ひたすら映画を観まくるブログ

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『劇場版クレヨンしんちゃん:嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』

劇場版クレヨンしんちゃん:嵐を呼ぶ 

BSアニメ夜話の二日目は劇場版『クレしん』だった。

僕自身はテレビの『クレしん』さえ一度も見た事が無いのだが、この映画はナゼか映画ファンの評価が異常に高く、「最高傑作!」との呼び名も高い作品だったのでタイトルだけは知っている。

とにかく本作を見た30代のおっさん達は、一人残らず号泣したそうだ。「そんなに感動的な映画なら、一度見てみるか」と興味本位で鑑賞。

まずこの映画の最大の見所は、徹底的に再現された昭和40年代のシチュエーションである。大阪万博太陽の塔や、当時の文化や風習などをひたすらこだわって描写した結果、強烈なノスタルジーを感じさせる映画に仕上がっているのだ。

思わず「昔は良かった・・・」と呟いてしまいそうな郷愁感。それはまさに「20世紀の匂い」なのである。そして大きな感動ポイントは父ひろしとしんちゃんの姿だ。

過ぎ去った日々をただ懐かしむだけの後ろ向きの人生と決別し、明日の為に今を生きる決意を固めるひろし。さらにクライマックス、全身ボロボロになりながら一生懸命に階段を上るしんのすけ(このシーンは背景が全て動いており、「泣ける背景動画」として絶賛されているらしい)。

そこには「大人たちの思い出の世界を生きるのではなく、自分たちの手で思い出を作りながら大人になりたい」というメッセージが込められている。それは同時に、今を生きる30代の大人たちに対する「がんばれ!」というエールでもあったのだ。

う〜ん、なるほど。子供向けアニメだと侮っていたが、これは紛れも無く「映画」である。大人が号泣するというのも納得だ。ただ、僕自身は世代が少しずれているせいか、それほど感情移入する事は無かった(大阪万博も知らないし)。

それと、子供はこれ見て泣いたりするんだろうか?どう考えても大人に向けて作っているとしか思えない。『クレヨンしんちゃん』でこんな映画を作ってしまった事自体が凄いと思うぞ。