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『風立ちぬ』宮崎駿監督インタビュー


赤旗」の日曜版に宮崎駿監督のインタビューが乗っていたので抜粋してみます。

ゼロ戦は神話化されて、ぼくも子供時代、さんざんそれにのせられた。でも戦記の戦果なんて事実誤認だらけ。やたら誇りにしたり、これをネタに稼ぐ人がいたりして不愉快なんです。だから堀越二郎を神話から取り戻そうと思った」

宮崎監督が実在の人物をモデルに映画を作ったのは今回が初めて。武器である戦闘機を作った人物をどう評価するか。主人公の二郎には「自分の父親も混ざっている」と言う宮崎監督。父親は堀越二郎より11歳若く、関東大震災に遭い、戦争中は飛行機の部品を作る軍需工場の役員を務めていた。「彼らが無罪だなんて思ってません。しかし、人間はそれぞれの時代を、力を尽くして生きているんだと思う」

主人公の少年時代から関東大震災までの絵コンテを書き終えた直後に、東日本大震災が勃発。「これは時代に追い抜かれたと思いました。地震のシーンをどうするか、この映画を作り続けていいのか。スタッフの中にも怖くて絵コンテを見たくないという人がいました。でも結果的に1カットも変えないで作れた。大正・昭和を生きた人間を描くのに、関東大震災は抜かせないからです。これは時代と一緒に作っていく映画なんだと」

本作では効果音を人間の声で再現するなど「常識外れをさんざんやりました」とのこと。それは、現在のアニメーションに対する警鐘でもあった。「アニメーションを50年やってきて、日本のアニメ作りは完全にルーティン化してしまった。ストーリーも絵も音も精緻に分業化されて、がんじがらめです。その常識を壊さないと自分達の考える映画に肉薄できなかった」


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