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アンジェリーナ・ジョリー主演映画『ウォンテッド』ネタバレ感想


■あらすじ『仕事もプライベートも全く冴えない青年ウェスリー(ジェームズ・マカヴォイ)。職場では上司に苛められ、同棲中の恋人は平気で他人とSEXしまくり、おまけにパニック障害で一日中薬を手放せないという酷い有様。そんな彼の前にある日、「貴方の父親は凄腕の暗殺者だったのよ」と語る謎の美女フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)が現われた。その直後、ウェスリーは何も事情が飲み込めぬまま激しい銃撃戦に巻き込まる。やがて、彼女にある集団のもとへと案内されるウェスリー。彼らはギリシャ神話の時代から神に代わり、<運命の意志>を実践してきた“フラタニティ”という秘密の暗殺組織で、その一員だったウェスリーの父は敵に殺されてしまったのだという。さらに自分が暗殺者の素質を受け継ぎ、組織の王位継承者でもあると知らされたウェスリーは、父の復讐を誓い、その宿命を受け入れることを決意。こうして彼は、暗殺者としての潜在能力を覚醒させるため、フォックスの下で特訓を受けることになった。果たしてウェスリーはクロスを倒し、父の敵を討つことができるのか!?マーク・ミラー&J・G・ジョーンズによる人気グラフィック・ノベルを「ナイト・ウォッチ」のティムール・ベクマンベトフ監督がスタイリッシュに映像化。オスカー女優アンジェリーナ・ジョリーと「つぐない」のジェームズ・マカヴォイが規格外の銃撃戦を繰り広げる痛快エンターテインメント超大作!』



本日、土曜プレミアムにてアンジェリーナ・ジョリー主演のアクション映画『ウォンテッド』が放映される。ただ、いきなりぶっちゃけると本作の主人公はアンジーじゃなくてジェームズ・マカヴォイだ。公開当時はアンジーの人気が高かったので、アンジーを中心に宣伝していたらしい(というかジェームズ・マカヴォイは今でも日本での知名度は高くないけどw)。

さて、『ウォンテッド』がどんな映画なのか一言で言うと、派手なCGとアクションを駆使して描く、荒唐無稽なハリウッド超大作である。ただし、単なるエンタメ作品と異なるところは、本作が『マトリックス』の資質を正統に受け継いだ”由緒正しいボンクラ・アクション・ムービー”であるという点だろう。すなわち、「今の自分はダメなサラリーマンだけど、こんなのは本当の姿じゃない!僕には凄い力が眠っていて、いつか世界を救うんだ!」という中学生レベルの妄想を真面目に具現化した映画なのである。

特筆すべきは、ジェームズ・マカヴォイ演じる主人公ウェスリーの、尋常ならざるヘタレぶり。なんせこの主人公ときたら、映画冒頭から延々と日常生活の不平不満を垂れ流し、やれ「上司がウザい」だの、「仕事がつまんねえ」だの、「給料が安い」だの、文句ばっかり言い続けているのだ。

おまけに、自分の親友に彼女を寝取られていることを知っているにもかかわらず、事態を解決しようともせずにそのままダラダラと日常を継続している無気力ぶり。キアヌ・リーブス演じるトーマス・アンダーソンとは比較にならないぐらいの、まさに非の打ち所の無いダメ人間である、トホホ。

そんな”ダメダメ・オーラ”を全身から発しまくっていたウェスリー君であったが、ある日を境に人生が一変する。彼を日常から非日常へと連れ去る重要な役割を担う人物(『マトリックス』ではトリニティ)が、アンジェリーナ・ジョリー演じるフォックスだ。

二人が出会うシーンは、違う意味でちょっと凄い。薬局で持病の薬を買うためにレジで並んでいたウェスリー君。その時何気なく隣を見ると、なんと普通にアンジェリーナ・ジョリーが立っているのだ。しかも満面の笑みを浮かべて。これは怖い!いや、いくら美人とはいえ、あの顔がいきなり出てきたらハンパなく怖いと思うぞ(笑)。

更にその直後、突然凄まじい銃撃戦が始まり、カーチェイスに巻き込まれるのだから、ウェスリー君でなくても涙目になって命乞いするのは当然といえよう。このシーンでも彼の惚れ惚れするようなヘタレ気質は存分に発揮されております。

アンジェリーナ・ジョリーに拉致された後も、彼の受難は更に続く。椅子に手足を縛り付けられボコボコに殴られたり、でかいナイフで切り付けられたり、全身血だらけアザだらけ。でも、”謎の温泉”に一晩浸かると、あっという間に傷が回復!さすがギリシア時代からの秘密組織、便利な設備があるもんだ(ってスーパーサイヤ人か!)

