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キアヌ・リーブス初監督作品『ファイティング・タイガー』感想


■あらすじ『太極拳を学ぶタイガー(タイガー・チェン)は、開発のため取り壊されそうになっている師匠の寺を守るため、格闘技大会に出場し、賞金の獲得と太極拳の普及に努めていた。ある時、非合法なビジネスを手掛けるドナカ(キアヌ・リーブス)は彼に目をつけ、自分が主催し、全世界に中継している闇の格闘試合にタイガーを出場させる。ドナカたちの組織に疑念を持ちながらも、タイガーはその実力をいかんなく発揮し、次々に相手を倒して大金を得ていくが…。キアヌ・リーブスが初監督・主演・企画を務めた武術エンターテイメント!』


DVDで『ファイティング・タイガー』を観た。本作は、俳優のキアヌ・リーブスが初めて監督を務めた記念すべき(?)カンフー映画である。アクション監督は『マトリックス』でも一緒に仕事をしたカンフー映画のベテラン指導者:ユエン・ウーピン美術監督は『キル・ビル』や『ザ・マジックアワー』などの種田陽平。共演者はカレン・モクやサイモン・ヤムなど、香港の有名俳優が参加し、なかなかの大作感が漂っている。

そして主人公と戦う相手は、テコンドーの元英国チャンピオンで『ダニー・ザ・ドッグ』にも出演したシルヴィオ・シマックや、『ザ・レイド』で主役を演じたシラットの達人:イコ・ウワイスなど、ありとあらゆる格闘技のエキスパートが集結!まさにノンストップ格闘アクションエンターテイメントなのだ。

実際、最初から最後までアクションシーンの連続で、主人公が駆使する太極拳をはじめ、空手・カンフー・テコンドー・キックボクシングなど、様々な格闘技が登場して熱いバトルを繰り広げている。格闘技ファンにとっては”見どころ満載”と言えるだろう。

が!しかし!本作には致命的な欠点が存在する!それは、主人公が超地味なこと。この映画で主人公を務めるタイガー・チェンは、『マトリックス』シリーズでアクション指導を担当していたスタントマン兼役者だそうだ。『マトリックス・リローデッド』でネオと戦っていた敵の一人らしいのだが、あまり印象に残っていない。

ただ、『マトリックス』での共演が縁でキアヌと仲良くなり、「君を主役にカンフー映画を撮ろう!」みたいな流れになったと思われ、さらに中国とアメリカの合作ということもあり、登場人物や参加スタッフの大半も中国人で占められている。というか、完全に「キアヌが出ている中国映画」なのだ。

まあ、それはいいんだけど、問題は主人公が超地味なこと(二回言いましたw)。別に華やかな一流スターでなければいけないってことはないのだが、やはり映画の主役は観る人を引き付ける”特別な何か”が必要だと思う。残念ながらタイガー・チェンにはそれがない。

そしてもう一つ残念な点は、ラスボスがキアヌ・リーブスだったこと。自分の初監督作品だから、自分が出演するのは別に構わない。ただ、序盤から様々な凄いアクションシーンを見せておいて、最後の最後に”キアヌVS主人公”という一番ショボいカードを持ってくるのは、いくらなんでも酷すぎるだろう。


せめてキアヌのアクションが『マトリックス』の頃のレベルならまだマシだったのだが、すっかり歳をとって動きにキレがなくなった今のキアヌでは、せっかくのカンフーバトルも全く見応えが無い。蹴りも打撃もユルユルのダルダルで緊迫感ゼロ!「ラスボスが最弱」という、アクション映画で一番やっちゃいけないパターンをやらかしてるよ。それが残念だったなあ(^_^;)

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