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『エンジェル ウォーズ』ネタバレ映画感想


■あらすじ『愛する家族を奪われ、醜悪な継父の陰謀で精神病院へと送られてしまった少女、ベイビードール。そこに待ち受けていたのは、世にもおぞましいロボトミー手術だった。彼女は同じ境遇にいるロケット、ブロンディ、アンバー、スイートピーの4人の少女たちに一緒に抵抗しようと呼びかける。しかし、希望を失った4人は、ベイビードールの脱出計画にためらいを見せる。そんな中、いよいよ絶体絶命の窮地に立たされたベイビードールは、彼女の最大の武器にして最後の砦である空想の世界へと飛び込んでいくのだった!「300 <スリーハンドレッド>」「ウォッチメン」のザック・スナイダー監督が、5人のセクシー美女を主人公に描く痛快ファンタジー・バトル・アクション超大作!』



現在絶賛(?)公開中の『エンジェル ウォーズ』を観て来た。結論から言うと、本作はザック・スナイダー監督のオタク・マインドが全編に渡って炸裂した世紀の大傑作である。

しかし同時に、「これを人に勧めたら俺の人格が疑われるのではないか?」と本気で不安になるぐらい危険なシロモノであることも間違いない。いったい、『エンジェル ウォーズ』とはどんな映画なのか?

予告編を見ても内容がさっぱり分からず、しかも全米では大コケしたらしいとの噂も聞いていたため、正直ちょっと躊躇していたんだけど、観てみたら意外とまとも(?)なストーリーだったので逆に意表を突かれた(もっとハチャメチャな話を予想してたので)。ただ、「まとも」と言っても設定自体が荒唐無稽なため、論理的な思考や常識などは一切通用しない。


内容を要約すると、「継父によって無理やり精神病院へ入れられてしまった女の子(ベイビードール)が、同じ施設にいる4人の少女と協力して、病院を脱出しようと試みる物語」である。

まあ、これだけなら普通の話だが、最大の特徴は「脱出に必要なアイテムを手に入れる過程が、全てベイビードールの妄想世界の中だけで描かれている」という点なのだ。

そう、この「妄想世界」こそがまさに本作最大の見どころであり、ザック・スナイダー監督が最も描きたかった場面なのである。

セーラー服、美少女、日本刀、サムライ、ガンアクション、ゾンビ、ドラゴン、パワードスーツ、ロボットなどなど、オタク趣味丸出しのアイテムがずらりと並ぶ様はまさに圧巻の一言。よくぞこれだけ自分の好きなものばかりを詰め込んだもんだと脱帽するしかない。

言うなれば、「セーラー服を着た可愛い女の子が日本刀と拳銃を持って、ゾンビやドラゴンやロボットを次々とブッタ斬る映画があったら面白いよね〜」という中二病的発想を忠実に具現化したらこうなった、という見本のような映画なのだ。どうやらザック・スナイダー監督は、日本のアニメやポップ・カルチャーの大ファンらしく、至る所にその影響が溢れ出ている。


過去にも、クエンティン・タランティーノウォシャウスキー兄弟など、ジャパニメーション(死語)に傾倒した映画監督は存在したし、明らかに日本のアニメを意識したと思われるハリウッド映画も多数あった。

しかし、『エンジェル ウォーズ』ほど大胆にオタク趣味を取り入れた映画は史上初であり、おそらく空前絶後だろう。なんせ、本来なら”隠し味”になるべき要素が全然隠れてないんだから(笑)。そりゃ全米でコケるのも当然だよなあ…(^^;)

個人的には、片手に日本刀、もう片手にガバメントを持ったミニスカ・セーラー服美少女が、ガトリングガンを撃ちまくる巨大なサムライを相手に、ド派手なバトルを展開する序盤のアクションシーンを見ただけで、「こんなビジュアルを待ってたんだよ!」と大興奮。

銃撃戦や格闘戦も流石ザック・スナイダーだけあって、ケレン味溢れる見事なアクションを存分に堪能できる(ベイビードールが自分の銃に携帯ストラップを付けているのが可愛かったw)。


だがその一方では不満もあって、これだけのイマジネーションを一本のストーリーではなく、「少女の妄想」というレベルでしか表現できなかった点が残念だなあと。だって、妄想なら”何でもアリ”になるわけで、自分の好きな物を出す手段としては一番安易な方法じゃない?

たしかに、常識的に考えれば「セーラー服の少女が日本刀を振り回してゾンビを殺しまくる映画なんて作れるわけない」と思うだろうけど、アニメでは現にBLOOD THE LAST VAMPIREで堂々と映像化しているし、ザック・スナイダーも絶対に観ているハズなんだよね。

だったら、そういうストーリーを頑張って作るべきじゃないのか?と(『BLOOD THE LAST VAMPIRE』も実写映画化されてるんだから)。「妄想の中でまた妄想を見る」という構造自体は面白いんだけど、やはり「現実世界あっての妄想世界」だと思うし、その意味では現実世界の描写がちょっと弱いんだよねえ。


というわけで総評としては、映像とサウンドが抜群にカッコ良く、美少女とガンアクションが好きな人には問答無用でオススメできる反面、ストーリー性が希薄で、映画というより5人組新人アイドルグループのPVみたいに見えてしまうところが難点かなと(サントラは凄いが)。

なお、日本での公開に関して、原題が『サッカー・パンチ』なのに『エンジェル ウォーズ』っていうダサいタイトルを付けられたり、首都圏以外はほとんど吹替え版しか上映されなかったり、実に不遇な扱いを受けているようだが、配給会社も「こんなの当たるわけねえよな」と諦めてるんだろうか?オタク文化発祥の地であっても、まだまだ世間の理解を得られているわけじゃない…ってことなのかなあ。


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