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BSアニメ夜話『新世紀エヴァンゲリオン劇場版』

アスカ

昨日からNHKBSアニメ夜話を放送中。今日は昨日録画しておいた『新世紀エヴァンゲリオン』の回を見た。ゲストはプロデューサーの大月俊倫宮村優子だ(ちょっと見ない間に、みやむー美人になったなあ)。

内容は例の如く、みんなでよってたかってエヴァの話で盛り上がるというものだが、冒頭からいきなりシンジ君のオナニーシーンが炸裂してド肝を抜かれる。そればかりか、宮村優子までが堂々とオナニー発言を!NHK史上初のオナニー談義を目の当たりにして思考回路が停止した。それでいいのか、NHK!?

以前にも書いたが、劇場版『新世紀エヴァンゲリオン』は庵野秀明監督の精神世界が爆発した、極めて特異な映画である。特に完結編にあたる通称『夏エヴァ』はストーリーが進むにつれてどんどん世界が崩壊していき、しまいにはキャラクターがただの線になったり急に実写映像が入ったり、シュールかつアバンギャルドな映像の数々で観る者の精神までもが激しく揺さぶられる衝撃の問題作だったのだ。

中でも一番びっくりしたのは、物語のど真ん中でスタッフクレジットが流れるという、従来の映画の常識を根底から覆すようなとんでもない構成を成しているという点である。つまり映画のラストでエンディングが流れないのだ。

「エンディングテロップなんか見ないから、関係ないよ」という人がいるかもしれないが、果たしてそうだろうか?観客はたった今まで、映画の登場人物に感情移入してドラマを観ていたハズなのだ。そこでいきなり「ブチッ!」と映画が終わって明かりがついたら、盛り上がった感情の持って行き場がなくなって困るんじゃないだろうか?

たとえば『タイタニック』でエンディングが流れずに、突然映画が終わったとしたらどうだろう。特に女の人なんか、涙を拭く暇も無くて大慌てじゃないか?このように映画のエンディングは、余韻を持たせると共に観客の感情をクールダウンさせるという意味で必要な要素だと僕は思う。

しかし『夏エヴァ』はワザとエンディングを外しているのだ。「終劇」の文字が出た瞬間に明るくなる劇場。物語世界から突然現実に引き戻される観客。当時映画館で観た僕は、いきなり明かりがついて困惑する大勢の観客の顔をいまだに忘れる事が出来ない。現在に至るまでエンディングが無い映画を観たのは、後にも先にも『エヴァ』だけだ。

前衛映画や自主制作映画ならともかく、一般のしかもアニメーションでこんなことをやってしまったという事実に驚愕せざるを得ない。噂によるとこれは「アニメばっかり見てないで、とっとと現実へ帰れ!」という監督のメッセージだったらしい。その狙いが成功したかどうかは分からないが、とんでもない監督である事だけは間違いないだろう。


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