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クァク・ジョエン監督/韓国映画『ラブストーリー』映画感想

ラブストーリー

■あらすじ『女子大生のジヘはある日、自分の母が昔もらったラブレターを偶然発見、熱心に読み始める。彼女は今学校の先輩に片思いしている真っ最中だったのだ。しかしこの二つの恋愛には意外な結末が待っていた。母子二代にわたる、愛と感動の物語!』



なんという単純かつストレートなタイトルであろうか。なるほど、これならSF映画と間違える人は絶対にいないだろう(笑)。原題は「CLASSIC」でラブストーリーとは共通項は全く無いが、内容は紛れも無く「ラブストーリー」だ。

この映画の特徴は、「ジヘの恋愛」と「彼女の母の恋愛」が交互に描かれている点である。つまり”時間軸の異なる二つのラブストーリー”が同時に進行する映画なのだ。

現代パートではジヘと彼女の親友が一人の先輩に片思いをする。そして過去パートではジヘの母が二人の同級生から愛を告白される、という「二つの三角関係」を描いたドラマという点が独特で面白い。

ただ、はっきり言ってかなり「ベタ」な展開である。ポイントとなるアイテムも手紙、日記、ペンダントなど「恋愛モノ」では定番の小道具だし、「ここぞ!」というシーンでは必ず「癒し系」のBGMが流れるという徹底ぶり。

正直ここまでベタでいいのか?と思うほどの「お約束」のオンパレードだが、次々とドラマに変化が起きるので退屈はしない。どちらかと言えば「現代」より「過去」のシーンの方が、変化が劇的なので見ていて面白かった。

この映画の最大の見所はクライマックス。二つの恋愛劇もほぼ決着してそろそろ終わりかと思いかけた時、衝撃の事実が発覚するのだ。一見接点の無さそうだった”二つのラブストーリー”が、ある瞬間に交差するのである!ストーリーのあちこちに伏線が張ってあるので、途中でこの「どんでん返し」に気付く人がいるかもしれない。

しかし単なる恋愛物語で終わらせず、最後に一ひねり加える事によってもう一つ別の感動を生み出すという独特の構成は見事!この一点において他の”ラブストーリー”とは一線を画していると言っていいだろう。

確かに「ご都合主義だ!」と拒否反応を示す人がいるかもしれないが、それまでにさんざん「お約束」な展開を見せられているので(個人的には)ほとんど気にならなかった。欠点は「やや長い」という事。特に中盤以降の展開がもうちょっと…という感じだが、それでも十分にオススメ出来ます。

主演:ソン・イェジェン、チョ・スンウチョ・インソンイ・ギウ
監督:クァク・ジョエン

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