さて、この映画の見所はもちろんカーチェイスなどの派手なアクションシーンなんだけど、個人的にはガン・アクションが一番楽しめた。しかも本作は、『ボーン・アイデンティティ』みたいなリアル系ガン・アクションではなく、『マトリックス』や『リベリオン』に代表されるスタイリッシュ・ガン・アクションなのである。いや〜、個人的にこういうの好きなんだよねー(最近ほとんど見かけないけど)。

中でも最大の特徴は、フラタニティの暗殺者たちが駆使するオリジナルの銃撃術「弾道曲射」だ。彼らが持っている銃の薬室や銃身には、通常彫り込まれているはずの螺旋状の溝が無い。この溝は腔線(ライフリング)と呼ばれ、銃身内で加速される弾丸に旋回運動を与えることでジャイロ効果が発生し、それによって弾軸の安定を図り、弾丸の直進性を高めている。

だがライフリングが無ければ、当然弾道は安定しない。そこでこの”ライフリング・レス”の銃を撃つ瞬間に、テニスのショットを打つ時のように手首を捻ると特殊な回転が加わり、弾丸は直線ではなく曲線を描き、障害物を回避して標的に当たるというわけだ。

説得力があるような無いような微妙な理屈だが、画面で見ると確かにかっこいい。銃を撃つときに腕をブンブンと振り回しながら乱射する姿が舞を舞っているようで、他のガン・アクションとは一味違った面白さを生み出している。

更にクライマックスでは、完全に覚醒したウェスリー君のスーパー・ガン・アクションが大炸裂!「うおおおお!」と雄叫びを上げながら窓ガラスをぶち破り室内に突入したウェスリー君は、全速力で走り抜けながら両手に構えたハンドガンを辺りかまわずぶっ放す!銃弾を受けた敵連中は次々と吹っ飛び、血しぶきと埃と薬莢が舞い上がる!

さらに弾が尽きると敵の銃を素早く奪い取り、一瞬たりとも休むことなくひたすらドカドカ銃を撃ち続けるのだ。ナイフで襲い掛かってくる敵に対しても、ナイフを避けながら超至近距離から銃を撃つという凄まじさ(あっ、『ガン=カタ』だ!)。とにかくもう撃って撃って撃ちまくる、ガン・アクションファン興奮間違い無しの名シーンといえよう。スゲー!スゲーよジェームズ・マカヴォイ

一方、ストーリーや各種設定はかなりぶっ飛んでおり、好き嫌いがはっきりと分かれると思う。フラタニティという組織がそもそもどういう集団なのか、暗殺指令はどこから来ているのかなど不明な点が多いし、アドレナリンの分泌をコントロールすることによって常人の数倍のパワーを引き出せるといっても、ビルからビルへ飛び移ることなど可能なのか?など、ツッコミどころを挙げればきりが無い。

この辺はもう、「原作がマンガだから」ということで割り切って観るしかないんだろうね。監督のティムール・ベクマンベトフ(名前がややこしい!)は、『ナイト・ウォッチ』や『デイ・ウォッチ』でも”ビルの側面を車で走らせる”などのムチャなビジュアルを連発していたので、こういう世界観に馴染めない人には全く受け入れられない映画かもしれない。

しかし、本作の”車の上を回転しながら飛び越え標的を射殺する”という超絶カーアクションも、『デイ・ウォッチ』に比べれば「かなりまとも」だと言える(少なくとも重力の法則には逆らっていないのでw)。

総合的な評価としては、物語は分かりやすいしテンポもいいし、『ナイト・ウォッチ』→『デイ・ウォッチ』と続けて観てみれば、面白い部分だけがパワーアップしたような感じで、個人的には非常に楽しめた(これはもう、好みの問題ですな〜)。 あと、内容はシリアスなんだけど、全体的にユーモアが漂っているところも好きなポイントかなと。

キーボードを使ったギャグを入れたり、トボけたキャラクターがいたり、ノリが軽いところもいい感じ(モーガン・フリーマンもねw)。というわけで、中坊魂全開のハッタリ・アクション・ムービー『ウォンテッド』、ボンクラ映画ファンには必見の作品であると断言しよう!

ちなみに、ジェームズ・マカヴォイの日本語吹き替えを担当したのはタレントのDAIGOさんなんだけど、あまりにもヘタクソな演技に批判が殺到したらしい。その反応を見たDAIGOさんのツイートがこちら↓

結構ショックを受けてるみたい(^_^;)


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