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M・ナイト・シャマラン監督『ヴィレッジ』映画感想

ヴィレッジ

■あらすじ『1897年ペンシルバニア州、深い森に囲まれたその村では、人々が家族のような絆で結ばれながら幸福な暮らしを営んでいた。地上の楽園のような村には、決して破ってはならない三つの掟があった。「森に入ってはならない」、「不吉な赤い色を封印せよ」、「警告の鐘に注意せよ」。誰が何のために掟を作ったのか、確かなことは誰一人知らないが、村人は森に棲むと噂される未知の怪物を恐れ、自分たちの世界の中だけで慎ましく生活していたのだった。そんなある日、ひとりの盲目の少女アイヴィーブライス・ダラス・ハワード)が、村にはない医薬品を手に入れるために、禁断の森を抜ける許可を申し出る。そこで彼女を待ち受ける驚愕の真実とは・・・!?見せないことで不安を煽る視覚設計、計算し尽くされた伏線と仰天の結末。稀代のストーリーテラー:M.ナイト・シャマラン監督が、またも観客を謎とスリルの迷宮にいざなう衝撃作!』


本作は、感動スリラー『シックス・センス』で、世界中の観客の度肝を抜いたM.ナイト・シャマラン監督の最新作である。『シックス・センス』のメガヒットによって一躍「ハリウッドの若きカリスマ」へと登りつめ、“どんでん返しの達人”と絶賛されたものの、続く『アンブレイカブル』『サイン』でことごとく観客をずっこけさせまくった事でも有名だ。挙句の果てには「『シックス・センス』はマグレだったんだよ!」などと一発屋呼ばわりまでされる始末。

そんなこんなで満を持して公開された本作の評価も、やっぱりかなり微妙だったようだ。公開前には各メディアに厳重な緘口令が敷かれ、「映画の内容は絶対に口外してはならない」という誓約書にサインまでさせられたらしい。だがあまりにも厳重な警戒態勢が逆効果となったか、あるいは地味すぎる内容がアダとなったか、大ヒットには至らなかった。
一番の問題は、最後のどんでん返しが映画が始まった途端に分かってしまった事だろう。しかも某作家から「このネタは盗作だ!」と訴えられてしまったのだ。まあ、ハリウッド映画が盗作で訴えられる事は珍しくないのだが、この映画の場合は「誰でも考え付くようなオチ」だった事が問題だと言える。某作家だけでなく、色んな人から訴えられても不思議ではないほど“ありがちなオチ”で、拍子抜けする事受け合いだ(実際、アメリカの劇場ではクライマックスで爆笑の嵐だったらしい)。
しかし、面白くないかといえば決してそんな事はない。あの手この手で観客を怖がらせる数々の演出方法は(多少あざといけど)面白いし、話も分かりやすくて良いと思う。また、何気に豪華な出演者も高ポイントだろう。

ホアキン・フェニックスシガニー・ウィーバーエイドリアン・ブロディウィリアム・ハート。特にアイヴィーを演じたブライス・ダラス・ハワードが超かわいい!当初のキャスティングではキルスティン・ダンストアイヴィーを演じる予定だったらしいが、変更になって本当に良かった(いや別にキルスティンも嫌いじゃないけどさ)。

だが個人的に一番気になった登場人物は、何と言ってもシャマラン監督である。気が付くと自分の映画に毎回必ず出演しているのだから、まったく油断も隙もない。本作にもしっかり出ているので、お見逃し無く。
ところで、ホアキン・フェニックスを見ていつも石原良純を連想してしまうのは僕だけでしょうか?w