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ティム・バートンの『アリス・イン・ワンダーランド』裏話


■あらすじ『子どもの時に体験した不思議の国(ワンダーランド)での記憶をすっかり失くしていた19歳のアリス。ある日、好きでもない相手からの突然のプロポーズに困惑していた彼女は、チョッキを着た白うさぎを目撃する。その不思議なうさぎを追いかけて穴に落ち、辿り着いたのはアンダーランドと呼ばれているあのワンダーランド。白うさぎをはじめ、この世界の奇妙な住民たちはみな彼女の帰りを待っていた。アンダーランドは今や独裁者・赤の女王に支配された暗黒の世界で、アリスこそが救世主だったのだ!「チャーリーとチョコレート工場」「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」のティム・バートン監督が、ルイス・キャロルの名作『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』を基に、19歳に成長したアリスの新たな冒険を、最新の3D映像技術で鮮やかに描き出す冒険ファンタジー超大作!』



本日、土曜プレミアムアリス・イン・ワンダーランドが放映されます。巨匠:ティム・バートンが毎度お馴染みのジョニー・デップと組んで、『不思議の国のアリス』の後日談を製作。

といっても、続編の『鏡の国のアリス』を単純に映画化したわけではなく、「19歳になったアリスが再びワンダーランドに戻る」というオリジナルストーリーになっていました(赤の女王や白の女王など、共通のキャラも多い)。

僕はてっきり、ティム・バートンが『不思議の国のアリス』の大ファンなのかと思ってたんですが、本人曰く「僕はカリフォルニア育ちだから『不思議の国のアリス』に全く縁がなくて、子供の頃に一度も読んだ記憶が無いんだ」とのこと。

ではなぜ、この映画を作ろうと思ったのか?実は、今までの『アリス』に関する映画が、どれも気に入らなかったからだという。

ルイス・キャロルが原作を書いた『不思議の国のアリス』は、1903年にセシル・ヘップワーズ監督が映画化して以来、世界中でなんと30作品以上も作られ続けてきました。しかし、ティム・バートンはそれらの映画に関して「どうしても面白いとは思えなかった」と批判的だったらしい。

「生意気な子供がユニークなキャラクターと一緒に様々な場所へ出かけて行く…。多かれ少なかれ、みんなそういうタイプの作品ばかりで、僕に言わせれば、ルイス・キャロルの原作にあまりにも忠実になり過ぎて、映画的なスリルに欠けていたんだ」とのこと。それに対して、今回ティム・バートンが作ったアリスは何が違うのでしょうか?

「物語の設定を大きく変えて、アリスの年齢を高く設定していることが最大の特徴。大事なのはフィーリングなんだよ。僕はよく、”あなたはファンタジー映画しか作らないんですね”、なんて言われるけど、ちょっと待ってくれって思うんだ。ファンタジーが現実になることだってある。それこそが、お伽噺や民話が何世紀にもわたってずっと表現してきたことなんじゃないか?ってね。それはこの映画も同じ。登場するキャラクターたちは、人々の意識の中に存在する。僕が今回やりたかったのは、それらのキャラクターを深く追求することなんだよ


「今までのアリスの映画は、キャラクターの追求が上手くいってなかったと思う。だから、マッドハッターは単に飛び跳ねているだけの狂ったヤツじゃなくて、もっと深みのある人間にしたかったんだ。映画の中では特に説明してないけど、当時の帽子屋は作業中に水銀を使用するため中毒になり、実際に狂ってしまうことが多かったんだよ。他のキャラクターも、それぞれみんなイカレてるんだけど、それぞれちゃんと理由があるんだ」

ちなみに、『アリス・イン・ワンダーランド』は3D映画として劇場公開されたのですが、初めから3D映画として撮影されたわけではありません。『アバター』で使用された3D撮影用ステレオカメラではなく、通常の2Dカメラ方式で撮影し、その後ポスト・プロダクションで3Dに変換(コンバージョン)された”後付け3D”なのですよ。

といっても、『タイタンの戦い』のように「元々普通の映画として制作されていたものが、会社側の都合で急遽3D化された」というパターンではなく、最初から3Dコンバージョンを前提として作られていたのです。

その理由は、ティム・バートンが3D撮影を嫌っていたからでした。彼は、ステレオカメラが重くて扱い難いこと、サイズやアングルが制限されること、セッティングに時間が掛かること、通常よりもコストが増えることなどに難色を示し、制約から解放されて自由に撮影できることを望んだのです。

その結果、3Dカメラでは不可能だったシチュエーションが多数盛り込まれ、従来の3D映画とは一線を画した映像が生み出されました。しかし、『アリス・イン・ワンダーランド』に3D変換技術が用いられると発表された時、ジェームズ・キャメロンは強い不快感を表わし、「中途半端な映像を公開して観客が3D映画そのものに不信感を抱いたらどうするんだ!」とコメントしたそうです。いやいやキャメロンさん、アンタもタイタニックを3D変換してるでしょーが(^_^;)


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