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ガンダムの父、吼える!富野由悠季と恩田尚之

富野由悠季監督
富野由悠季監督

ついに先週から劇場版『機動戦士Zガンダム星を継ぐ者―』が公開され、今週号の週刊『プレイボーイ』に富野監督本人のインタビューが掲載されていた。さっそく読んでみると、もうかなりの高齢のハズだが、その言動は相変わらずブっ飛んでいて驚かされる。まったく年を感じさせないどころか、呆れるほどに元気なジイサンだ(笑)。

「僕は映画化の話を頂くまで、Zガンダムのことなんかすっかり忘れていました。嫌な事は必死で忘れようとしていたんですよ」といきなり爆弾発言が飛び出して、インタビュアーのド肝を抜きまくる。その後も壊れた暴走機関車のように次々と危ないコメントを連発しまくり、開いた口が塞がらない。

「ある人は、劇場版『Zガンダム』を見た後に猛烈にセックスしたくなったそうです。今回、シャアと女性兵士の”大人の関係”を暗示させるようなシーンがあるんですが、それを見ていてもわかりますよ。ああ、こいつら5〜6回は寝てるな、と」「アムロフラウ・ボウの関係?本当は一発ヤリたがってたんだよ!」などと、下ネタトークが全開だ。どうやら今回の『Zガンダム』はエロスを喚起させるようなシーンが満載らしい(お子様が鑑賞しても大丈夫ですか?w)。

挙句の果てには自分の好きなアイドルの事に話しが及ぶと、凄まじいハイテンションで熱く語り始める富野監督。「松浦亜弥を超えるタレントはいません!特に『午後の紅茶』のCMの、あのヘソ出しは必殺でしたね!あれ、商品化されてないんでしょうか?あったら是非欲しい!」と、映画監督とは思えないほどのヒートアップぶり。オイオイ、Zガンダムの話はどうなったんだよ!?

なお、ファンの間では結構有名な話だが、TV版の『Zガンダム』を製作中にアニメーターの北爪宏幸と意見が対立し、「ブチ切れた富野監督が北爪を平手で殴った」という噂話が業界で囁かれていたことがあった。以前、その真相を岡田斗司夫氏が北爪氏本人に確認したところ、「殴られたのは僕じゃなくて、制作進行の人です」と証言したという。作画監督の北爪氏を殴るわけにはいかないから、北爪氏を睨み付けながら制作進行を殴ったらしい。怖ッ!

しかし、その後も富野監督にまつわる面白エピソードは途切れることが無く、今回の劇場版『Zガンダム』製作中にも、アニメーターの恩田尚之と富野監督の間に様々なトラブルが発生した模様。そして、とうとう我慢の限界に達した恩田氏は、自分のホームページに現場で起こった不平不満を洗いざらいぶちまけるという、信じられない暴挙に出たのである(現在は閉鎖されている)。以下、恩田尚之氏の日記に書かれていたコメントから一部を抜粋してみた。

「2004/08/12/木曜
この日は、劇場版『Zガンダム』という仕事をやってきて最悪の日になりました。自分でも確かに安彦キャラを消化出来ず、殆どのカットが“生きた絵”という部分にまで至らずに失敗してしまっているのは認めます。しかしながら、自分のスタイルまで否定されてしまう結果になるとは思っても居ませんでしたね。

いや、そう言う結果になるかも知れないと危惧していたので、企画当初に「自分が本当にやっていいのか?」と何度となくお尋ねしていたのに……。蓋を開けてみれば予想通り……本当に予想通り。苦笑するしかない。全否定ですもん。部分的に失敗しているとかそんな話じゃない。描き方そのものを全否定ですよ。

そりゃ無いですよ!俺は、どうしてもって頼まれたから、辛かったけど渋々やっていたんですよ。限度ってモンがあります、失礼にもね。絵が気持ち悪いとか、表情が生きてないとか、そんな批判は甘んじて受けますよ。俺は一言だって安彦さんの絵が描けるだなんて言ってないし、描きたいとも言ってませんからね。いい加減気が付いて欲しいですね。

何もかもが企画通りに進んでなくて、此処に来て人選すらミスだったと言う事になる。これは、俺等頼まれアニメーターの所為では断じて無いですよ!まるで、俺個人の認識不足や勉強不足の所為で今の悪い結果になっているような扱いですが……違いますよ。勿論、実際に個人としての力量不足は有るので、それは否定しませんけどね。

もう正直、疲れました……。良いところがあったと言われれば救われていたかも知れませんけど。モチベーションはゼロです。見返してやるぞって気も勿論無いです。まあ、そうは言っても第1部に関しては最後まで責任をもってやります。良くない絵は良くない。その通りですしね。お前の絵は気持ちが悪い!大いに結構。間違ってない。俺もそう思ったし。

でも、描き方が違うという話は別。まるで違う次元の話です。しかし、そう考えると無駄な一年だった。いや、色んな意味で勉強にはなったので無駄ではないか。ギャラもスタジオ拘束費しか貰ってないけど、ダメだったんだからそれでも良いし。可哀相なのはZファンのみんなかな。申し訳ないが絵には期待しないでください。本当にすみません。

いやはや、すごい状況だ。ここまでぶっちゃけて書くなんて、恩田さん相当ストレスが溜まってたんだなぁ…(よく無事に映画が完成したもんだ)。たしかに、劇場版の『Zガンダム』はTVシリーズの絵を使いつつ、重要なシーンは新規の作画で描き直すという手法をとっているため、古い絵と新しい絵の落差が目立つ。カットによってキャラクターの顔が全く違って見えることもあり、富野監督もその辺が気になっていたのだろう。

ただ、今のアニメーターが昔の絵に合わせてキャラクターを描くのは相当難しいと思われ、ましてや安彦良和の絵に似せて描かなきゃいけないとなると、その苦労は大変なものであったに違いない(恩田さんの絵は上手いんだけど、1本の映画の中で絵柄がコロコロ変わるのは違和感があるのよね)。とにかく、お疲れさまでした!


ちなみに、先日本屋でとんでもない表紙の本を発見して腰が抜けそうになった。なんと富野監督が全裸になって何かを叫んでいるのだ!いや、写真じゃなくて絵なんだけど(ちなみにこの絵を描いたのは『ローレライ』の樋口真嗣監督)。

それにしても物凄いインパクト!いったい何の本かと思ったら、監督が様々な分野の人たちと本音トークを繰り広げる対談集だった。内容はアニメとは全く関係ないが、なかなか濃い話ばかりで読み応えがある。しかし、よりにもよってなぜこんな表紙になってしまったんだろう?買うのに相当勇気がいるぞ(笑)。

樋口監督によると、最初はもっとおとなしいデザインだったが富野監督から「勢いが足りない!」とクレームがついて描き直したらしい。おまけに本人自ら表紙と同じポーズをとって「これを描け!」と樋口氏に迫ったそうだ。あまりの迫力に樋口氏もビビって、デジカメを持つ手が震えたらしい(まさか全裸になったわけじゃないよな!?)。

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