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『ジュラシック・ワールド 炎の王国』 CGとアナログの合わせ技!

映画『ジュラシック・ワールド 炎の王国』

映画『ジュラシック・ワールド 炎の王国』


どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

さて本日、金曜ロードショージュラシック・ワールド 炎の王国』が地上波初放送されます。

全世界に衝撃を与えた『ジュラシック・パーク』が公開されたのが27年前の1993年。その後、2作の続編が作られ、2001年に3作目の『ジュラシック・パーク3』が公開されました。

それから14年後の2015年に待望の第4作目が公開!タイトルも新シリーズを意識して『ジュラシック・ワールド』と改め、世界中で大ヒットを記録したのです。

ジュラシック・ワールド 炎の王国』は、そんな『ジュラシック・ワールド』の続編、及びシリーズ通算5作目として2018年に公開され、これまた大ヒットしました(1作目から数えると実に25年ぶりの最新作!)。

あらすじ:ジョン・ハモンドの夢だった恐竜テーマパーク「ジュラシック・パーク」の遺志を継ぎ、サイモン・マスラニが実現させた「ジュラシック・ワールド」は、ハイブリッド恐竜の暴走により崩壊した。それから3年、島の火山が噴火し、絶滅の危機にさらされている恐竜たちを救おうと、恐竜保護団体を立ち上げたクレア(ブライス・ダラス・ハワード)に、謎の組織「ロックウッド財団」が接触。そしてヴェロキラプトルの”ブルー”を保護するためにオーウェンクリス・プラット)にも協力が求められた。こうして彼らは再び恐竜たちの島を訪れ…

本作の見どころは、もちろん大量に登場する恐竜たちですが、ティラノサウルスブラキオサウルストリケラトプスやステゴサウルスなど毎度お馴染みの恐竜から、カルノタウルスやバリオニクス、アロサウルス、シノケラトプスなど初登場の恐竜まで、その種類はシリーズ最多を誇っています。

中でも要注目は、遺伝子学者によって作り出されたハイブリッド恐竜:インドラプトル(インドミナス・ラプトル)でしょう。前作で主人公たちを苦しめた大型肉食恐竜インドミナス・レックスに、「人間に次ぐ知能を持つ」と言われるヴェロキラプトル”ブルー”のDNAを加えた最強の生物!

映画『ジュラシック・ワールド 炎の王国』

映画『ジュラシック・ワールド 炎の王国』

前作は主にデカい恐竜たちの派手なバトルがメインでしたが、本作ではこのインドラプトルを中心とした小型恐竜によるサスペンスフルな攻防戦が後半の見どころとなっています。そのため、J・A・バヨナ監督はアニマトロニクスを多用しました。

アニマトロニクスとは、生物を模して作られた精巧なロボットのことで、1作目の『ジュラシック・パーク』ではスタン・ウィンストンによって実物大のT-レックスが作られ、そのリアリティ溢れる動きに観客騒然!CGで作られた恐竜と共に凄まじいインパクトを与えたのです。

ところが、前作の『ジュラシック・ワールド』では、『3』から14年も経ったことでCG技術が飛躍的に進歩し、アニマトロニクスの出番もなくなり、一部のシーン(アパトサウルス)を除いてほぼ全ての恐竜がCGで作られることになったのですよ。

これは特に珍しいことではなく、近年の大作ハリウッド映画では「画面の中に占めるCGの割合」がどんどん増加しており、2016年の実写版『ジャングル・ブック』では、なんと主人公の少年以外、全てCGの動物で埋め尽くされるという状態になりました。

なので最新作の『炎の王国』もフルCGになるのか……と思いきや、本作のJ・A・バヨナ監督は「実写で撮影できる映像は実写で撮りたい」と考え、CGだけでなくアニマトロニクスも採用。

なんと『ジュラシック・パーク3』から17年ぶりにアニマトロニクスの実物大T-レックスが復活したのです!主人公らが恐竜に乗っかってベタベタ触るなど、CGでは表現が難しいシーンを実写で撮影することで、見事な臨場感を生み出しました(このシーンもアニマトロニクス↓)。

映画『ジュラシック・ワールド 炎の王国』

映画『ジュラシック・ワールド 炎の王国』

ちなみに、1作目のアニマトロニクスT-レックスは手作業でしたが、本作では「型」を作るために3Dプリンターが使われたそうです。ただし、あまりにも巨大すぎて一気にプリントアウトできず、数十個のパーツに分けて出力し、それをパズルみたいに組み立てて実物大の恐竜を作ったらしい。スゲー!

