というわけで、小説版『亡国のイージス』を購入。ボリュームが有り過ぎてまだ全部読み切れていないが、なるほどこりゃあ面白い。映画を観た原作ファンが激怒するワケだ(笑)。
同時に、「映画化不可能と言われているものは、本当に映画化不可能なんだな」という事が良く分かった(でも、映画には映画の良さがあると思う)。
ついでに、『HOW TO BUILD 福井晴敏』という本も購入。これは福井晴敏という男がどんな人間かという事を、徹底的に分析した「福井晴敏完全攻略本」なのだ。
8時間にも及ぶ超ロングインタビュー他、樋口真嗣らゲストたちが福井にまつわる面白エピソードについて語り倒すという、まさに「丸ごと一冊福井晴敏」という感じの物凄い本である(巻末には倉田真由美が描いた「福井夫妻とお食事会レポートマンガ」まで載っている!)。
この本によると、福井は小学生の頃から週に1、2回は学校をサボって、映画を観るような映画好き少年だったらしい。当時は『未知との遭遇』などを観て、漠然と映画監督に憧れていたという。
しかし、高校3年の時に観た『エイリアン2』によって「こんなに凄い実写映画があったのか!」と凄まじい衝撃を受ける。そして同時に映画監督への道も諦めてしまったのだ。
福井曰く、「映画監督の道をはっきり断念したのは、ジェームズ・キャメロンのせいなんですよ(笑)。あくまでも俺の興味が“お話作り”にあるとするならば、映画監督には絶対になれない、という事にこの時気付いたんです」
その後、大学へ進学するもバイトに力を入れすぎて中退。そのまま警備会社へ就職してしまう。ところが、その仕事があまりにもヒマでやる事が無く、暇つぶしとして小説を書く事に。気付いたら原稿用紙5000枚の大長編になっていた。その後作家としてデビューし、『亡国のイージス』や『終戦のローレライ』を生み出していく事となる…
と、こんな感じで話は続いていくのだが、福井晴敏という一人の作家についてここまで掘り下げた本は前代未聞だろう。福井のガンダム好きは有名だが、一つの小説を書き始める前に、必ずガンダムのプラモデルを組み立てる事を「自分の中で“儀式”としている」など、裏話も満載でなかなか面白い。福井ファンは必読の書かも。
ちなみに福井晴敏の奥さんは、『亡国のイージス』のファンサイトを立ち上げた事がきっかけで知り合った、元ファンの女の子であるらしい。奥さん曰く、「家にいる時の福井はいつも“ムニムニ”していて、世界最大のげっ歯類“カピバラ”に似ています」との事。カピバラ…?
これが福井…いやカピバラだ!