■あらすじ『主人公のメグ(ジョディ・フォスター)は夫と離婚し娘と2人でニューヨークの邸宅に越してきた。その家は元々大富豪の家で、「パニック・ルーム」と呼ばれる緊急避難室が設けられていた。しかしその夜、3人の強盗が大富豪の残した財産を狙って侵入して来たのだ!パニック・ルームに立てこもった親子2人の運命は果たしてどうなる!?』
この映画一応サスペンスではあるが、「ハードなサスペンス映画」を期待すると少々ガッカリするかもしれない。はっきり言って緊張感がユルユルなのだ。原因は、3人組の泥棒があまりにも間抜け過ぎるからではないかと。
家に侵入した時点で「人が住んでいる」という予想外の事が起こり、いきなり段取りが狂ってあたふたする泥棒。その後は仲間割れが始まったり、次々と頭の悪い展開が続出するのだ。例えるなら”シリアスなホーム・アローン”といった感じである。
とにかく泥棒達のやること成すこと、全て裏目に出るというトンチンカンぶりは結構笑えるものの、こういうのって普通はコメディでやることなんじゃないだろうか?にもかかわらず、しっかり人も死ぬ”真面目なサスペンス”として作られている点が何ともチグハグな感じ。それなりにドキドキするシーンはあるんだけど、サスペンスと呼ぶにはかなり中途半端に見えてしまう。
オープニングに出る「空中を漂うスタッフ・クレジット」などの描写は珍しくて面白いし、キャラクターについては”ハリウッドの笑福亭鶴瓶”ことフォレスト・ウィテカーが演じる泥棒が結構いい人で好感触。映画全体としては決して悪くはない。ただ、もう一つ何かが足りないような感じが残念だった。
ちなみに元ダンナの恋人役で、ニコール・キッドマンが出ているんだけど、気付いた人はいるだろうか(僕は全く気付かなかった)。実はメグが元ダンナに電話を掛けるシーンで、なんと「声だけ」出演しているらしい。なるほど、そうだったのか!ってそんなのわかるわけないじゃんw
主演:ジョディ・フォスター、フォレスト・ウィテカー
監督:デビッド・フィンチャー