ひたすら映画を観まくるブログ

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山田玲司『絶望に効くクスリ』富野由悠季

週刊ヤングサンデー」という雑誌がある。一応全国紙でありながらも、ちょっと小さい本屋だと発売日に発見できないという希少性の高い雑誌だ。この中に山田玲司が描いた「絶望に効くクスリ」というマンガが連載されている。

山田玲司本人が各界の著名人に突撃インタビューを行うレポートマンガ(?)だ。そして今週はなんと「機動戦士ガンダム」の富野由悠季監督が登場!以前「劇場版ガンダム」の日記に書いた“ガンダムの権利を30万円で売った”エピソードや、“鬱病にかかり自殺を考えた”エピソードなどが語られている。

僕が何故「機動戦士ガンダム」に魅かれるのかを考えたとき、“映画”というキーワードに関係があるのでは?と思い当たった事がある。富野監督は幼少の頃から小説家になる事を目指しひたすら創作活動に励んだものの、「自分には作家としての能力が無い」という結論に達し、手塚治虫の「虫プロ」に入社、アニメ製作に活路を見出す。

しかし山田玲司の「手塚先生に憧れたんですか?」の質問に「漫画家ふぜいに誰が憧れるか!映画だよ映画!!」と一蹴。なぜなら富野監督は日本大学芸術学部では映画学科に所属し映画を学んでいたほどの“映画好き”だったからである。

虫プロ」に入ってからも目指していたものはあくまでも“映画”であり、アニメという媒体を使ってどこまで映画的なものを作れるのか、という挑戦でもあったのだ。ガンダムが大ヒットしている時のインタビューでも“映画”と“アニメ”の関係について次のように述べている。

「例え“ロボットアニメ”のような子供向けのジャンルであっても“映画”のようにメッセージを伝える事は可能なんです。だからもう少し上等な媒体として認めてもらいたい!」

これは、押井守庵野秀明のような他のアニメ監督に関しても、同様の傾向が見受けられる。特に押井守は大学時代に映画研究会に所属し、年間に1000本以上の映画を見まくったというほどの熱狂的な映画オタクなのだ。そして自分が作っている作品に関しても富野監督と同じく“映画を作っている”という意識を常に持ち続け、「実写だろうがアニメだろうが、僕にとっては全て“映画”なんです」と発言している。

僕が「ガンダム」に衝撃を受けた理由は、このような“本当の映画好きな監督が、映画を作ろうとして作ったアニメ作品”という部分に強烈なシンパシーを感じたからだと思っている。


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