現在、多くのハリウッド大作映画ではCGが主流ですが、アニマトロニクスを使うことでどんな効果が得られるのか?本作のVFXを担当した特殊効果スーパーバイザーのニール・スカンラン氏は次のように答えています。

アニマトロニクスの利点は、実物が目の前にあることで俳優や女優が瞬時に状況をイメージしやすいことでしょう。また、監督が指示を出す際にも具体的なアプローチが可能になります。CGは信じられないぐらいの能力があり、見たこともないようなヴィジュアルを表現できますが、デジタルと実物を組み合わせることで、さらに斬新な映像を見せられると思っています。

というわけで本作は、CGとアニマトロニクスの合わせ技により、まるで恐竜がそこにいるような(まあ撮影現場では実際にそこにいるんですがw)凄まじいリアリティを醸し出し、観客の度肝を抜きまくりました。CGもいいですが、やはり精密に作られたアナログ特撮もいいですね。

 

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『ターミネーター:ニュー・フェイト』はなぜ失敗したのか?※ネタバレあり

映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』

映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』


どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

さて、現在公開中のシリーズ最新作ターミネーター ニュー・フェイト』ですが、評価に関しては賛否両論大きく分かれており、決して批判的な意見ばかりではありません。

それどころか、2015年に公開された『ターミネーター:新起動 ジェニシス』よりも観客の評価はむしろ高いぐらいで、そういう意味では「健闘している」と言えるでしょう。

『ターミネーター:新起動 ジェニシス』の評価

ターミネーター:新起動 ジェニシス』の評価

『ターミネーター ニュー・フェイト』の評価

ターミネーター ニュー・フェイト』の評価

しかし興行的には、残念ながら製作者たちの期待に応える結果とはなりませんでした。

現時点での全世界興行収入は2億4900万ドルですが、製作費は1億9600万ドル(約212億円)と言われており、さらに莫大なマーケティング費用もプラスされます。

これを回収するためには「最低でも4億8000万ドル以上の売り上げが必要」と見られてるんですけど、もはやその数字は絶望的で、業界関係者によると「100億円規模の赤字になるかもしれない」とのこと(※最終的な興行収入は2億6000万ドルだった)。

さらにアメリカの経済誌フォーブスで「『ターミネーター ニューフェイト』はこの世の終わりのような爆死を遂げた」などと報じられたり、完全に失敗作の烙印を押されてるんですよねぇ。

では一体、どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?その理由を自分なりに検証してみたいと思います。

 

※以下ネタバレしているので未見の方はご注意ください


●ジョン・コナーの扱いがひどい
まず最初はジョン・コナーについて。本作が公開される前に、とあるイベントでジェームズ・キャメロンが「実はエドワード・ファーロングも出てるんだよ」とコメントしたため、「えっ!ジョン・コナーが登場するの!?」とファンは大興奮。

僕も大いに期待してたんですが、結果は「『ターミネーター2』の後に生き延びたジョン・コナーが再びターミネーターに襲われて撃ち殺される」という非常に残念な内容でした。

キャメロンは「『ターミネーター』シリーズの主人公はサラ・コナーなので、ジョンは必要ないだろう」と考え、いきなり冒頭シーンでジョンを殺したらしいのですが、それってどうなんですかね?

ターミネーター2』が素晴らしかったのは、サラやT-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)がジョンを守って懸命に戦う姿や、「ジョンとT-800が互いに影響を受け合って大切なことを学んでいく」というドラマチックな展開に感動したからで、そのジョンを殺してしまったら『ターミネーター2』そのものを否定することになるんじゃないの?

