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映画『エルム街の悪夢4 ザ・ドリームマスター』感想

エルム街の悪夢

■あらすじ『死んだはずのフレディが蘇った!ヤツを倒せるのは夢を操れる能力を持つ者、「ドリームマスター」しかいない!悪夢の中の戦いが再び始まった!』



ありがちホラー『プリズン』に続いてレニー・ハーリン監督のデビュー作目に当たるのがこの『ザ・ドリームマスター』である。例によって「フレディが若者を殺しまくる」という毎度お馴染みの内容だが、シリーズ史上最高の制作費が投入され全米で大ヒット!

この大成功がきっかけで、あのアクション映画の大傑作『ダイ・ハード』の続編を撮ることになったことを考えれば凄まじいキャリア・アップだ。実はこの『エルム街の悪夢』シリーズは意外と有能な映画監督を輩出し続けている、”若手監督の登竜門”みたいなシリーズだったのである。

1作目の監督はウェス・クレイブンで、大ヒットサスペンス『スクリーム』など、現在も次々と面白い映画を作り続けている。2作目の監督はSFホラー・アクション『ヒドゥン』でアボリアッツ映画祭のグランプリを獲得したジャック・ショルダーだ。

3作目の監督はジム・キャリー主演の『マスク』で大ヒットを飛ばしたチャック・ラッセルで、現在もトム・クルーズ主演作『コラテラル』の製作総指揮を務めるなど活躍中。

そして4作目が『ダイ・ハード2』や『クリフ・ハンガー』など豪快な爆発シーンを撮らせたら天下一のレニー・ハーリンである。特に『ダイ・ハード2』のクライマックスでは大型旅客機をライターの火で爆発させるという荒技を繰り出し、映画ファンの度肝を抜いた。

5作目のスティーヴン・ホプキンスもハーリンと同じく、『プレデター2』『ブローン・アウェイ』『ロスト・イン・スペース』などで派手に色々な物を爆発させまくっていた『爆破大好き監督』の一人である。

また、脚本を書いたブライアン・ヘルゲランドも、この後良質の脚本を連発。『LA・コンフィデンシャル』『陰謀のセオリー』『ペイバック』『ミスティック・リバー』などいずれも良作・傑作ぞろいで、最新作はデンゼル・ワシントン主演の『マイ・ボディガード』である。

こうしてみると『ザ・ドリームマスター』って面白いんじゃないの?とうっかり思ってしまいそうだが、そんなことは全く無い(笑)。あくまでも普通のホラーの範疇で、別にヘルゲランドじゃなくても、誰が書いても同じだという気がする。

また『爆破大好き監督』レニー・ハーリンもこの当時はまだ火薬の量も控えめで、『ロング・キス・グッドナイト』で見せたようなテロ行為さながらの凄まじい描写は微塵も無い。

唯一レニー・ハーリンらしい場面はクライマックスのフレディとの対決シーンだろう。カンフー・チックなアクションで敵と戦う少女というシチュエーションがカッコ良く、もしかすると「怪物と戦う強い女性」という現在のアクション・ホラーの流れは、この辺りから始まっているのかもしれない。でも、おすすめはしません(笑)

主演:ロバート・イングランドロバート・シェイ
原作:ウェス・クレイブン
脚本:ブライアン・ヘルゲランド
特殊メイク:ケヴィン・イエーガー、スティーブ・ジョンソン
監督:レニー・ハーリン