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傑作ディズニー・アニメーション『美女と野獣』


■あらすじ『フランスの小さな田舎町に住むベルは、読書と空想にふけるのが大好きな女の子。ところが父の命と引き換えに、魔法にかけられたお城に住む恐ろしい野獣の元で人質となることを引き受け、本で読むよりもっとワクワクする世界に足を踏み入れてしまった。お城での生活には、お母さんのようなティーポットのポット夫人をはじめ、きらめくロウソク台のルミエールなど、魔法をかけられた家財道具がいっぱい。そしてベルは、一見恐ろしい野獣にも本当は別の素顔があることに気付く。果たしてベルの真実の愛は、魔法で野獣の姿に変えられてしまった王子の呪いを解くことができるのか?』


本日、水曜プレミアシネマでディズニーの長編アニメ『美女と野獣』が放映されます。今では貴重な手描きのアニメーションですよ。僕は、どういうわけかディズニーアニメの中ではこの『美女と野獣』が一番好きでして、劇場で観て、LDを買って、DVDを買って、今まで何度も観てるんですけど、なぜ好きなのか理由は良く分からないんですよね(笑)。とにかく、ベルと野獣がダンスを踊るシーンとかが好きで観飽きません。たぶん、ヒロインの顔が他のディズニー作品と比べて日本人に馴染みやすいからじゃないかと思います。

そんな本作が公開された1991年当時、ウォルトディズニーアニメーションスタジオは『アラジン』や『ライオン・キング』など、数々の優れた手描きアニメを世に送り出していました。しかし『トイ・ストーリー』が発表された1995年以降は、興行的に苦戦を強いられるようになります。

やがて、徐々にCGの比率が増え始め、『美女と野獣』の華麗なダンスシーン、『アラジン』の洞窟脱出シーンなどを経て、『ライオン・キング』のスタンピードシーンや『ノートルダムの鐘』におけるモブ・シーンの群衆の表現など、次第に「背景の3DCG化」から「キャラクターの動作シミュレーションを含む3DCG化」へと変化していきました。

そして、近年は『ボルト』や『塔の上のラプンツェル』など、フル3DCGによる制作が主流になっており、興行成績もCGアニメの方が優れているという結果が出ています。そんな状況の中、ついにディズニーが「今後は手描きアニメーションによる映画作品を製作しない」と発表。同社CEOを務めるボブ・アイガー氏は先日行われた株主総会で、「わたしの知る限り、今現在2Dや手描きアニメによる映画作品は制作されていない」と発言し、これからはフルCGアニメのみにシフトすることを認めたらしい。

ディズニーは一時期、『プリンセスと魔法のキス』や『くまのプーさん』といった作品で手描きアニメーションを復活させていましたが、興行的にフルCGアニメを上回ることができず、そうしたことが今回の撤退につながったと思われます。

アイガー氏は手描きアニメーションを今後製作する可能性を完全に否定はしていないものの、ディズニーの映画作品は通常、製作に数年を費やすといわれており、少なくとも当分の間、ディズニーが手描きアニメーションによる新作映画を発表しないことは確実となってしまいました。

まあ、確かに最近の海外作品はフルCGばかりで手描きアニメを見かけることは少なくなりましたが、老舗のディズニーが手描きアニメから撤退してしまうってのは寂しいですねえ。パナソニックプラズマテレビ事業から撤退するよりも残念です。

日本の場合、まだまだ手描きアニメが主流ですけど、ロボットアニメのロボットがCGだったり、背景がCGだったり、モブシーンのキャラクターがCGだったり、CGの割合がどんどん増えていることも事実。神山健治監督の『009 RE:CYBORG』なんて”手描きっぽく見えるように処理したCGアニメ”ですからね。「手描きにはこだわりたいが、コストや効率を考えるとCGに頼らざるを得ない」って感じなんでしょうか。数年後には、ジブリ以外はフルCGに移行してしまうかもしれませんねえ。


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