今回はネタバレ全開です。本作を観ていない人はご注意を(まあ読んだからといって、これ以上この映画が面白くなくなる可能性はありませんがw)
脚本を書いたのがリュック・ベッソンなのである程度の覚悟をして観たものの、そんな覚悟をあざ笑うかのように次々と繰り出されるグダグダの展開を目の当たりにして、思わず腰が砕けそうになりました。
冒頭、若い修道士が部屋の壁に十字架を打ち付けた瞬間、いきなり大量の血がドバドバと溢れ出すシーンを見て「うわ、オカルトか、ホラーか!?」と思っていたら実は単なるサスペンス。
しかも全編に漂う”怪しげなムード”によって雰囲気だけは抜群ですが、ストーリーはさっぱり分かりません。最後まで観ても結局印象に残っているのは「不必要なほどにド派手なアクション・シーン」と「ひたすら走り回る僧侶」だけ。
特に「走るシーン」にはかなりのこだわりを持っているらしく、高い柵を軽々と飛び越えたり、屋根の上に飛び乗ったり、ありとあらゆる「凄い走り」をたっぷりと見せてくれます。ただ、こんなに「走るシーン」が必要なのか?と。『太陽にほえろ!』の追跡シーンよりも長いんじゃないかなあ。実はこの”超人僧侶”の正体は、「ある薬」によって身体能力が飛躍的にアップした人間だったのです。
しかし、いくら「痛みを感じない体になった」と言っても、銃で撃たれたら普通死ぬでしょ?ゾンビみたいな不死身の体になったわけじゃないんだから。挙句の果てに追い詰められた二人の刑事は、なんとその危険な薬を自ら飲んでしまうのです。物語のクライマックス、ある場所に逃げ込んだ彼らは外へ脱出しようとするものの、扉がどうしても開かない。そこで……
ニーマンス:「よし、あの薬を飲もう!」
レダ:「え?でもそんなにすぐに効くのか!?」
ニーマンス:「知らん!」
薬の力によってあっという間にムキムキマンに変身した彼らは、「うおおおお!」と凄まじい怪力で扉をこじ開け、見事脱出に成功する!めでたしめでたし…ってこんなのもう、サスペンスでもなんでもないよ!リポビタンDのCMかと思ったぞ!リュック・ベッソン出て来〜い!