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えっ!?「タイタニック」と「ターミネーター」が同じ映画!?

タイタニック

本日は久しぶりにタイタニックを見た。この映画については今更説明する必要もないだろう。1997年に公開されるやいなや世界中でとてつもない大ヒットを記録し、アカデミー賞11部門を制覇するという空前絶後の凄まじい記録を叩き出した史上最強のメガヒット映画だ。

全世界の興行収入は2位以下を大きく引き離して18億3500万ドルというぶっちぎりの勢いでトップを独走しており、当分の間破られる事は無いだろうと言われている。

公開当時はジェームズ・キャメロンがそれまでの「SF・アクション路線」を大幅に変更して「本格ラブストーリー」を撮ったという事でファンが仰天したのだが、先日『ターミネーター解剖』(扶桑社)という本を読んで驚いた。

この本はタイトル通り映画「ターミネーター」について書かれたものなのだが、シーンの意味やセリフの重要性や登場人物の心情などについて驚くべき細かさで分析している。一本の映画だけをこれだけ深く考察した本はあまり見た事がなく、単なるメイキング本というよりももはや「研究書」と言えるほどの物凄い密度である。

しかし僕が驚いたのはあとがきで「タイタニック」について述べている文章だ。なんと「ターミネーター」と「タイタニック」は一見全く異なる映画のように見えるが、“実は完全に同じ映画である”と述べているのだ!「ええっ!一体どういう事!?」と一瞬思ったがその根拠は実に明解である。つまり二つの映画は物語の基本構造を見比べてみると驚くほど一致している、というのだ。では実際どれぐらい似ているのだろうか。

主人公は一人の若い娘(ロサンゼルスに住む女子大生サラ:英国の上流階級の娘ローズ)で、彼女は現在の自分の状況に不満を持っている。ある日彼女は自分とは全く違う世界に住む男(未来から来た兵士リース:労働者階級の貧乏画家ジャック)と出会い、ある事件(ターミネーターの襲撃:タイタニック号からの転落)で命を救われた事をきっかけに激しい恋に落ちる。

娘は男とたった一夜限りの愛を交わすが、その後男は娘の命を助ける為に自らの命を犠牲にしてしまう。しかし男は死ぬ前に娘が知らなかった世界の存在を教える事で彼女の中に眠っていた“真の自分”を目覚めさせる。自分が持つ強さを知った娘は男との愛を深く胸に刻み、その後の人生を死んだ男の意思(機械軍の打倒自由な人生)を実現する事に捧げていく。

おお、本当だ!全く同じストーリーじゃないか!しかもどちらの映画も“未来と現在”、“過去と現在”という具合に二つの時代を交互に描いているのだ。なるほど、これだけ似ていれば「二つは同じ映画だ」と言い切っても過言ではないかもしれない。あまりにも設定や背景が違い過ぎる為に気が付かなかっただけなのだ。

結局ジェームズ・キャメロンが描きたかった事は、最新テクノロジーによって無慈悲にも引き裂かれてしまう若い二人の純愛と、過酷な死に直面しても決してあきらめることなく、未来を切り開いていく女性の強靭な意志の力だったのである。路線変更どころか、自分の原点である「ターミネーター」へと回帰していたのだ。すなわち「タイタニック」とは「ターミネーター」の壮大なるアナザーバージョンだったのである!

なんてこったあああ!ここまで一貫して自分のやりたい事をつらぬき、しかも大ヒットさせてしまうとは!ジェームズ・キャメロン、あんたスゲーよ!!尊敬するよ!!!でもお願いだから早く次回作を撮って下さいッ!!!!!

出演:レオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレットビル・パクストン、音楽:ジェームズ・ホーナー