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キアヌ・リーブス主演『ジョン・ウィック』ネタバレ映画感想/評価


■あらすじ『愛する妻ヘレンが病で亡くなり、悲しみに暮れるジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)。そんな彼の心を癒してくれたのは、亡き妻から贈られた一匹の子犬だった。しかしある日、ロシア人の若者がジョンの愛車「69年式マスタング」を気に入り、売ってほしいとしつこく迫る。マフィアのボスを父に持つこの男ヨセフは、ジョンに断られるや夜中に彼の自宅を襲撃してマスタングを強奪。その際、子犬までもが無残に殺されてしまった。すべてを奪われたジョンの怒りが爆発し、たった一人で犯人への復讐に立ち上がる。彼こそは、かつて裏社会で恐れられた伝説的な殺し屋だったのだ…!ロシアン・マフィア相手に必殺技”ガン・フー”で立ち向かう元殺し屋の姿を描いた痛快アクション・ムービー!』



本日、キアヌ・リーブス主演の最新アクション映画ジョン・ウィックのブルーレイとDVDが発売されました。同時にレンタルも開始されたので、早速借りに行った人もいるんじゃないでしょうか?

僕はと言えば、公開日に観に行ったものの、なかなかレビューを書くタイミングが無くて今頃書かせていただきます…って状況なんですけど、正直「レビューを詳しく書くほどの内容も特に無かった」というのが正しい表現なんですよね(笑)。いや、もちろん映画は非常に面白かったですよ(^.^)

事前情報でキアヌ・リーブスが飼い犬を殺された恨みを晴らすために、マフィアを皆殺しにする映画」と聞いて、「まさか、いくらなんでもそれだけじゃないだろう」と思っていたのですが、本当にそれだけの話でした(笑)。

近年稀に見る単純明快なストーリーにビックリ仰天しましたが、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』も「敵地を逃げ出してまた戻ってくるだけの映画」なので、「単純だからつまらない」などということは決してありません。むしろ、無駄なエピソードを極力排除したシンプル極まりない構成が非常に良かったです。

まず、主人公のキャラクターがいいですね。愛する奥さんを失い、子犬と寂しく暮らすジョン・ウィックの佇まいがキアヌ・リーブスの実生活とほぼ一致してて(笑)。なんせキアヌ・リーブスと言えば、一人ぼっちで公園のベンチに腰かけ、ヨレヨレのジーンズと汚いスニーカーを履き、ビニール袋からパンを取り出してモソモソと食事している場面をパパラッチに激写され、あまりにも哀愁漂いまくるその姿に「サッドキアヌ(sad Keanu)」というアダ名を付けられた程ですから。

他にも、自分が主演した映画の完成披露パーティーの会場に行ったら、キアヌと気付いてもらえず警備員に入場を断られた挙句、知り合いが来るまで20分も雨の中で待たされたとか、酔っぱらって路上でゲロ吐いてる場面を何度も目撃されたりとか、ハリウッド俳優とは思えぬボンクラエピソードの数々に開いた口が塞がりません。でも、「有名人オーラゼロ」のキャラクターが逆に人々に親近感を与え、「キアヌさんはいい人だ」と人気が高まっていったようです。

そんなキアヌさん演じるジョン・ウィックは、”数年前に引退した凄腕のヒットマン”という設定なのですが、「俺の大事なワンちゃんを殺しやがって許さねえ!」と激怒し、自宅の地下室へ下りるとハンマーを振り上げてコンクリートの床をドッカンドッカンと破壊。すると床下からH&K P30Lやグロック26など大量の拳銃が!封印していた武器を装備し、再び”伝説の殺し屋”として復活したジョン・ウィックは、ロシアン・マフィアに復讐するために夜の街へと繰り出します。

そしてここから怒涛のアクションが炸裂するわけですが、最大の特徴といえば、やはり銃撃と格闘技を巧みに融合した新感覚アクション”ガン・フー”でしょう。”ガン・フー”と聞いて、『リベリオン』のガン=カタみたいな中二病テイスト全開のネーミングセンスにちょっと不安を抱いてたんですけど、実際に観てみたら意外とマトモというか、ちゃんと実戦的なアクションになっていましたよ。

今回、ジョンが駆使するオリジナル格闘術”ガン・フー”は、スタントマン出身のチャド・スタエルスキー監督(『マトリックス』などのアクション・コーディネーター)が考案し、それをキアヌが撮影前に4カ月かけて特訓、さらに本番ではほぼ全てのスタントを自分自身で演じたそうです。こうして完成した”ガン・フー”は、キアヌ・リーブスの体を張った熱演と相まって、実にリアルで説得力溢れるアクションに仕上がっていました。

まず、ガンファイトの基礎になった部分が、「C.A.R System」という軍や法執行機関でも採用されている近接戦闘(CQB)用の射撃スタイルなのです。これは狭い場所での撃ち合いにも最適で、待機姿勢から射撃姿勢へ素早く移れるなど、実に合理的なシューティング方法だそうです。

また、格闘技の部分も、ブラジリアン柔術やロシアの軍隊式格闘技”システマ”をベースにしていて、「殴る・蹴る」の他に「掴む・投げる・関節を極める」など、ありとあらゆる攻撃を繰り出す本格的なアクションになっているのが素晴らしい(ガン・フーという名前なのにカンフーの要素はゼロですがw)。

しかし本作が面白いのは、「主人公が決して無敵の強さを誇っているわけではない」という点なのですよ。いや、もちろんジョン・ウィックは強いんです。強いんですが、その強さは『マトリックス』のネオみたいな人間離れした強さじゃなくて、あくまでも「中年オヤジが頑張ってアクションやってます感」が満載な、まさに現在のキアヌ・リーブスをそのまま重ね合わせたようなアクションになっているところがグッとくるんです!

結構普通に殴られたり蹴られたりしてるし、何発も敵の銃弾を食らったり、高い所から投げ落とされたり、ナイフで刺されたり、おまけに途中で敵に捕まったり(笑)。ラストのボスを倒す頃にはもう全身ズタボロで、「歩くのもやっと」みたいな状態なんですよ。だがそれがいい!フラフラになりながら、それでも執念で立ち向かっていくキアヌの姿に燃える(萌える)んです!

というわけで、怒りのエネルギーに満ち溢れたキアヌ・リーブスがロシアン・マフィアを片っ端からぶち殺していく姿は痛快そのもの。ウィレム・デフォージョン・レグイザモといった渋い脇役もいい味を出しています。最近のキアヌさんは「日本へ来てラーメンを食べている印象」しかなかったのですが(笑)、この映画では久々にカッコいいキアヌさんが観れて大満足でした(^O^)/


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