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『僕の彼女を紹介します』映画感想

僕の彼女を紹介します

■あらすじ『ギョンジン(チョン・ジヒョン)は、仕事に燃える熱血女性警察官だ。ある日、誤認逮捕が元で知り合った高校教師、ミョンウ(チャン・ヒョク)と恋に落ちる。無鉄砲なギョンジンを、ハラハラしながら見守るミョンウは、何があっても彼女を守ると心に誓った。ある夏、車で旅行に出た2人は落石事故にあい、川に落ちたミョンウが意識を失ってしまう。ギョンジンの必死の処置で一命を取りとめたミョンウは、彼女への気持ちを一層強くするが、そんな2人に過酷な運命が待ち受けていた。
日本で韓国恋愛映画の一大ブームを巻き起こした『猟奇的な彼女』の名コンビ、クァク・ジェヨン監督とチョン・ジヒョンが再び組んだ、愛と感動のラブストーリー!』



本作は、「劇場で観よう」と思っていたのにタイミングが合わず、結局観そびれてしまった映画である。今回、ようやくDVDにて鑑賞。しかし、劇場公開時は大ヒットしたものの、評判はあまり良くなかったようなのでその辺も気になっていたのだが結果は・・・

う〜ん、どうだろう?かなり微妙ですな。まず前提として、観客は「この映画は普通の恋愛ドラマと比べて作劇方がかなり特殊である」、という事を認識しておかなければならない。彼と彼女の“恋愛”の描写や“笑い”のシチュエーションなどがあまりにもベタなのだ。

●雨の中をずぶ濡れになりながら男女が楽しそうにスローモーションでハシャギ回る。
●バックにこれ以上無いほどのベタなBGMが流れる。
●主人公の周りをカメラがクルクルクルクルと何回転も回り続ける。
●「ええっ、うそ〜!?」と観客をビビらせるような、唐突な展開が続出する。

など、通常の映画ではあまり見かけないような“独特の演出”が満載なのだが、これこそがクァク・ジェヨン監督の特徴なのだ。したがって、猟奇的な彼女』や『ラブストーリー』を観て「ダメだ!」と思った人は“合わない”という事なので観ない方が良いでしょう。

では『猟奇的な彼女』を楽しめた人なら大丈夫かと言うと、それでもちょっと厳しいかなあ、という感じ。僕は『猟奇的な彼女』は好きなんだけど、あの映画は始めからコメディの要素が強く、少々強引な展開でも「まあコメディだから」と割り切って観る事が出来たのだ。

しかし、『僕の彼女を紹介します』は途中からどんどんシリアスなドラマになっていき、それに伴って“とんでもない展開”によるリアリティとのギャップが益々大きくなっていく所が最大の問題だと言える。

警察官が犯人を追跡中に、自分の恋人に電話を掛けたりするだろうか?危険な場所に自ら侵入して銃で撃たれるのは自業自得では?ビルの屋上から飛び降りた後の展開は、いくらなんでも有り得ないだろ?など、突拍子も無いシチュエーションの数々にだんだんついていけなくなってしまうのだ。

おまけに、XJAPANの起用をはじめ、全体的に楽曲のセンスがヒドすぎる。別にXJAPANは悪くないが、恋愛映画の曲の選び方にはもう少し気を遣ってもらいたいものだ。

というわけで結論としては、まず『猟奇的な彼女』を(観てない人は)事前に観る事をオススメする。どちらの映画もかなりムチャな話なのだが、『猟奇的な彼女』の方がムチャな展開のさせ方が上手いのだ。先にこれを観ておけば、「なるほど、こういう映画なんだ」とクァク・ジェヨン監督の映画に対してある程度免疫が出来ると思う(笑)。

しかも、『僕の彼女を紹介します』のエンディングには“あるサプライズ”が仕掛けてあり、『猟奇的な彼女』を観ているかどうかで驚きが違ってくるのである。どうやら(設定は若干異なるが)『僕の彼女を紹介します』の後日談が『猟奇的な彼女』であるらしく、「あ〜、ここであの人が出てくるのか〜」と、何か得したような気分になれると思います(笑)。でもやっぱり、『猟奇的な彼女』の方が面白いかなあ。


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