これが『T2』と関係ない話なら、まだ分からなくもありません。しかし「『T2』の正当な続編!」と大々的に謳っておきながら重要キャラクターをいきなり殺してしまうってひどくない?『ターミネーター:ニュー・フェイト』を観た人の多くも、このシーンには納得できなかったんじゃないかなぁ。

そもそもキャメロン自身が『エイリアン3』に対して「『エイリアン2』の生き残りのキャラクターを最初の数分で葬り去ったデヴィッド・フィンチャーにはマジで頭にきた」などと批判していたくせに、自分も同じことをやるってどういうことだよ!?

なお、『ターミネーター:ニュー・フェイト』に登場するジョン・コナーの姿は、エドワード・ファーロングをCGで若返らせ、その顔を子役のジュード・コリーに合成して再現したそうです(CGとは思えないほど本人そっくり!)。

『ターミネーター ニュー・フェイト』より

ターミネーター ニュー・フェイト』より


●サラ・コナーのポジョションが中途半端
愛するジョンを殺され「復讐の鬼」と化したサラ・コナーは、未来から送り込まれてきたターミネーターを片っ端から破壊しまくる”ターミネーター・キラー”となるわけですが、「『ターミネーター』シリーズはサラ・コナーの物語だ」とか言ってる割には、サラを中心としたドラマ構成になってないんですよね。

本作のキャラクター配置を見ると「守られる女(ダニー) + 守る女(サラとグレース)」が主人公サイドで、この3人の「ストーリー上における比重」はほぼ均等化されています(厳密に言うとグレースの比重がやや大きく、次いでサラ、ダニーという感じ)。

グレース(マッケンジー・デイヴィス)は言うまでもなく1作目のカイル・リースに相当するキャラクターなんですが、問題はダニー(ナタリア・レイエス)が1作目のサラ・コナーほど魅力的なキャラに見えないこと。代わりにサラが前に出すぎ…というより、リンダ・ハミルトンの存在感が強すぎてキャラのバランスがおかしなことになってるんですよ。

もし本当に本シリーズがサラの物語なら、もっとサラのポジションを明確にしないとダメでしょう。”主人公”でもない割にはかなり目立ってるし、かと言ってストーリーの中心的人物でもないし、もの凄く中途半端なんですよね。

つーか、ダニーって守られすぎじゃね?グレース、サラ、T-800という「3人の強キャラ」にガッチリとガードされているせいで、主人公としての存在感が薄くなっちゃてるような気がするなぁ。


●T-800の設定がおかしい
ターミネーターは本来「人類を抹殺するために作り出されたマシン」で、『T2』の時は捕獲したターミネーターを再プログラムし、「ジョン・コナーを守れ」という指令を新たに与えたから主人公たちの味方になったわけですが、本作のT-800は勝手に「いいロボット」になってるんですよね(どういうことなの?)。

もしかしてスカイネットのプログラムでは「目的を完了したターミネーターは以降の自由行動を許可する」「人間と仲良くなってもOK!」みたいな指示になってるんでしょうか?そんなバカなw

この辺の設定が曖昧なせいで、シュワちゃんが「カールおじさん」を自称し、人間社会に溶け込んで幸せな家庭を築いているという状況が全く飲み込めませんでした。つーか、人間と一緒に暮らすだけならまだしも、サラにターミネーターの到着情報をいちいちメールで連絡するとか、不可解な行動が多すぎるでしょ。


●みんなターミネーターに飽きている?
映画『ターミネーター』のあらすじをもの凄く簡単に言うと「未来からやって来た恐ろしいロボットに主人公が追いかけ回される話」です。しかし(身もふたもない言い方になってしまいますが)そろそろ皆さん、こういうストーリーに飽きてきてるんじゃないのかな?と(笑)。

なぜなら、『ターミネーター』シリーズは基本的に「凶悪なマシンが執拗に主人公を追い回し、途中で銃撃戦やカーチェイスなどの派手なアクションを見せつつ、最終的には工場みたいな広い場所で戦って主人公が勝つ」というストーリーを何度も何度も繰り返しているからです。

