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映画『インファナル・アフェア』ネタバレ感想

インファナル・アフェア

アンディ・ラウトニー・レオン主演の『インファナル・アフェア』を鑑賞。香港映画お得意のバリバリの刑事アクション物かと思ったら、意外にもサスペンス要素の強い犯罪捜査物(というかヤクザ映画)だった。

ありがちなカンフーシーンや銃撃戦などの派手なアクションがほとんど無いので、一見画面が地味に見える。しかし全編に漂う凄まじい緊張感のせいで、一瞬たりとも目が離せない!

香港映画といえば「カンフー」と「銃撃戦」しか思い浮かばない偏った選択を日頃からしているせいか、僕の目には実に新鮮に映った。高いテンションを維持したまま、最後まで一気に見せ切る構成力も非常に素晴らしい。

ただ、話は面白いのだがキャラクターがちょっと……という感じだ。主役を演じる2人は香港の人気スターで実力もあり、安心して見ていられる。問題は2人のうちどちらに感情移入して映画を見るかだが(両方という意見もあるだろうが)、やはりトニー・レオンの方ではないかと思う。

彼はマフィアに潜入捜査している「正義」の側の人間である。一方のアンディは警察に潜入している「悪」の側の人間だ。一般的に考えて「正義」の方が感情移入し易いし、自分の身分をひたすら隠し、常に「いつバレるか」と怯えながら暮らす彼の苦悩ぶりが実に良く伝わってくる。病院に通ったり、昔の彼女に会ったりと彼の日常もアンディよりも詳しく描写している感じだ。


※以下完全にネタバレ!


しかし、トニーに感情移入しているとラストシーンにどうも納得がいかないのだ。あんな終わり方でいいのか?と思わずにはいられない。といってもアンディに感情移入すると、別の意味で納得がいかないのだ。

一体彼は何がしたかったのか?途中までは自分のボスの命令を忠実に守り、警察の妨害をしていたのに、ある時急にボスを裏切って殺してしまう。そしてクライマックスでは「自分は善の心に目覚めた」と言っておきながら、その数分後には仲間を撃ち殺してしまうのだ。いったい彼の本心は善なのか悪なのか、混乱してしまう。

出演者:アンディ・ラウトニー・レオンアンソニー・ウォンエリック・ツァンケリー・チャン、監督:アンドリュー・ラウ