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映画『エイリアン3』感想

エイリアン3

シリーズの中で「一番の問題作」といまだに語り草になっているのがこの3である。まず脚本の段階からトラブル続出。次から次へと脚本家が交代し、なんと合計10人ものシナリオライターが入り乱れる事になった。

最初はSF作家のウィリアム・ギブソン、その後「ヒッチャー」のエリック・レッド、「ウィザード」のビンセント・ウォード、「レッド・オクトーバーを追え!」のラリー・ファーガソン、その他デビッド・トゥーイ、ジョン・ファサーノ、グレッグ・ブルース、レックス・ビケットと有名無名のライター達が参入しては消えていった。最終的には制作のウォルター・ヒルとデビッド・ガイラーまでもが脚本を執筆する羽目になったのだ。

またそれと同時に監督の交代劇も繰り返され、製作の遅れに益々拍車を掛けた。最初の監督はレニー・ハーリンである。ダイハード2の大ヒットにより大抜擢されたものの、度重なる脚本の変更にすっかり嫌気が差して降板してしまう。2番目の監督ビンセント・ウォードも脚本に納得がいかず降板。

そして3番目の監督に選ばれたのがデビッド・フィンチャーなのだが、ようやく撮影に入ってからも波乱万丈の連続だったそうだ。なんせライター10人の脚本をつなぎ合わせて作ったのだから、つじつまを合わせるだけでも大変な苦労だ。挙句の果てには、とっくに予定日を過ぎているのに全く撮影が終わらない事を重く見た20世紀フォックスは製作の中断を指示したのである!

結局、86年の3月に企画が立ち上がり撮影が終了したのが91年の12月という、大変な難産の末にようやく映画は完成したのだった。そんな現場の混乱ぶりを反映してか、映画の出来栄えもいまいちパっとしない。「面白くない」とは言わないが、全体的に地味でこれといった「売り」がないのである。何度も見返すような魅力が無いのが残念だ。