当然、『ニュー・フェイト』もこういうストーリー構成になっており(まあ「この”お約束”を外したらターミネーターじゃなくなる」という事情も分かるんですけど)、さすがに「同じような展開を何回見せられるんだ?」と(苦笑)。

でも基本プロットは変えられないから、何か変化を付けようとしても、敵の設定やデザインを変更するとか、アクションシーンをもっと派手にするとか、それぐらいしかやり様がないわけですよ。

そう考えると『ターミネーター2』はすごい続編でしたねぇ。前作よりも強い敵を出しつつ、前作の敵を味方にするという逆転の発想!2作目でこんなことをやられたら、後のシリーズはもうこれ以上のサプライズなんて思い付かないよ…。


というわけで、『ターミネーター:ニュー・フェイト』がいまいちヒットしてない理由をあれこれ考えてみたんですが、やはりターミネーターに飽きてる説」が一番有力な気がしますね(笑)。

個人的には、リンダ・ハミルトンが28年ぶりにシリーズに復帰したことは嬉しいんですけど、それ自体が見どころになってしまい、物語上の必然性をあまり感じられなかったのが残念でした。

あと、「スカイネットを倒したら次はリージョンだ!」っていつまで経っても終わらねえじゃねえか!と(笑)。続きを作る気満々なラストシーンですが、大赤字になってしまったのでちょっと(かなり)難しいでしょうねぇ。

 

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『ターミネーター2』は本当はハッピーエンドになるはずだった?削除されたラストを解説してみる(ネタバレあり)

映画『ターミネーター2』より

映画『ターミネーター2

どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

さて現在、映画館でシリーズ最新作の『ターミネーター:ニューフェイト』が上映中ですが、それに合わせて昨日、地上波テレビで2作目のターミネーター2が放送されました。

ご存知、ジェームズ・キャメロン監督が作った『ターミネーター』の続編で、1991年に公開されると全世界で5億ドル以上の大ヒットを記録し、日本でも90億円近くの興行成績を達成しています。

そんな人気作『ターミネーター2』ですが、ラストがどんな終わり方だったか、意外と覚えている人は少ないんじゃないでしょうか?たぶん、みんなの記憶にあるのは溶鉱炉のシーン」だと思います。

よくネットでもネタにされている「『○○○○○』は感動した。特に親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいくラストシーンは涙無しには見られなかった」ってヤツですね(笑)。

テンプレの方が有名になりすぎて、『T2』を知らないまま使っていた人が今回のテレビを観て「これが元ネタだったのか!」と驚いたそうですが(笑)、それぐらいこのシーンの印象が強いということなのでしょう。

だがしかし!

実は『ターミネーター2』のラストってこれじゃないんですよね。シュワちゃん溶鉱炉に沈んだ後、もう少しだけ続きがあるんです。それは車に乗って暗い道路を走っているシーンで、そこにサラのモノローグが重なります。

「目の前には未知の未来が…。だが今は希望の未来が見える。機械のターミネーターが生命の価値を学べるなら、我々も学べるはずだ」

映画『ターミネーター2』より

映画『ターミネーター2

このセリフの後にエンドロールが流れるんです。つまり、『ターミネーター2』は「溶鉱炉」じゃなくてサラのモノローグで終わってるんですよ。一応、サイバーダイン社を破壊したことで”審判の日”は回避したものの、果たして未来はどうなるのか…そんな不安を暗示させるようなラストシーンでした。

ところが!

