ひたすら映画を観まくるブログ

映画やアニメについて書いています

デンゼル・ワシントン『サブウェイ123 激突』ネタバレ感想


■あらすじ『主人公ガーバーはNY地下鉄運行司令部で働いている平凡な地下鉄職員。ある日、1台の電車が緊急停車し、1両だけ切り離されるという非常事態が発生。無線連絡すると、ライダーと名乗る男が19名の人質をとり地下鉄をジャックしたことを知る。1000万ドルをNY市長に用意させるよう要求する犯人グループは、なぜかガーバーを交渉役に指名。残り時間は59分。果たして身代金は届くのか。人質の救出は?そして犯人の真意とは!?』


本日、水曜プレミアシネマで『サブウェイ123 激突』が放映されます。本作は、『クリムゾン・タイド』、『マイ・ボディガード』、『デジャヴ』と過去に何度もコンビを組んできたデンゼル・ワシントントニー・スコット監督の、なんと4作目のコンビ映画です。残念ながら、コンビ5作目の『アンストッパブル』はトニー・スコット監督の遺作となってしまいましたが、よっぽど二人の相性が良かったんでしょうねえ。

さてこの映画、映像的にはまさに「いつものトニ・スコ節」という感じで、オープニングからいきなりチャカチャカ・グルグルと画面が激しく動きまくりのブレまくりです。う〜ん、慣れたとは言え、やっぱり目にクルなあ。前作の『デジャヴ』あたりからだいぶマシになりましたが、その前の『ドミノ』を観た時には死ぬかと思いましたよ、いやマジで。

実際、『ドミノ』を映画館で観た際、僕の前の席に座っていたオバサンは気分が悪くなったらしく途中退席していました。「スタイリッシュ」かどうかはともかく、長時間観ていると確実にバッド・トリップしそうです(笑)。まあ、本作は『ドミノ』ほどではないので、普通に観ている分には全然問題ありませんけどね。

一方、内容的には「可も無く不可も無く」と言ったところでしょうか。ラストまでダレることなくサクサクと話が進んでいくし、デンゼルの演技は相変わらず巧いし、嬉々として悪党を演じるトラボルタも乗りまくっています(『ソード・フィッシュ』の頃からあまり役作りに変化が見られないような気もしますが)。二人の演技派俳優が繰り広げる、緊張感溢れる会話シーンの数々が実に素晴らしい。

逆に、サスペンス映画としての出来栄えに関しては、ちょっとイマイチな感じがしました。「頭脳明晰な犯人が地下鉄を舞台にあっと驚く完全犯罪を実行する」のかと思いきや、意外と犯行計画が穴だらけなんですよ。むしろ、あの程度の作戦にまんまと引っかかってしまう警察組織が「相対的にバカっぽく見える」という悲惨な結果になっているのがツライ。無駄に派手なカークラッシュ・シーンも、単に警察のアホさ加減を強調しているだけとしか思えません(パトカーが大破するシーンって必要?)。

なんか、『クリムゾン・タイド』 → 『マイ・ボディガード』 → 『デジャヴ』 → 『サブウェイ123』と進むにつれて、どんどん映画が「軽く」なっているような気がするんですけど、気のせいでしょうか?エンターテインメント的には「軽い映画」=「ダメな映画」というわけではなく、むしろこちらの方が分かりやすくて万人受けはするでしょう。しかし、もう少し考えさせる”何か”があっても良かったような気もします。

あと、やたらと”おっさん指数”が高いのもどうなのかと(笑)。見事なまでに男性キャラしか出てきません。いやまあ、この映画に女性キャラは必要無いっちゃ必要無いんですが、まさかここまで画面に”華が無い”とは思いませんでした(^_^;)


●人気記事一覧
これはひどい!苦情が殺到した日本語吹替え版映画ワースト10
まさに修羅場!『かぐや姫の物語』の壮絶な舞台裏をスタッフが激白!
日本映画のレベルが低くなったのはテレビ局のせい?
町山智浩が語る「宮崎アニメの衝撃の真実」
「映像化不可能」と言われている小説は本当に不可能なのか?


このブログについて(初めての方はこちらをどうぞ)
トップページへ