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スティーブン・スピルバーグ監督『ジョーズ』映画感想

本日ジョーズ製作30周年記念:アニバーサリー・スペシャル・エディション』のDVDを購入しました。なんか、5年前にも『25周年記念』DVDを買ったような気がするんですけど、ユニバーサルはいったい僕にどれだけ散財させたら気が済むんでしょうか?ジョーズのDVDはこれでもう3枚目ですよ。レーザーディスクも買ってるし。

何が違うのかと言うと、特典内容が違うのです(映像特典以外にも、本編の音声がdts仕様になっていたり日本語吹き替えが収録されたりしている)。まだ全部観てないので分かりませんが、メイキング・ドキュメンタリーの収録時間や未公開シーンなどが大幅に増えているのがポイントでしょう。

ジョーズ』と言えば撮影中に起こったトラブルの凄さでも有名で、ただでさえ撮影困難な海上ロケに加え、サメのロボットが故障の連続!撮影スケジュールは見る見るうちに遅れ、数ヶ月経って我慢の限界に達したスタッフに「いつ撮影は終わるんですか?」と聞かれたスピルバーグは、「僕がクビになって製作中止になれば終わるよ」と答えたそうです。

また、あまりにも過酷な撮影が続いたため、精神的にも肉体的にもボロボロに成り果てていたスピルバーグは、撮影が終了した直後に宿泊先のホテルで突然ぶっ倒れ、同じホテルに泊っていたリチャード・ドレイファスに介抱されたとか、そういう凄まじいエピソードが満載なのですよ。

ただ良く考えてみたら、今回のDVDは20周年記念のLD版スペシャル・コレクションと特典内容がほぼ同じだったりするので、「じゃあ、今まで買ってきたものは何だったんだ?」と逆に怒りが込み上げてきたりして。「だったら、最初からこれを出せ!」と世界の中心で叫びたいぐらいです(でも、5年後に『35周年記念版』が発売されたらまた買ってしまうんだろうなあ、トホホ)。

そんなワケで久しぶりに『ジョーズ』を観たのですが、まあ超有名な映画なので今更僕が何か言う事も無いでしょう。恐ろしいほどに完成度が高い、動物パニック映画の最高傑作だと思います。

本作が公開されたのは1975年6月20日。全米406とカナダ58の劇場で一斉に封切られた『ジョーズ』は、1ヶ月で6000万ドル(当時の邦貨に換算して約180億円)を叩き出す大ヒットとなり、それまでのあらゆる興行記録を塗り替えたのです。

そして同年12月6日、ついに日本にも『ジョーズ』がやって来ました。全国拡大ロードショーで公開された本作は、アメリカ同様次々と観客が劇場に殺到し、空前絶後の大ヒットを記録したのです。

このヒットがどれぐらい凄まじかったかと言うと、76年の夏に配給元のCICでは12ヶ月分のボーナスが出たというぐらいですから、只事ではありません。いったいなぜ『ジョーズ』はこれほどまでにヒットしたのでしょう?

言うまでもなく本作は「パニック映画」の1ジャンルです。でもそれだけではありません。物語の導入部分は「サスペンス映画」風に始まり、サメが襲ってくる恐怖は「ホラー映画」でもあります。

しかし、次々と犠牲者を生むサメの脅威を描く前半部分こそ「怪物映画」の様相を呈していますが、後半は警察署長ブロディ(ロイ・シャイダー)と、海洋生物学者フーパー(リチャード・ドレイファス)と、サメ狩りのプロ・クイント(ロバート・ショウ)の三人組が一致団結して巨大人食いザメと闘うという、まさしく死闘の連続なのです。

クイントがサメに銛をぶち込むと、高らかにファンファーレが鳴り響き、波しぶきを上げながら黄色のタルをオルカ号が追いかける!この疾走感、爽快感!そう、映画『ジョーズ』とは、男たちがプロフェッショナルとして自分の仕事をまっとうすべく、死力を尽くして強敵に立ち向かうその雄姿を見事に描き切った、紛れも無い「海洋冒険活劇映画」なのです!

原作の邪魔な部分をギリギリまでそぎ落とし、シンプルなストーリーラインをサメとの対決を中心としたダイナミックな演出で一気に見せる。これこそが映画『ジョーズ』の真骨頂と言えるでしょう。

ちなみに原作のラストでは、サメがオルカ号に乗り上げてしまったために、呼吸が出来なくなって死んでしまうという、腰砕けな展開となっているそうです。脚本も同じようなラストだったようですが、あくまでもエンターテイメント的面白さにこだわったスピルバーグが現場で勝手に変更。「サメはボンベを食わないよ!」という脚本家の意向を無視して強引に書き換えたらしい。その結果生み出されたのが、あの衝撃的なラストだったのです。

沈みゆくオルカ号のマストに必死にしがみつきながら、ブロディがサメの口の中にある酸素ボンベを撃ち抜き、悪魔のごとき殺戮マシーンを木っ端微塵に吹き飛ばす、まさに血沸き肉踊る問答無用の名場面!この比類無き最高のカタルシスがあるからこそ、『ジョーズ』は30年経っても色褪せない傑作映画と成り得たのではないでしょうか。

ちなみに、この時ブロディが叫ぶセリフは、字幕では「くたばれ、化け物!」となっていますが、本当は「Smile you son of a bitch!(スマイル・ユー・サノバビッチ!)笑え、クソ野郎!」と叫んでいます。こっちの方がかっこいいと思うのは僕だけ?

ところで、何年か前にスピルバーグが「当時の技術では満足にサメを動かす事が出来なかったので、サメを全部CGに置き換えた“完全版ジョーズを作りたい」と言っていたと思うんだけど、あれは一体どうなったのでしょう?『E・T』の方は、人形をCGに置き換えた『20周年記念特別版E・T』が公開されたのに、『ジョーズ』の方はさっぱり話を聞かなくなってしまいました。せっかくの30周年なのに、何も無しとは寂しいなあ。


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