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『爆発道場』を購入。映画とは爆発だッ!

本日も映画関係の新刊を購入。その名もズバリ『爆発道場』。タイトルからは何の本かさっぱり分からないが、表紙を見ると画面いっぱいに何かが大爆発している写真が映し出されているのみで、ますますワケが分からない(笑)。

著者は、我がブログではすっかり常連(?)となってしまった感がある、樋口真嗣福井晴敏のスーパー・ヲタクコンビである。

つまりこの本は、日本でも有数の“爆発大好き男”2人組が、色々な映画の「名爆発場面」を取り上げて、その魅力を思う存分語り尽くすという、いまだかつて聞いた事も無いヘンテコな企画なのだ。基本的に樋口と福井の対談形式で話が進んでいくので

樋口:「おお、今の爆発かっこいい!」
福井:「映画に出てくる石油コンビナートは、爆発する為に存在しているんですよ!」

などと、おっさん2人がDVDを観ながら延々と無駄話を喋っているだけという、ある意味オーディオコメンタリーみたいな内容である。「そんな本が面白いのか?」と言われたら返事に困るが、基本的に福井がその映画をフォローしつつ、樋口が特技監督の立場からツッコミを入れるという役割分担が出来ているのが楽しいと言えなくもない。

レッド・オクトーバーを追え!』を取り上げた時も、以下のようなやり取りで進行。

樋口:「爆発シーン、まだ出ないの?」
福井:「この映画は、そう簡単には爆発しないんです。ためにためて必要な所で一気に爆発する。まさに、高倉健的美学に貫かれた男らしい爆発映画なんですよ!」
樋口:「でもさあ、この爆発がまたショボいんだよなあ。この頃のILMの悪い所で、ちゃんとミニチュアを爆破してないんだよ。爆発だけ別に素材撮りして、後で合成してるもんだから迫力に欠けるんだよねえ。あ〜安っ!」
福井「なんか、どんどんダメな映画に見えてきた……」

自分の好きな映画を樋口にけなされ、気の毒なぐらいテンションが下がりまくる福井。文章を書いているのは福井自身なのだが、コレがかなり面白い。『イージス』や『ローレライ』など、シリアス一辺倒のイメージしか無かったが、こんなとぼけた文章も書けるとは!

特にインデペンデンス・デイを取り上げた回などは、映画を鑑賞中に「樋口が爆睡する」というとんでもない事故が発生したため、急遽福井が丸々一本「ドキュメンタリー小説」を書き下ろすハメになってしまったのである(もちろん、その時の悲惨な状況について書かれたもの)。その一部を抜粋するとこんな感じだ。

「対談中に相手に寝られる。この「考えられない事態」がいかなる衝撃と屈辱をもたらすものか、文筆を生業とする私にもちょっと表現する言葉が見当たらない。あえて言うなら、“一世一代の愛の告白の途中に相手に寝られる”という状況に近いだろうか。視覚芸術を愛する繊細な神経の持ち主であろう読者諸貴兄なら、「明らかにそれをつまらないと思っている人と一緒に映画を観る苦痛と絶望」はご存知の事と思う。この時の私は、まさにそれを味わっていたのだ。」

わかる、わかりますよ福井さん!僕も昔、彼女と“ある映画”を観に行った時に、一人で盛り上がっている僕の隣で熟睡している彼女を見た瞬間、猛烈に虚しい気持ちになりましたから!何の映画かは言えませんが(笑)。

…ってまあ、そんな話はともかく、なかなか笑える本ですよこれは。福井さんには『ローレライ』みたいな大長編ばかりでなく、たまにはこんな“短編コメディ”も書いて欲しいなあ。

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