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映画『スペース・バンパイア』はここが凄い!ネタバレ解説


■あらすじ『1986年、ハレー彗星を探査中の英国の宇宙船が、漂流していた巨大な宇宙船を発見する。船長のカールセンが中に入ると、内部にカプセル保存されていた全裸美女を見つけた。彼はカプセルを地球に持ち帰るが、蘇生した彼女は人間を襲って生体エネルギーを吸い取り逃走。精気を吸い取られた人間は動くミイラと化し、ロンドン全域を恐怖のどん底へ陥れる!』


本日、午後のロードショー『スペース・バンパイア』が放送される。本作はその名の通り、「宇宙から吸血鬼がやってきて地球がエラいことになる」というパニック・ホラーだ。厳密には血を吸うのではなく、生体エネルギーを吸収する設定で、吸われた人間はシワシワのミイラになり、他の人間を襲って仲間を増やすという、ゾンビ映画みたいな状況が繰り広げられる。

こう書くと、「なんだ、ただのB級映画か」と思うだろうが、侮るなかれ!『スペース・バンパイア』は、B級感丸出しな内容とは裏腹に、ハレー彗星の透明カプセルに安置された全裸美女や、精気を吸われた人が見る見るうちにミイラ化していく衝撃的なVFX、ロンドンの街に溢れ返るゾンビの大群と、それを殲滅しようと戦うイギリス陸軍特殊空挺部隊SASの活躍ぶりなど、全編見どころだらけの怪作なのだ。

次から次へと繰り出される豪華絢爛なヴィジュアル、それでいてグロテスクな化け物が暴れ回るドギツい映像の数々は、ある種パチンコ屋の電飾を思わせるような毒々しい派手さと迫力に満ちており、ひたすら下品に、ひたすらパワフルに、スペクタクル満載なクライマックスへ向けて突っ走る!たかがB級ホラーに、どうしてこんなことが可能だったのか?実は、本作のために集結したスタッフが驚くほど贅沢なメンバーだったのだ。

まず監督は、傑作ホラー『悪魔のいけにえ』や『ポルターガイスト』の大御所トビー・フーパー。脚本はSFホラーの金字塔『エイリアン』や新感覚ゾンビ映画バタリアン』のダン・オバノンVFXは『スター・ウォーズ』でアカデミー賞を受賞し、数々の映画で特殊効果を担当したSF映画界の巨匠ジョン・ダイクストラ。撮影は、英国撮影監督協会の理事も務め、『007』シリーズや『スター・ウォーズ ジェダイの帰還』などを撮ったアラン・ヒューム

さらに音楽は『ティファニーで朝食を』などで4度のオスカーに輝いた名作曲家ヘンリー・マンシーニ(ちなみに、『ダイ・ハード』や『リーサル・ウェポン』のマイケル・ケイメンもノンクレジットで参加している。スゲー!)。これら超一流スタッフのおかげで、本作はそれまでのホラー映画とは一線を画した、骨太で格調高い作品に仕上がったのである。

しかし、この映画における最大の見どころは、何と言っても美しき巨乳バンパイアであろう。プロポーション抜群のマチルダ・メイ(当時20歳)が、男に全裸で抱きついて生気を吸い取るという、嬉しくも恐ろしいバンパイアを大胆ヘアヌード全開で熱演、その美しすぎる爆乳に世界中のおっぱいマニアが釘付けとなった!

建物が炎上し、生命エネルギーが空を乱舞し、ロンドン全域がゾンビで埋め尽くされ、最終的には阿鼻叫喚の地獄絵図と化しても、彼女の見事な美乳の前では、そんな大惨事ですらどうでも良くなる。日曜洋画劇場で放送された際は、あの淀川長治さんまでもが本編そっちのけでマチルダ・メイの巨乳について語りまくったというぐらい、本作におけるおっぱいの存在感は圧倒的なのだ(お見せできませんがいい乳ですw↓)。

そんな爆乳バンパイアを演じたマチルダ・メイは、1965年パリ生まれのパリ育ち。幼い頃からバレリーナを目指し、パリ・コンセルバトワールでレッスンを受ける。やがて友人の紹介でジョン・ブアマン監督の『夢の人』のオーデションに参加し、大役を得て以来演技する事に関心を抱くようになった。しかし、バレリーナになる夢を諦め切れず、撮影が終わるとすぐさまパリに帰ってレッスンを続けるなど、非常に真面目な女性だったらしい。

ところが『スペース・バンパイア』に出演以降、『コレット/水瓶座の女』では、いきなり冒頭から片方の乳をさらけ出したまま舞台で踊り出し、『ネイキッド・ダンゴ』では、なんとストッキングとハイヒールだけを身に付けた素っ裸状態でタンゴを踊りまくるという、バレリーナとしての特技を最大限に発揮した(?)役柄を見事に演じ切り、着実に“おっぱい女優”としてのキャリアを築いていくことになる。

そしてとうとう『おっぱいとお月さま』という、そのまんまなタイトルの映画に出演した彼女は、少年に自分の乳首を吸わせたり、自分で乳房を絞って母乳を飛ばしたりと、そりゃもうエロい事に、いやエラい事になってしまった。おっぱいマニアにはたまらん作品と言えるだろうが、彼女の女優としての方向性的にはどうなのか?と思わずにはいられない。

というわけで、一人の女優の人生を狂わせたと言っても過言ではない『スペース・バンパイア』。その内容は、ただひたすらにB級路線を貫き、間違っても人を感動させるような映画では決して無いが、監督・脚本・音楽・特殊効果など、各分野のトップクリエイターたちによって描き出された純粋な狂気の世界は、今なお多くのホラーファンを虜にしてやまない(当然マチルダ・メイの乳も含まれる)。それこそがまさに『スペース・バンパイア』の真骨頂と言えるだろう。


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