当初、ジェームズ・キャメロンが書いた脚本では、もっとはっきりとハッピーエンドで終わる結末になっていたそうです。それは以下のような内容でした。

『T2』での戦いから35年後、64歳になったサラ・コナーが晴れた日に公園のベンチに座り、ICレコーダーに何かを吹き込んでいる。スカイネットの反乱は起こらず、平和なままで迎えた2029年の世界。

映画『ターミネーター2』より

ターミネーター2(別エンディング)』

この世界ではジョン・コナーは政治家になり、妻や娘(サラの孫)と幸せに暮らしていた。そしてサラは可愛い子供たちの笑顔を見ながら、以下のようにつぶやくのだった。

「ジョンは今、上院という戦場で戦っている。武器は”常識”、そして”希望”だ。私はターミネーターのおかげで希望を持つことが出来た。機械が生命の価値を学べるなら、我々も学べるはずだ」

映画『ターミネーター2』より

ターミネーター2(別エンディング)』

…という具合に、最後のセリフ自体は同じですが画面から受ける印象は劇場版の「暗い道路」とは全く異なりメッチャ明るい!

なぜこれがカットされて劇場版のような終わり方になったのか?その理由は「ハッピーエンドが確定した未来では、この映画全体のトーンと調和しないから」というものでした。

ジェームズ・キャメロン監督によると「2時間以上も暗く荒々しいシーンが続いた後に、いきなり”明るい太陽の光が降り注ぐ公園”や”笑顔で遊ぶ子供たち”が映ったら、ギャップが大きすぎてバランスが悪い」とのこと。

また、キャラクターの性格面からも「激しく躍動的なヒロインだったサラの”年老いて傍観者となった姿”は受け入れ難かった」「10歳で派手な破壊行為に関わったジョンのような非行少年が、どうやって上院議員になったのか?という疑問も生じる」など、納得できない部分があった模様。

さらに「このエンディングでは1作目のストーリーに繋がらず、”タイム・パラドックス”を観客に説明する場面も無い」など様々な理由により、結局このシーンは本編からカットされてしまいました。

実はこの「ハッピーエンド版」の『ターミネーター2』は、一般公開される前にジョージ・ルーカスのスカイウォーカー・ランチで「極秘試写会」が実施されたんですが、観客の反応は「エンディングが気に入らない」という意見でほぼ一致したそうです。

その結果を見てキャメロンは「めでたしめでたしで物語を締め括るのではなく、むしろ”この闘争に終わりはない”と提示した方が、本作のメッセージが的確に伝わるのかもしれない」と考え、公開の1か月前に急遽シナリオを書き直し、”夜のハイウェイを走る映像”に変更したらしい。

こうした事情により、リンダ・ハミルトンは64歳のサラ・コナーを演じるために6時間もかけて特殊メイクを施し、マイケル・エドワーズも「顔に傷のない大人になったジョン・コナー」を演じたにもかかわらず、残念ながらお蔵入りになってしまったのです。

まあ、確かにラストだけ雰囲気が違いすぎるのもアレですからねぇ。正しい判断だったんじゃないでしょうか。

ちなみに、このエンディングに関してはジェームズ・キャメロンの中で”もう一つの構想”があったそうです。それはなんと、「サラがカイル・リースと再会する」というもの!

1作目の『ターミネーター』の時、カイルはこう言っていました。「自分は2029年のロサンゼルスからやって来た」と。つまり、この「ハッピーエンド版の世界」ではカイルが生きてるんですよ!

もしキャメロン監督のアイデアが実現していれば「たまたま公園にやって来たカイルをサラが見つけ、兵士ではなく普通の人として暮らしている彼の姿を見て涙を流すが、声をかけずにそのまま静かに去っていく」というラストシーンになる予定だったそうです。

なぜこの案が採用されなかったのかは分かりませんが、『ターミネーター2 特別編』にはサラの夢の中にカイルが出て来る場面があるので、「これ以上必要ない」と判断したのかもしれません。

映画『ターミネーター2』より

ターミネーター2 特別編』

ただ、個人的にはちょっと見てみたかったですね。この世界線(ハッピーエンド版)のカイルはサラのことを知らず、当然サラに会ったとしても何もわからないでしょう。

しかし、共に激しい戦いをくぐり抜け、互いに愛し合ったカイルのことを、サラはしっかりと記憶しているのです。

未来を変えたことで”二人が結ばれた世界”は消えてしまいましたが、これはこれで美しいエンディングだったのではないでしょうか。