

ちなみに、当時『天空の城 ラピュタ』を製作中だった宮崎駿監督は記者会見の席上で、「セーラー服を着た女子高生がミサイルをぶっ放すような品の無いアニメなんか作っていてはダメ!絶対に!」とコメント。この発言を聞いた西島克彦監督は「営業妨害だ!」と激怒したらしい(笑)。

というわけで、自分なりに「アニメ映画ベストテン」を選出してみたんですが、案の定、作品のチョイスに苦労しましたよ。『風の谷のナウシカ』、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』、『時をかける少女』、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』』、『あしたのジョー2』、『妖獣都市』、『パーフェクトブルー』、『東京ゴッドファーザーズ』、『人狼 JIN-ROH』、『幻魔大戦』など、他にも取り上げたいアニメはいっぱいあったのに〜!ハッ、しまった!ディズニーとピクサーが一つも入ってなかった!まあ、いずれ機会があれば記事にしたいと思います(^.^)


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