ひたすら映画を観まくるブログ

映画やアニメについて書いています

富野由悠季監督作品『機動戦士ガンダム』裏話

本日「ターンエーの癒し」という本を読んだ。著者の富野由悠季は「機動戦士ガンダム」の生みの親であり、ターンエーとは富野監督が手掛けた「ターンエーガンダム」の事である。

すなわちこの本はターンエーガンダムの制作秘話について書かれたものなのだが、それだけに止まらず富野監督自身の体験した苦しみや悩みや不平不満などを赤裸々に告白しているのだ。要するに延々と監督の愚痴が綴られているのだが、これがなかなか面白い。

今更言うまでも無く「ガンダム」とは知名度抜群のロボットアニメである。ファーストガンダムから既に25年も経っているのにいまだにTVシリーズは継続しているし、プラモやゲームを出せばバカ売れというまさにバンダイのドル箱商品だ。

しかし権利の全てを会社に買い取られてしまった為に、そんなヒットキャラクターを生み出した富野監督自身には1銭も入ってこないのである。ちなみに買い取り金額は税込みで30万円だったらしい。「およげ!たいやきくん」の子門真人みたいなものだろうか。

しかし悲劇はそれだけに止まらず、皮肉な事に自らが生み出した「ガンダム」というヒット商品によって延々と苦しめられる事になってしまったのだ。自分の提案した企画は全てボツにされ、映画もTVも与えられる企画はガンダムばかり。

そんな現状に嫌気がさして「ガンダムなんか潰してやる!」と半ばやけくそで作った「Vガンダム」だったが、それでもガンダムに終止符を打つことは出来なかったのだ。この頃から監督は体調の不調を訴え、眩暈や耳鳴りに悩まされ、救急車で運ばれるようになった。

そしてついに精神的におかしくなり、「鬱病」と診断されてしまうのである。やがて一人で外を歩く事も出来なくなり、部屋に引きこもって「自分をこんな目に合わせた連中に復讐してやる!」と毎日危険な妄想を膨らませるようになっていくのだ。サンライズをターゲットに定め、駅前からサンライズの事務所まで抗議のビラを貼りまくる計画を立てる、という具合にどんどん妄想は加速してゆく。

挙句の果てには「俺はSMが大好きなんだ!」と、とんでもないことまでカミングアウトするしまつ。SM物のポスターを貼りまくってやる!とアブナイ妄想は止まる所を知らず、もはや手が付けられない状態だ。

この他にも、スタッフを引き連れてゲイバーに行ったり、「キャラが気に入らない」と言っては作画監督を殴ったり、飲み屋でサンライズのプロデューサーに、叩き割ったビール瓶を突き付けて凄んで見せたりするなど、「武勇伝」には事欠かない。まさに“伝説の監督”である。

そんな富野監督も「ターンエー」で無事社会復帰を果たし(視聴率は最悪でフジテレビの上層部は顔面蒼白だったらしいが)、今年は「Zガンダム」の劇場版の公開が控えているのだ。しかしその傍若無人ぶりは相変わらずで現場ではトラブルが続出した模様。

作画監督恩田尚之は「こんな仕事、もう降りる!」と自身のホームページで怒りを爆発させていたほどだ。果たしてどんな映画に仕上がっているのか、そして富野監督はこれからどうなってゆくのか興味は尽きない。ともかく一つだけ言える事は富野監督には今後も続々と面白い“伝説”を生み出していただきたい、という事だけだ!

というわけで「機動戦士ガンダム・劇場版三部作」のDVDを購入したのだが、噂に違わず酷い有様だ!基本的にストーリーは同じだが、リニューアルと称して新アフレコによるドルビーデジタル5.1チャンネルのサウンドに改変されているのだ。

ニュープリントからのデジタルリマスターで画質が向上しているのは有難いが、音声を全てダビングし直すというのはいただけない(ついでにアホみたいに高い価格設定も何とかして欲しい。客をナメてんのか!?)。声優さんも一部を除いてほぼオリジナルのメンバーで頑張っているのだが、いかんせん最初の録音から20年の時が経過しており、声の衰えによる違和感は隠し切れない(アムロの「マチルダさああ〜ん!」がかすれてる)。

それでも“初めてこれでガンダムを見る”という人には問題無いレベルなのかもしれないが、こちとら長年に渡ってガンダムを見続け劇場版のLDも擦り切れるほど見まくったという「ガンダムバカ」なので、この改変はとても許容できるものではない(ちなみに「ファーストガンダム」以外は眼中に無いのでガンダムオタクではありません)。

声優の問題以外にもBGMが変更されていたり、武器の音がおかしかったりとファンの間でも不平不満が爆発したらしい。特にショックだったのは「哀・戦士編」でのジャブロー戦闘シーンで主題歌がかからないことである。個人的には数々の劇場用アニメーションの中でも屈指の名場面だと思っていただけに残念でならない。富野監督自身は「当時の音響技術ではシーンを支え切れるだけの効果を実現出来なかったので、派手な主題歌でごまかしていただけ」と述べている。

しかし戦闘の高揚感と絶妙のタイミングで掛かる主題歌との相乗効果によって、多くの観客が圧倒的な興奮を得られた事もまた事実であると思うのだが。別トラックでオリジナル音声を収録できたはずなのにそれをしなかったのは、富野監督のこだわりなのか。おかげで一度売り払ったLDをまた買い直すハメになってしまった。どーしてくれる!?


●人気記事一覧
これはひどい!苦情が殺到した日本語吹替え版映画ワースト10
まさに修羅場!『かぐや姫の物語』の壮絶な舞台裏をスタッフが激白!
日本映画のレベルが低くなったのはテレビ局のせい?
町山智浩が語る「宮崎アニメの衝撃の真実」
「映像化不可能」と言われている小説は本当に不可能なのか?


このブログについて(初めての方はこちらをどうぞ)
トップページへ