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ウィル・スミス主演『幸せのちから』映画感想(ネタバレあり)


■あらすじ『1981年のサンフランシスコ。クリス・ガードナーは高級医療機器のセールスマン。5歳になる息子クリストファーは彼にとって何より大切な存在で、実の父を知らずに育ったクリスは、愛する我が子には決して同じ思いをさせまいと心に誓っていた。しかし折からの不況で仕事は思うようにいかず、家賃の支払いもままならない。ついには愛想を尽かした妻に去られ、家賃滞納で自宅からも立ち退きを命じられてしまう。息子と安モーテルに引っ越したクリスは、一流証券会社の研修生となり、半年後にたった一人だけ採用となる正社員への道に最後の望みを託した。だが、その半年間、給料は一切無し。やがてモーテルにも泊まれなくなった父子は、ついに過酷なホームレス生活を余儀なくされる。ホームレスになりながらも愛する息子を唯一の心の支えに、ついには最後のチャンスを掴んで億万長者となった父子の実話を映画化した愛と感動の物語。主演は「アイ,ロボット」「最後の恋のはじめ方」のウィル・スミス。また、主人公の息子をウィル・スミスの実の息子ジェイデン・クリストファー・サイア・スミスが演じて話題となる。監督は長編5作目にして初の英語作品に挑んだイタリア人監督のガブリエレ・ムッチーノ』


本日、水曜プレミアシネマにて幸せのちからが放映されます。この映画、公開当時は劇場で観たんですが、まあ「普通にいい映画」ですよね。フィクションじゃなくて実話を元にした物語という点、そして親子の役を演じるウィル・スミスとジェイデン・スミスが本当の親子である点などが、作り物の世界に一定以上の”本物らしさ”を与えています。

但し、予告編を観て予想できる範疇以外の事は特に起こりません。事前に想像していたような出来事が、その通りに展開していきます。良く言えば安心して観ていられるんだけど、悪く言えば驚きが無いというか。“実話”というアドバンテージに少々頼り過ぎているような気がしました。

問題があるとすれば、「ほぼ主人公の視点のみで全てのストーリーが進行していく」という点ではないでしょうか。例えば、主人公の上司は彼の事をどのように評価していたのか?また、彼と取引してくれた人たちは、彼のどんなところに魅力を感じたのか?主人公以外の登場人物があまり詳しく描写されていない為に、ドラマの盛り上がりに欠けているのです。

しかも、あれほどの能力(数字に強く人間関係の構築も巧い)を持っている男が妻に逃げられ就職もできず、というのは(いくら実話とは言え)ちょっと不自然では?また、当初全く売れなかったあの医療器具を、一体どうやって売りさばいたのか?何よりあれだけ聡明な男が、なぜ高級医療器具の販売に全てを賭けたのか?さらに、20人の中から選ばれるに値する「輝くもの」が何であったのか?その辺りの描写がバッサリ割愛されている為に説得力に欠け、イマイチ物語にのめり込めませんでした(実話なのに、ご都合主義に見えてしまう)。公衆トイレで寝泊まりするシーンは本当に切なくて、”貧乏の辛さ”だけは物凄く伝わってくるんですけどねえ。

というわけで、”実話ベース”の構成が逆に足枷になったのか、「いい話なんだけど、映画としてはパンチが足りない」という結果になってしまいました。ちなみに、本作の見所の一つは、ウィル・スミスの見事な走りっぷりです。アクション映画でもないのに、ほぼ全編に渡ってひたすら走りまくっているという凄まじさ。『太陽にほえろ!』のジーパン刑事よりも走ってましたよ(笑)。

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